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カヤツリグサ(蚊帳吊草)とは?特徴や種類から遊び方なども解説

水田や畑で見かけたことがある方も多いであろうカヤツリグサ(蚊帳吊草)。

実はカヤツリグサは非常に多くの種類があり、日本産の種だけでも約40種存在します。

本記事では、カヤツリグサの花や葉などの特徴や生態から、カヤツリグサを使った遊び方なども解説いたします。

目次

カヤツリグサとは?

カヤツリグサとはどんな野草なのか?

カヤツリグサの基本情報について解説いたします。

カヤツリグサの基本情報
カヤツリグサの名前の由来
カヤツリグサの花言葉

カヤツリグサの基本情報

学名Cyperus microiria
英名asian flatsedge
和名カヤツリグサ(蚊帳吊草)
別名・流通名マスクサ(枡草)、キガヤツリ (黄蚊帳吊)
科名カヤツリグサ科
属名カヤツリグサ属
原産地日本、朝鮮、中国
日本での主な生息地本州~九州

カヤツリグサの名前の由来

漢字で「蚊帳吊草」と表記するカヤツリグサは茎を引き裂くと、四角く蚊帳のような形になります。

昔は子供たちがそれを吊り下げて遊んでいたため、カヤツリグサと呼ばれるようになりました。

なお、別名のマスクサ(枡草)も茎を引き裂いて四角形になった様子を枡に見立てたことが由来です。

カヤツリグサの花言葉

カヤツリグサの花言葉は、「伝統」「歴史」です。

古くから子供たちの間で遊び道具として親しまれていたことを表す言葉のように思えます。

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カヤツリグサの特徴

カヤツリグサの特徴は以下の通りです。

カヤツリグサの自生地
カヤツリグサの花の特徴
カヤツリグサの葉の特徴
カヤツリグサの匂い

花が咲く季節8~10月
実のなる季節
生活型一年草
生活様式地生
草丈・樹高300〜500mm
葉の形線形
花のつき方小穂
花の色
葉の色
繁殖方法種、地下茎
日照条件日向
水分の必要性必要(やや湿潤)
土の必要性必要

カヤツリグサの自生地

カヤツリグサは日本・朝鮮半島・中国を原産地としており、日本国内では本州〜九州まで広く分布しています。

日当たりの良い畑地や湿地に自生していることが多いです。

カヤツリグサの花の特徴

カヤツリグサの花は小穂で、長さ70mm〜12mm・幅2mm程度の扁平な線形をしています。

茎の先端から伸びた柄の先につく場合もあれば茎の先端に直接ついているものもあり、それらがブラシのようにずらりと並びます。

小さいうえに黄色〜黄褐色をしているため、地味な印象です。

カヤツリグサの葉の特徴

カヤツリグサの葉は根元に少数ついており、幅2mm〜3mm程度の線形をしています。

花の根元にも葉のようなものがありますが、これは厳密に言えば葉が変形した「苞」です。

苞はいくつか花序より長いものがあり、加えて根元の葉は少ないため全体的に頭でっかちな姿となっています。

カヤツリグサの匂い

カヤツリグサは「地味な雑草」というイメージが定着しがちな野草ですが、実は茎を折ると柑橘類のように爽やかな香りがします。

普段は見かけてもそのまま通りすがることが多かったという方は、ぜひ立ち止まってカヤツリグサの香りを嗅いでみてください。

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カヤツリグサを利用した遊び方

名前の由来としても述べた通り、カヤツリグサを蚊帳のような形にして吊り下げるという遊び方が言い伝えられています。

蚊帳の作り方は、以下の通りです。

STEP
カヤツリグサの根と穂の部分を切り離す
STEP
一方の先端から丁寧に裂き、反対側の先端近くまで留める
STEP
反対側から②のスタート地点側の先端近くまでもう一度裂く
STEP
慎重に開くと四角形になる

単純な遊びに見えますが、油断をするとすぐにちぎれるためかなりの集中力が必要です。

意外にも面白い遊びなので、カヤツリグサを見かけた際は挑戦してみてください。

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カヤツリグサと似た花

左:カヤツリグサ 中:コゴメガヤツリ 右:チャガヤツリ

カヤツリグサに似た野草としては、「コゴメガヤツリ」や「チャガヤツリ」が挙げられます。

それぞれの特徴やカヤツリグサとの見分け方は、以下の通りです。

カヤツリグサとコゴメガヤツリの違い
カヤツリグサとチャガヤツリの違い

<比較表>

比較カヤツリグサコゴメガヤツリチャガヤツリ
・黄色〜黄褐色
・小穂の鱗片は扁平な線形
・鱗片の先は緑色で突き出る
・黄色
・小穂の鱗片は米粒状
・鱗片の先は緑色でわずかに突き出る
・茶褐色
・小穂の鱗片は広倒卵形
・鱗片の先は緑色で外側に曲がりながら突き出る
線形線形線形
季節8~10月8~10月7~10月

カヤツリグサとコゴメガヤツリの違い

コゴメガヤツリは姿形がカヤツリグサと非常によく似ていますが、小穂はカヤツリグサに比べて小さい傾向にあり、米粒のような形状をしています。

また、小穂のつく軸には翼がほとんどありません。

カヤツリグサとチャガヤツリの違い

チャガヤツリもカヤツリグサと外見が酷似していますが、小穂の鱗片が茶褐色に染まっています。

また、花序の枝が分かれず小穂が一つにまとまってつくこと、小穂の鱗片の先が長く突き出てやや外側に曲がることも特筆すべき違いです。

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カヤツリグサの種類

カヤツリグサ属に分類される植物は多く、日本産の種だけでも雑種を含めて約40種存在します。

中でも日本国内でよく見ることができる種は、以下の通りです。

・チャガヤツリ
・コゴメガヤツリ
・ハマスゲ
・イヌクグ
・クグガヤツリ
・アゼガヤツリ
など

高さ1mを超える大型種から数cm程度の小型種まで特徴は様々で、湿地帯に自生することが多いです。

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カヤツリグサが見れる場所・植物園

カヤツリグサの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

・万葉植物園
昭和記念公園
衣笠山公園
・猪苗代湖周辺
など

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カヤツリグサの目撃情報

SNS上に寄せられた、カヤツリグサの目撃情報をご紹介いたします。

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カヤツリグサに関するFAQ

カヤツリグサについてよくある質問を集めてみました。

カヤツリグサは食べることができますか?
カヤツリグサは除草剤で駆除できますか?
カヤツリグサは水田に咲いてますか?

カヤツリグサは食べることができますか?

カヤツリグサに毒性は確認されていませんが、食用とされた例もないため食べることはおすすめできません。

カヤツリグサは除草剤で駆除できますか?

カヤツリグサは除草剤で駆除することができます。

成分や散布方法などをよく確認し、枯らしたくない植物にかからないよう注意しながら駆除を行いましょう。

カヤツリグサは水田に咲いてますか?

湿地を好むため、水田をはじめ畑地などでもよく見ることができます。

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カヤツリグサの育て方

カヤツリグサのガーデニング情報
カヤツリグサの育て方カレンダー
カヤツリグサの栽培方法

カヤツリグサのガーデニング情報

カヤツリグサは高温多湿に耐えうる生命力をもっていますが、寒さは苦手です。

温度や乾燥に注意すれば、誰でも簡単に育てることができます。

栽培難易度簡単

カヤツリグサの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
植え付け、植え替え
肥料(鉢植え)
肥料(庭植え)

カヤツリグサの栽培方法

環境・土壌

カヤツリグサは日当たりと水もちの良い環境を好みます。

水に浸かったままでも問題ありませんが、水深が深いと上手く育たないため5~10cm程度に留めましょう。

水に浸けない場合や鉢植えの場合、市販の草花用培養土または赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた配合土がおすすめです。

定植

定植は8〜10月の生育期に行います。

肥料

基本的に肥料は不要ですが、生育期に緩効性化成肥料を月に1回程度施すとよく育ちます。

手入れ

カヤツリグサは乾燥を嫌うため、土が乾かないようこまめに水やりをしましょう。

水に浸けている場合、水が汚れたら新しい水に取り替えます。

植替え

鉢植えの場合、1〜2年に1度はひと回り大きな鉢に植え替えを行いましょう。

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まとめ

カヤツリグサは広い地域に分布しており、水田や畑地などで普通に見ることができます。

希少な種ではないため見かけても通り過ぎてしまう方は多いと思いますが、茎を裂いて遊んだり、茎を折ったときの香りを嗅いでみたりと様々な楽しみ方ができます。

栽培も簡単で水に浸ってもよく育つため、池や水盤の彩りとして育てることもおすすめです。

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