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ヒメジョオン(姫女苑)とは?ハルジオンとの見分け方についても解説

薄紫色の細い花びらが特徴的な「ヒメジョオン(姫女苑)」は、春から初夏にかけて花を咲かせる野草です。

見た目は可愛いですが、繁殖力が高く日本では駆除の対象となることもあります。

本記事ではヒメジョオン(姫女苑)の特徴や花言葉、よく似ている植物「ハルジオン」との見分け方について詳しく解説いたします。

目次

ヒメジョオン(姫女苑)

ヒメジョオン(姫女苑)とはどんな野草なのか?

ヒメジョオン(姫女苑)の基本情報について解説いたします。

ヒメジョオン(姫女苑)の基本情報

学名Erigeron annuus
英名annual fleabane、eastern daisy fleabane
和名ヒメジョオン (姫女苑)
別名・流通名ゴイシングサ (御維新草) 、サイゴウグサ (西郷草)、柳葉姫菊(ヤナギバヒメギク)、テツドウグサ(鉄道草)
科名キク科
属名ムカシヨモギ属
原産地北アメリカ
日本での主な生息地ほぼ全国に分布

ヒメジョオン(姫女苑)の名前の由来

ヒメジョオンという和名の由来としては、以下の説が有力とされています。

  1. 中国産の野草という意味を持つ「女苑」と、小さく可愛らしい見た目を表す「姫」を組み合わせた
  2. 別植物の「ヒメシオン(姫紫苑)」と区別するために「ヒメジョオン(姫女苑)」と名付けた

また、「テツドウグサ」という別名は鉄道の線路沿いに広がっていたことが由来と言われています。

ヒメジョオン(姫女苑)の花言葉

ヒメジョオンの花言葉は「素朴」と「清楚」です。

派手な美しさはなくとも、道端に可愛らしい花をそっと咲かせるヒメジョオンの控えめな魅力が表現されています。

強い繁殖力を持つため、明治時代からは雑草とされていたヒメジョオン。

それでもかつては観葉植物として日本に導入されただけあり、ふと眺めてみれば心が和む素朴な愛らしさを放っています。

ヒメジョオン(姫女苑)の特徴

ヒメジョオン(姫女苑)の特徴は以下の通りです。

花が咲く季節6~10月
実のなる季節
生活型一年草、越年草
生活様式地生
草丈・樹高300〜1500mm
葉の形単葉(不分裂葉)
花のつき方互生、根生
花の色黄、桃、紫、白
葉の色黄緑
繁殖方法
日照条件日当たりの良い場所を好むが、基本的にどこでも育ちやすい
水分の必要性必要
土の必要性必要

ヒメジョオン(姫女苑)の自生地

空地に自生するヒメジョオン

ヒメジョオンは、江戸時代末頃に鑑賞用として日本へ持ち込まれた外来植物です。

その繫殖力の強さから明治初期には雑草化し、現在は全国各地で自生しています。

畑地・樹園地・牧草地・道端・草原など、土壌の種類を選ばず幅広い環境への適応が可能です。

希少な在来植物の多い標高1,700〜2,500mの「亜高山帯」や国立公園にも入り込んでおり、在来植物の成長を邪魔する可能性があるとして問題視されています。

そのため、ヒメジョオンはハルジオンと共に「要注意外来生物」と指定されている他、「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれており積極的な駆除が行われているのです。

ヒメジョオン(姫女苑)の花の特徴

ヒメジョオンの花は中心が黄色く、周りに薄紫色をした細い花びらがたくさん付いています。

キク科特有の形をしており、直径は2cm程度と小さな花です。

6〜10月が開花時期ですが、日当たりの良い場所では6月以前から咲くこともあります。

ヒメジョオン(姫女苑)の葉の特徴

根元に近い「根生葉」と呼ばれる葉は、楕円形で大きな切れ込みが入っています。

一方で茎に付いている葉は切れ込みがなく、柳のように細い形状です。

茎と同様に黄緑色をしており、よく見るとまばらに毛が生えています。

ヒメジョオンは貧乏草とも呼ばれる

ヒメジョオンは、類似した植物のハルジオンと共に以下の理由から「貧乏草」と呼ばれることがあります。

  1. ヒメジョオンやハルジオンを摘むと貧乏になったことから
  2. ヒメジョオンやハルジオンの茎を折ると貧乏になったことから
  3. 貧乏な家は庭の手入れにお金をかけられず、ヒメジョオンやハルジオンが生えたままになるから

なお、摘んだり茎を折ったりすると貧乏になる…という説は、日本の一部地域に伝わる出所が不明な俗説です。

もちろん根拠のない説なので、過剰に「貧乏」という言葉を気にする必要はありません。

ヒメジョオン(姫女苑)とハルジオンの違い

左:ヒメジョオン 右:ハルジオン

ヒメジョオンと同列に語られることもある「ハルジオン」は、原産地や見た目の共通点が多く見分けがつきにくい植物です。

ヒメジョオン(姫女苑)とハルジオンの見分け方

ヒメジョオンとハルジオンは似た特徴の多い植物ですが、花や茎、葉を見比べてみると両者の違いに気が付くことでしょう。

また、ヒメジョオンとハルジオンは花を咲かせる季節も異なります。

<比較表>

植物名ヒメジョオンハルジオン
ハルジオンより太い花びらが(花1つにつき)100枚ほどある・花びらの付き方にまとまりがあるヒメジョオンより細い花びらが(花1つにつき)200枚ほどある・花びらはまとまりがなくバラバラに付いている
やや上向き垂れ下がっている
茎からまっすぐ伸びている茎を抱きかかえるような丸みがある
肉厚で髄に白く柔らかい中身が詰まっている空洞になっている
季節6~10月頃4~8月頃
ヒメジョオンとハルジオンの違い

ヒメジョオン(姫女苑)に関するFAQ

ここで、ヒメジョオンに関してよくある質問を回答と一緒にまとめました。

ヒメジョオンの花の色は?

ヒメジョオンの花は中心が黄色く、周囲に桃色がかった白または紫がかった白色の花びらが付いています。

ヒメジョオンは食べることができますか?

ヒメジョオンは毒性がないため食べても問題はありません。
春菊のような苦味や香りがあり、食べ方としてはおひたしや天ぷらなどがおすすめです。

ヒメジョオンはどんな花のつくりをしていますか?

ヒメジョオンの花はキク科特有の細くまっすぐな花びらがたくさん付いています。
ハルジオンよりも花びらの数は少なく、まとまりのある付き方が特徴です。

ヒメジョオンの茎はどんな形をしていますか?

まっすぐ立ったヒメジョオンの茎には、粗い毛がまばらに生えています。
また、茎の中にはふわふわとした白い中身が詰まっています。

ヒメジョオンの種はどんな形をしていますか?

種は1mmも満たない小さなサイズで、白く細い冠毛が複数付いています。

ヒメジョオンの根のつくりは?

ヒメジョオンの根は「主根」という太い根に、「側根」という細長い根が沢山付いています。

ヒメジョオンは外来種ですか?

ヒメジョオンは北米原産の外来種です。
繁殖力が高く日本全国に分布していますが、在来種の生育を阻む可能性があるとして問題視されている植物でもあります。

ヒメジョオンの育て方

現在は駆除対象となっているヒメジョオン元々ヒメジョオンは観葉植物

興味のある方は、以下を参考にご自身でタケニグサを育ててみてはいかがでしょうか。

ヒメジョオンのガーデニング情報

ヒメジョオンは日向と日陰のどちらでも育つ、非常に栽培難易度の低い植物です。

繁殖力が高いため、育てる環境よりも他の植物に影響が出ないように注意しましょう。

栽培難易度簡単
株間
種まきの時期3~4月、9~11月
発芽温度
生育温度
耐寒温度耐寒性が強い
耐暑温度耐暑性が強い

ヒメジョオンの育て方カレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
種まき
定植・植替え
開花

ヒメジョオンの栽培方法

環境・土壌

ヒメジョオンは日当たりの良い場所を好みますが、基本的にはどんな環境でも育ちます。

他の植物に悪影響を与えないようプランターに入れるか、庭で育てる場合は見栄えの良い石やレンガなどで囲っておきましょう。

なお、土壌に関しても過度に気を配る必要はありません。

一般的な植物用の培養土で十分ですが、水はけの良い土にするとより元気に育ちます。

芽出し

ヒメジョオンは秋に芽生えてからロゼットを形成し、そのまま越冬します。

定植

株についている土をもみ落として植え付け、たっぷりと水やりして土着させます。

肥料

ヒメジョオンは庭・鉢植えともに肥料がなくても育ちます。

手入れ

ヒメジョオンは特別な作業をせずとも、こぼれ種で自然に増えていきます。

適度に間引くなどして過剰な増殖を抑えましょう。

植替え

ヒメジョオンは個体が増えると茎葉や根が混み合ってしまうため、1〜2年を目安に植替えを行います。

植替えの際は古い土や根茎をよく落としましょう。

まとめ

ヒメジョオンは北米原産の外来種ですが、繁殖力が高いため現在は日本各地に自生しています。

花を咲かせたヒメジョオンを見れば、雑草と呼ぶにはもったいない程の可愛らしさに心が和むことでしょう。

どんな環境でも育つので栽培難易度は低いですが、他の植物への悪影響に注意が必要です。

特にガーデニング初心者の方は、鉢植えで他の植物と隔離しながら育てることをおすすめします。

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