春先になると鮮やかな黄色の花を咲かせる野草オオキバナカタバミ(大黄花片喰)。
元々は観賞用として輸入されてきた花ですが、繁殖力の高さから逸出して現在は道端などで普通に見ることができます。
本記事では、オオキバナカタバミの花や葉の特徴から花言葉、カタバミなどとの似た種類の植物との見分け方を解説いたします。
記事後半では、オオキバナカタバミの育て方も紹介していますので、参考にしてみてください。
オオキバナカタバミとは?
オオキバナカタバミとはどんな野草なのか?
オオキバナカタバミの基本情報について解説いたします。
・オオキバナカタバミの基本情報
・オオキバナカタバミの名前の由来
・オオキバナカタバミの花言葉
オオキバナカタバミの基本情報
学名 | Oxalis cernua |
英名 | Bermuda buttercup、buttercup oxalis、soursob |
和名 | オオキバナカタバミ(大黄花片喰) |
別名・流通名 | キイロハナカタバミ (黄色花片喰) |
科名 | カタバミ科 |
属名 | カタバミ属 |
原産地 | 南アフリカ |
日本での主な生息地 | 本州(関東地方・中央高地以南)~九州 |
オオキバナカタバミの名前の由来
オオキバナカタバミは、通常のカタバミよりも大きく黄色い花を咲かせることからその名前が付けられました。
なお、カタバミという名前は夜や日陰になると葉を閉じる習性から付けられています。
葉が閉じた状態になると半分だけ食べられたように見えることから、「カタバミ(片喰)」と呼ばれるようになりました。
オオキバナカタバミの花言葉
どちらも明るく美しいオオキバナカタバミの花のイメージにぴったりな言葉です。
なお、「輝く心」という花言葉はカタバミが仏具などを磨く際に使われていたという歴史にちなんで付けられたと言われています。
オオキバナカタバミの特徴
オオキバナカタバミの特徴は以下の通りです。
・オオキバナカタバミの自生地
・オオキバナカタバミの花の特徴
・オオキバナカタバミの葉の特徴
花が咲く季節 | 4月、5月 |
実のなる季節 | – |
生活型 | 多年草 |
生活様式 | 地生 |
草丈・樹高 | 200mm |
葉の形 | 三出複葉 |
花のつき方 | 散形花序 |
花の色 | 黄 |
葉の色 | 緑、紫 |
繁殖方法 | 球根 |
日照条件 | 日向 |
水分の必要性 | 必要 |
土の必要性 | 必要 |
オオキバナカタバミの自生地
南アフリカのケープ地方を原産地とするオオキバナカタバミは、観賞用として輸入されたものが逸出したため世界各地に分布しています。
現在は北アフリカの地中海沿岸やヨーロッパ、西アジア、アメリカ、オーストラリアなどの温帯を中心に自生しています。
日本国内では、本州の関東地方・中央高地以南〜九州までの市街地や道端などに自生していることが多いです。
オオキバナカタバミの花の特徴
オオキバナカタバミは、春先になると葉よりも高く伸びる茎に10個程度の花を散形に付けます。
花は径15~40mm程度の5弁花で、鮮やかな黄色が特徴的です。
オオキバナカタバミの葉の特徴
オオキバナカタバミには地下に鱗茎という葉が密集した短い茎があり、そこから葉が出ています。
先端がへこむハート形が3枚ずつ円形に付く、カタバミ属特有の三出複葉です。
葉の表面には、紫色の斑点がまばらに付いています。
オオキバナカタバミと似た花

オオキバナカタバミと同じくカタバミ属に分類される花は、850種もあると言われています。
中でもオオキバナカタバミに似ている花の種類と、それぞれの見分け方について解説いたします。
・オオキバナカタバミとカタバミの違い
・オオキバナカタバミとコミヤマカタバミの違い
・オオキバナカタバミとベニカタバミの違い
・オオキバナカタバミとムラサキカタバミの違い
<比較表>
比較 | オオキバナカタバミ | カタバミ | コミヤマカタバミ | ベニカタバミ | ムラサキカタバミ |
花 | ・散形花序 ・10個 ・径30〜40mm | ・散形花序 ・1~8個 ・径8mm ・黄色 | ・単生 ・径20〜30mm ・白色 | ・散形花序 ・径20〜30mm ・紅紫色 ・雄しべの葯は黄色 | ・散形花序 ・径15mm ・紫色 ・雄しべの葯は白色 |
葉 | ・3出複葉 ・表面に紫色の斑点がある | ・3出複葉 ・耳状の托葉がある | ・3出複葉 ・丸みがある | ・3出複葉 ・葉のへこみが浅い | ・3出複葉 ・裏面にオレンジ色の斑点がある |
季節 | 4月、5月 | 5~9月 | 7月、8月 | 4〜6月 | 6月、7月 |
オオキバナカタバミとカタバミの違い

カタバミは花や葉の特徴がオオキバナカタバミと非常によく似ていますが、花は径8mm程度と小さいです。
花以外にも、葉に紫色の斑点がないことや果実を付けることなどで区別が可能です。
オオキバナカタバミとコミヤマカタバミの違い

コミヤマカタバミは、亜高山帯の針葉樹林内に群生することが多いカタバミ属です。
葉は他のカタバミ属と同じくハート形ですが、丸みを帯びており三つ葉のクローバーを思わせる形状をしています。
花は径20〜30mmの白い5弁花で、花びらに紫色の筋が入ります。
オオキバナカタバミとベニカタバミの違い

ベニカタバミは、紅紫色の花が特徴的なカタバミ属です。
葉から長く突き出た茎の先に、径20〜30mmの花を1〜3個付けます。
他のカタバミ属よりも、比較的先端のへこみが浅い葉の形状も特徴的です。
オオキバナカタバミとムラサキカタバミの違い

ムラサキカタバミは、その名の通り紫色の花を咲かせるカタバミ属です。
花はベニカタバミともよく似ていますが、雄しべの葯が黄色のベニカタバミに対し、ムラサキカタバミの雄しべの葯は白色です。
また、葉の裏面にあるオレンジ色の斑点でも見分けることができます。
オオキバナカタバミが見れる場所・植物園
オオキバナカタバミの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。
オオキバナカタバミの目撃情報
SNS上に寄せられた、オオキバナカタバミの目撃情報をご紹介いたします。
オオキバナカタバミに関するFAQ
オオキバナカタバミについてよくある質問を集めてみました。
・オオキバナカタバミには毒性がありますか?
・オオキバナカタバミは食べることができますか?
・オオキバナカタバミは外来種ですか?
オオキバナカタバミには毒性がありますか?
オオキバナカタバミにはシュウ酸カルシウムが含まれているため、多量に摂取すると中毒症状が現れる可能性があります。
オオキバナカタバミは食べることができますか?
オオキバナカタバミは少量であれば食用にしても問題はなく、南アフリカでは伝統料理にも使われています。
オオキバナカタバミは外来種ですか?
現在は日本の各地で普通に見ることができますが、オオキバナカタバミは南アフリカを原産地とする外来種です。
オオキバナカタバミの育て方
・オオキバナカタバミのガーデニング情報
・オオキバナカタバミの育て方カレンダー
・オオキバナカタバミの栽培方法
オオキバナカタバミのガーデニング情報
オオキバナカタバミは元々観賞用として輸入されてきただけに、自宅で育てて花の美しさを楽しむ方が多いです。
ここでは、オオキバナカタバミの育て方について解説いたします。
栽培難易度 | 簡単 |
オオキバナカタバミの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | → | → | ||||||||||
植え付け、植え替え | → | → |
オオキバナカタバミの栽培方法
環境・土壌
オオキバナカタバミは温暖な環境を好むため日当たりの良い場所での栽培が最適ですが、暑さの厳しい地域では乾燥を防ぐために半日陰で育てましょう。
土は水はけがよく、有機質が豊富なものを好みます。
一般的な草花の培養土を使うか、赤玉土5:腐葉土4:燻炭1の配合土などを使いましょう。
定植
あらかじめ成長させてある苗を購入した場合は、元のポットよりもひと回り大きな鉢か庭に直接定植しましょう。
球根から育てる場合、鉢やポットに定植して1年程度育てると花のボリュームが増えます。
肥料
土に有機質が多く含まれていれば、肥料を与えなくても育ちます。
より花のボリュームを増やしたい場合は、月に2〜3回液体肥料を施しましょう。
手入れ
庭植えの場合は降雨のみで育ちますが、鉢植えの場合は土の表面が乾いた時点で水やりを行いましょう。
植替え
栽培を始めてから2〜3年程度で根が混み合ってくるため、休眠期を過ぎた秋ごろに株分けの要領で植え替えを行いましょう。
まとめ
オオキバナカタバミは、大きく黄色い花が特徴的なカタバミ属の一種です。
数あるカタバミ属の中でオオキバナカタバミと似ている仲間は複数存在しますが、花や葉の特徴に注目すれば用意に区別することができます。
丈夫で管理に手間がかからないため、ガーデニング初心者の方が初めて栽培する植物としてもおすすめです。
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