オオニワゼキショウ(大庭石菖)はアヤメ科ニワゼキショウ属に分類される野草です。
同じニワゼキショウ属であるニワゼキショウ(庭石菖)とも非常によく似ています。
本記事では、オオニワゼキショウの特徴や花言葉からニワゼキショウとの違いについても詳しく解説いたします。
オオニワゼキショウの育て方も紹介していますので、最後までご覧ください。
オオニワゼキショウとは?
オオニワゼキショウとはどんな野草なのか?
オオニワゼキショウの基本情報について解説いたします。
・オオニワゼキショウの基本情報
・オオニワゼキショウの名前の由来
・オオニワゼキショウの花言葉
オオニワゼキショウの基本情報
学名 | Sisyrinchium micranthum |
英名 | blue pigroot、striped rush-leaf |
和名 | オオニワゼキショウ(大庭石菖) |
別名・流通名 | – |
科名 | アヤメ科 |
属名 | ニワゼキショウ属 |
原産地 | メキシコ、中央アメリカ、南アメリカ |
日本での主な生息地 | 全国 |
オオニワゼキショウの名前の由来
オオニワゼキショウの由来は、ニワゼキショウよりも草丈が高いことにちなんで名付けられました。
なお、ニワゼキショウは「庭に生えるセキショウ」という意味を込めて名付けられた植物です。
サトイモ科の「セキショウ」に似た葉を持っており、よく庭に生えていることが由来とされています。
そんなセキショウがそのまま大きくなったような外見をしているため、オオニワゼキショウと呼ばれているのです。
オオニワゼキショウの花言葉
ニワゼキショウよりも草丈が高いですが、花のサイズは小さなオオニワゼキショウ。
上品な青色や紫色の花を、控えめに咲かせる様子が表されたような花言葉です。
オオニワゼキショウの特徴
オオニワゼキショウの特徴は以下の通りです。
花が咲く季節 | 5月、6月 |
実のなる季節 | – |
生活型 | 一年草、多年草 |
生活様式 | 地生 |
草丈・樹高 | 100〜600mm |
葉の形 | 線形 |
花のつき方 | 総状花序 |
花の色 | 青、紫 |
葉の色 | 緑 |
繁殖方法 | 種 |
日照条件 | 日当たりの良い場所を好む |
水分の必要性 | 必要 |
土の必要性 | 必要 |
オオニワゼキショウの自生地
オオニワゼキショウはメキシコやアメリカ原産で、鑑賞用として日本に渡来した外来種です。
しかし持ち前の強い繁殖力から瞬く間に全国へと広がり、現在は日本全国に生息しています。
芝生や野原、道端に生えていることが多く、日当たりの良い場所を好みます。
オオニワゼキショウの花の特徴
オオニワゼキショウの花は直径1cmほどと小さく、薄青色または薄紫色の花びらが6枚付いています。
花びらの先は鋭く尖っており、ニワゼキショウの花と同じような形です。
ニワゼキショウの花との決定的な違いは、内側の花びらが外側の花びらよりも幅が狭く小さい点にあります。
また、花の中央部分にある紫色の輪はニワゼキショウよりも色が薄く、幅は狭いです。
オオニワゼキショウの葉の特徴
葉は幅2mm〜5mm程度の細長い線形で、縁に小さな鋸歯があります。
ほんのりと赤紫色に染まった基部も特徴的です。
オオニワゼキショウは名前の由来にもある通り、ニワゼキショウよりも背の高い種で個体によっては草丈が600mm程度にまで成長します。
ただし育つ環境によって成長度合いは異なるため、大きさだけでオオニワゼキショウとニワゼキショウを見分けることは難しい場合があります。
オオニワゼキショウと似た花

オオニワゼキショウは、アヤメ科ニワゼキショウ属に分類される植物のひとつです。
ニワゼキショウ属は「ニワゼキショウ」「ルリニワゼキショウ」など複数の種類があり、どれも似たような外見をしています。
パッと見ただけですぐに区別することは難しいですが、花や草丈などの特徴に注目するとそれぞれの違いが見えてきます。
ニワゼキショウ

ニワゼキショウは、花の形はオオニワゼキショウとよく似ていますが、一回り大きなサイズをしています。
オオニワゼキショウよりも草丈が低い傾向にありますが、育つ環境により区別が難しい場合もあるため花びらに注目してみましょう。
オオニワゼキショウの花びらは内側と外側で大きさが異なりますが、ニワゼキショウは花びらの大きさが均等です。
また、多くの花はオオニワゼキショウより赤紫がかった色をしています。
ルリニワゼキショウ

「アイイロニワゼキショウ」とも呼ばれる、青色の花を咲かせるニワゼキショウ属の植物です。
花びらの形はニワゼキショウやオオニワゼキショウより丸みを帯びており、先端に細い突起が付いています。
色合いはオオニワゼキショウと似ていますが、ルリニワゼキショウの方が濃く鮮やかな青色です。
<比較表>
比較 | オオニワゼキショウ | ニワゼキショウ | ルリニワゼキショウ |
花 | ・花びらの先端は尖っている ・内側の花びらがやや小さい ・青、紫・直径10mm | ・花びらの先端は尖っている・花びらの大きさが均等 ・紫、桃、白 ・直径15mm | ・花びらの先端は丸みを帯びており、細い突起が付いている ・青、紫 ・直径8mm~12mm |
葉 | 線形 | 線形 | 線形 |
草丈 | 100mm~600mm | 100mm~200mm | 150mm〜500mm |
季節 | 5月、6月 | 5月、6月 | 5月~8月 |
オオニワゼキショウが見れる場所・植物園
ニワゼキショウは道端や公園など至る所に花を咲かせていますが、他にも以下の公園や植物園で見ることができます。
・東京都薬用植物園
・高尾山付近
・千葉市動物公園
・森林公園植物園(愛知県)
・海洋博公園
・城の鼻公園
など
ニワゼキショウとオオニワゼキショウのどちらも見つけることができたら、両者をよく観察して違いを見比べてみても良いでしょう。
オオニワゼキショウを見かけたという情報は、以下にて一部ご紹介いたします。
オオニワゼキショウの目撃情報
オオニワゼキショウに関するFAQ
オオニワゼキショウについてよくある質問を集めてみました。
・オオニワゼキショウの種類にはどんなものがありますか?
・オオニワゼキショウの花が咲く季節はいつですか?
オオニワゼキショウの種類にはどんなものがありますか?
オオニワゼキショウの仲間であるニワゼキショウ属の植物は70~150種以上あると言われていますが、日本国内で自生が確認されている主な種類は「ニワゼキショウ」「ルリニワゼキショウ」などです。
オオニワゼキショウの花が咲く季節はいつですか?
オオニワゼキショウの花は5月から6月にかけて咲きます。
オオニワゼキショウの育て方
オオニワゼキショウは繁殖力が強く、土質を選ばず育ちやすい植物です。
種まきや株分けで増やすことができますが、開花が終わった翌年以降はこぼれ種で自ら増えていきます。
・オオニワゼキショウのガーデニング情報
・オオニワゼキショウの育て方カレンダー
・オオニワゼキショウの栽培方法
オオニワゼキショウのガーデニング情報
栽培難易度 | 普通 |
株間 | – |
種まきの時期 | 3月、4月、9月、10月 |
発芽温度 | – |
生育温度 | – |
耐寒温度 | – |
耐暑温度 | – |
オオニワゼキショウの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
開花 | → | → | ||||||||||
植え付け、植え替え | → | → | → | → | ||||||||
種まき | → | → | → | → |
オオニワゼキショウの栽培方法
環境・土壌
オオニワゼキショウは、日当たりや水はけの良い場所を好みます。
痩せた土でも育つほど強い繁殖力を持ちますが、通気性が良く有機質が適度に入った肥沃な土壌を用意すればより健康的に育ちます。
芽出し
種をまいてから冬の寒さを経験することで発芽率が上がるため、早く発芽させたい場合は種を冷蔵庫に2週間程度保存しましょう。
また、種は通気性・保湿性に優れた無菌の用土にまき、乾燥させないよう注意して水やりをおこないます。
定植
植え付けは、種まきと同様に3月〜4月、または9月〜10月頃に行います。
肥料
基本的に肥料は不要ですが、定植の際に土質を改善する堆肥と有機肥料、または緩効性肥料を与えると花つきが良くなります。
手入れ
土の表面が乾いた時点でたっぷりと水を与え、冬場の休眠期は特に乾燥しすぎないよう注意しましょう。
庭植えの場合、長く雨が降らない真夏の時期以外は水やりをしなくても問題ありません。
また、アブラムシがつく場合があるため見つけ次第駆除しましょう。
植替え
オオニワゼキショウは生育が早いため、鉢植えで育てている場合は1年に1回植え替えを行います。
3月〜4月または9月〜10月に、古い土と根を取り除いて一回り大きな鉢に植え替えましょう。
まとめ
オオニワゼキショウはニワゼキショウよりも草丈が高い傾向にあるため、「大きなニワゼキショウ」という意味を込めて名付けられた植物です。
ニワゼキショウと外見が似ていますが、花びらのサイズや色などに注目すると見分けることができます。
繁殖力が強く、土質を選ばず育つオオニワゼキショウはガーデニング初心者にもおすすめです。
自宅でオオニワゼキショウを育て、その綺麗な青や紫色の花に癒されてみてはいかがでしょうか。
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