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タネツケバナ(種漬花)とは?特徴や花言葉から食べる方法まで解説

タネツケバナ(種漬花)は、道端や水田などに自生し、古くから農作業の始まりを知らせてくれる花としても親しまれていました。

本記事では、タネツケバナの特徴や花言葉から似た花などについて解説いたします。

記事後半のよくある質問では、タネツケバナは食べることができるかについても紹介していますので、ご覧ください。

目次

タネツケバナとは?

タネツケバナとはどんな野草なのか?

タネツケバナの基本情報について解説いたします。

タネツケバナの基本情報
タネツケバナの名前の由来
タネツケバナの花言葉

タネツケバナの基本情報

学名Cardamine scutata
英名bitter cress、toothwort
和名タネツケバナ(種漬花、種浸花)
別名・流通名ガラシ、ミズガラシ、タゼリ、コメナズナ、メクラゼリ、アイヌ山葵
科名アブラナ科
属名タネツケバナ属
原産地日本、東アジア~ヒマラヤ
日本での主な生息地全国

タネツケバナの名前の由来

「タネツケバナ」という響きから、「種子をたくさん付けるような植物であることが由来」と思った方もいるのではないでしょうか。

実際は、苗代に種籾を水に漬けて田んぼの準備をする時期に開花するという生態が由来とされています。

そのため、漢字では種を水に浸すという意味で、「種漬花」や「種浸花」と表記されるのです。

タネツケバナは古くから農作業の始まりを知らせる花として親しまれており、昔の農村では「田んぼとセットの花」という認識が強かったようです。

タネツケバナの花言葉

タネツケバナの花言葉は「勝利」「不屈の心」「情熱」「燃える思い」などが付けられています。

小さく可愛らしい花を咲かせる外見からはイメージができない、男らしい花言葉ばかりです。

他の雑草に負けじと、田んぼ一面に群生して花を咲かせる様子を表現した言葉と考えられます。

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タネツケバナの特徴

タネツケバナの特徴は以下の通りです。

タネツケバナの自生地
タネツケバナの花の特徴
タネツケバナの葉の特徴

花が咲く季節3~5月
実のなる季節6月
生活型一年草、越年草
生活様式地生
草丈・樹高100〜300mm
葉の形奇数羽状複葉
花のつき方総状花序
花の色
葉の色
繁殖方法
日照条件日向、半日陰
水分の必要性必要
土の必要性必要

タネツケバナの自生地

タネツケバナは日本を原産地とする在来種です。

北海道から沖縄までほぼ全国的に分布している他、海外では中国での自生も確認されています。

道端や水田、河川敷などの水辺を好んで群生しています。

タネツケバナの花の特徴

タネツケバナの花は白色の4弁花で、長さ3〜4mmの花びらをもち、総状花序に付いています。

雄しべは基本的に6本ですが、まれに4本の種も存在します。

タネツケバナの葉の特徴

タネツケバナが持つ葉は、冬から春にかけてロゼット状に生える「根生葉」と、花が咲く直前に地上部へ突き出るように生える「茎葉」の2種類です。

根生葉は長さ25mm〜90mmの羽状複葉で、表面はほぼ無毛です。

縁が波打っており、大根の葉に似ています。

なお、根生葉は花が咲く頃になるとなくなってしまいます。

茎葉は茎に1〜8対あり、長楕円形〜円形で縁は波打っていません。

タネツケバナの葉は食用にもなり、ほんのりとカラシ菜のような味がします。

ただし水辺に自生する野草は寄生虫が付いていることもあるため、よく洗ってから食べると良いでしょう。

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タネツケバナと似た花

左:タネツケバナ 中左:ミチタネツケバナ 中右:クレソン 右:ナズナ

タネツケバナとよく似た花と言える種は、「ミチタネツケバナ」「クレソン」「ナズナ」「モンシロチョウ」です。

ここでは、それらとタネツケバナの違いについて解説いたします。

タネツケバナとミチタネツケバナの違い
タネツケバナとクレソンの違い
タネツケバナとナズナの違い

<比較表>

比較タネツケバナミチタネツケバナクレソンナズナ
・白色の4弁花
・花びらの長さ3〜4mm
・雄しべは6本
・白色の4弁花
・花びらの長さ2~3mm
・雄しべは4本
・白色の4弁花
・雄しべは6本
・花びらが平らに開く
・白色の4弁花
・雄しべは6本
・花びらは長さ1.5~3.5mm
・茎の頂上に花をまばらに付ける
・茎葉は対生する単葉
・茎葉が多数ある
・根生葉は開花時期でなくなる
・毛はほとんどない
・水辺に自生する
・茎葉は対生する単葉
・茎葉が少ない
・根生葉は開花後も残っている
・まばらに毛が生えている
・乾燥している場所に自生する
・互生する奇数羽状複葉
・表面にやや光沢がある
・縁が波打っている
・水辺に自生する
・茎葉は互生する披針形の単葉
・根出葉は長楕円形で深く羽状に切れ込みがある
・乾燥している場所に自生する
季節3月~5月2月~4月4月~8月2月~6月

タネツケバナとミチタネツケバナの違い

ミチタネツケバナは、タネツケバナ属に分類されるタネツケバナの仲間です。

最もタネツケバナに似た外見をしていますが、長さ2〜3mmと小さい花びらが分かりやすい違いです。

また、雄しべは基本的に4本あります。

他にも、水田の土には生えていないことや開花時に残る根生葉が区別のヒントです。

タネツケバナとクレソンの違い

サラダや肉料理の付け合わせとしてお馴染みのクレソンも、タネツケバナと似た外見をしています。

タネツケバナとの違いとして最も分かりやすい部分は、タネツケバナよりも高い草丈(200〜500mm)です。

また、花は白色の4弁花、雄しべは6本という点は共通していますが、花びらはタネツケバナよりもやや平らに開いています。

タネツケバナとナズナの違い

タネツケバナは、春の七草のひとつであるナズナとも間違えられることがあります。

ただしナズナはハート形の葉や、まばらな花の付き方などタネツケバナとの違いが分かりやすいため区別は難しくありません。

また、田畑や荒地などを自生地としているため、生えている場所を確認した時点でタネツケバナではないことが分かります。

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タネツケバナが見れる場所・植物園

タネツケバナの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

小石川植物園
甫喜ヶ峰森林公園
など

タネツケバナは水田や河川敷など、水辺であればどこでも発見できる場合が多いです。
生育環境として好ましい場所にはよく群生しているため、開花時期の頃合いになったら潮六小さな花の集まりを探してみてください。

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タネツケバナの目撃情報

SNS上に寄せられた、タネツケバナの目撃情報をご紹介いたします。

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タネツケバナに関するFAQ

タネツケバナについてよくある質問を集めてみました。

タネツケバナは食べることができますか?
タネツケバナの種は飛びますか?

タネツケバナは食べることができますか?

タネツケバナに毒性はないので、食べても問題ありません。

茹でたり和え物にしたり、生のままサラダに入れたり、こってりした肉料理に添えたりと様々な料理に利用可能です。

嫌な苦味はなく、ほんのりとした辛味があります。

タネツケバナの種は飛びますか?

種子が熟成したタネツケバナのさやに触れると、果皮が巻き上がって種が飛びます。

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タネツケバナの育て方

タネツケバナのガーデニング情報
タネツケバナの育て方カレンダー
タネツケバナの栽培方法

タネツケバナのガーデニング情報

タネツケバナは湿潤な環境であれば簡単に育つ丈夫な植物です。

鑑賞はもちろん、食用としての栽培もおすすめです。

栽培難易度簡単
株間200~300mm
種まきの時期2月~4月、9月~10月

タネツケバナの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
種まき

タネツケバナの栽培方法

環境・土壌

タネツケバナは湿った土壌を好みますが、高温や乾燥を嫌います。

直射日光が当たる場所は避けて、涼所で育てることをおすすめします。

土は保水性と水はけの良いものが最適です。

基本的に市販の草花用培養土を使えば問題ありませんが、水はけが足りない場合は腐葉土やピートモスを1割程度配合しましょう。

芽出し

土に種をまき、土が乾燥しないよう水やりで管理しながら発芽を待ちます。

発芽してから本葉が2〜3程度になったら、混み合って生育に支障が出ないよう適度に間引きましょう。

肥料

タネツケバナは肥料を与えなくても健康的に育ちます。

手入れ

水やりは土の表面が乾いてきたタイミングで行いましょう。

本来は湿地を好む植物なので、水切れを起こさないよう注意が必要です。

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まとめ

水田など水辺に群生するタネツケバナは、農作業の始まりを告げる花として古くから親しまれていました。

毒性はないので食べることができ、クレソンのようにほんのりとした辛味が美味しい野草です。

湿度の管理に気を付ければ簡単に育てることができるため、ご自宅での栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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