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ヒメカイウ(姫海芋)とは?特徴や水芭蕉との違い、育て方など解説

園芸種として有名な「カラー」や「水芭蕉」と似ている花、「ヒメカイウ」をご存知でしょうか。

環境省レッドリスト準絶滅危惧に指定されており、日本国内で見つけることは困難な種です。

本記事では、ヒメカイウの葉や花の特徴からオランダカイウなど似た花との違いまで解説いたします。

目次

ヒメカイウとは?

ヒメカイウとはどんな野草なのか?

ヒメカイウの基本情報について解説いたします。

ヒメカイウの基本情報
ヒメカイウの名前の由来
ヒメカイウの花言葉

ヒメカイウの基本情報

学名Calla palustris
英名Bog Arum、Marsh Calla
和名ヒメカイウ(姫海芋)
別名・流通名ミズザゼン (水座禅) 、ミズイモ (水芋)
科名サトイモ科
属名ヒメカイウ属
原産地日本、北半球冷温帯
日本での主な生息地北海道~本州中部

ヒメカイウの名前の由来

ヒメカイウ(姫海芋)の「カイウ(海芋)」とは、海外から渡来したサトイモ科の芋という意味があります。

園芸種として流通・逸出しているオランダカイウなども当てはまりますが、ヒメカイウはオランダカイウより小さいことからヒメ(姫)を用いた名前が付けられました。

なお、別名のミズイモ(水芋)は下処理をすれば食用も可能な根を伸ばすことから付いたと言われています。

ヒメカイウの花言葉

ヒメカイウの花言葉は不明です。

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ヒメカイウの特徴

ヒメカイウの特徴は以下の通りです。

ヒメカイウの自生地
ヒメカイウの花の特徴
ヒメカイウの葉の特徴

花が咲く季節6月、7月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式水生
草丈・樹高100〜300mm
葉の形単葉(不分裂葉)
花のつき方肉穂花序
花の色
葉の色
繁殖方法
日照条件日向、半日陰
水分の必要性必要(湿潤)
土の必要性必要

ヒメカイウの自生地

北アメリカのアラスカ〜五大湖、ヨーロッパ、日本を含むアジアの一部などに分布しています。

日本国内では北海道〜本州中部まで分布しており、湿地や沼など水気の多い場所に自生することが多いです。

ただし環境省レッドリスト準絶滅危惧(NT)に指定されており、国内ではなかなか見つけることができません。

ヒメカイウの花の特徴

ヒメカイウには地上茎がなく、根から生えた花茎の頂上に花を付けます。

白く大きな花びらに見える部分は、サトイモ科の苞葉にあたる「仏炎苞」です。

仏炎苞に包まれている円柱形の部分が花で、花びらはなく肉穂花序で密に付きます。

ヒメカイウの葉の特徴

葉は叢生する単葉で、長さ・幅ともに70mm〜140mm程度の大きさになります。

心臓形で表面に光沢があり、葉柄鞘部の上端に膜質の葉舌があります。

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ヒメカイウと似た花

左:ヒメカイウ 中:水芭蕉 右:オランダカイウ

水芭蕉やオランダカイウは別属の花ですが、ヒメカイウに似ているとして同列に語られることが多いです。

ここでは、それぞれがもつ特徴の違いについて比較表と一緒にご紹介いたします。

ヒメカイウと水芭蕉の違い
ヒメカイウとオランダカイウの違い

<比較表>

比較ヒメカイウ水芭蕉オランダカイウ
・円柱形の肉穂花序
・広卵形~広楕円形の仏炎苞
・棍棒状の肉穂花序
・淡緑色の花が密に多数付く
・棒状の肉穂花序
・漏斗状の仏炎苞
・仏炎苞の基部がクリーム色を帯びている
・長さ、幅ともに70mm~140mm
・表面に光沢がある
・長さ800mm~1000mm、幅300mm程度
・楕円形
・長さ150mm〜450mm、幅100mm〜250mm
・矢じり形
草丈100〜300mm1000mm600〜1000mm
季節6月、7月5~7月4月、5月、9月、10月

ヒメカイウと水芭蕉の違い

水芭蕉は草丈が1000mm程度あり、ヒメカイウが一回り大きくなったような外見をしています。

白色の仏炎苞に包まれた、100mm〜300mmもの高さがある花茎に棍棒状の肉穂花序を付けます。

葉は長さ800mm〜1000mm、幅300mm程度の大きな楕円形です。

ヒメカイウとオランダカイウの違い

「カラー」とも呼ばれる園芸植物で、南アフリカを原産地としています。

花は漏斗状の仏炎苞に包まれており、棒状の肉穂花序に密集して付きます。

葉は長さ150mm〜450mm、幅100mm〜250mmの矢じり形で、表面の光沢が特徴的です。

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ヒメカイウが見れる場所・植物園

ヒメカイウの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

釧路湿原探勝歩道
・武尊山(登山道付近)
猿払村 湿原
など

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ヒメカイウの目撃情報

SNS上に寄せられた、ヒメカイウの目撃情報をご紹介いたします。

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ヒメカイウに関するFAQ

ヒメカイウについてよくある質問を集めてみました。

ヒメカイウの大きさはどれぐらいですか?
ヒメカイウの実はどんな形をしていますか?

ヒメカイウの大きさはどれぐらいですか?

ヒメカイウは草丈100〜300mm、仏炎苞の大きさは40mm〜60mmと水芭蕉よりも一回り小さなサイズです。

ヒメカイウの実はどんな形をしていますか?

ヒメカイウはベリー状の実を付け、中に数個の種子を生産します。

赤色で美味しそうな見た目をしていますが、サポニンなどの毒素が含まれているため食用にはできません。

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ヒメカイウの育て方

ヒメカイウのガーデニング情報
ヒメカイウの育て方カレンダー
ヒメカイウの栽培方法

ヒメカイウのガーデニング情報

ヒメカイウは湿度管理に注意すれば、簡単に育てることができます。

栽培難易度普通
株間
種まきの時期4月、5月、9月、10月
発芽温度
生育温度
耐寒温度30℃
耐暑温度-15℃

ヒメカイウの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
植え付け、植え替え
肥料(鉢植え)
肥料(庭植え)
種まき

ヒメカイウの栽培方法

環境・土壌

ヒメカイウは湿地に自生する植物なので池や小川などの水辺で育てると良いですが、湿度を保てるのであれば一般的な庭やプランターなどでも問題ありません。

日当たりと風通しの良い場所を選びましょう。

土は弱酸性かつ、水持ち・水はけ・通気性が良く有機質を多く含む土壌が望ましいです。

定植

庭植えの場合は土に腐葉土を混ぜておき、深植えにならないよう定植しましょう。

鉢植えの場合は赤玉土(小粒)6:腐葉土4で用土を配合し、底に鉢底石を敷いてから定植します。

肥料

庭植えや水辺で育てている場合の肥料はほとんど不要です。

鉢植えの場合は春の成長期に液体肥料を少量施しましょう。

ただし夏場の高温期に肥料が残っていると根が腐りやすくなるため、注意が必要です。

手入れ

鉢植えの場合、土の表面が乾いた時点で水をたっぷりと与えます。

特に夏場は水気を切らさないよう注意し、鉢の下に受け皿を敷いて水を溜めておくと良いでしょう。

庭植えは、定植から間もない時期や降雨のない日が続いた場合に水やりが必要です。

古く枯れかけた葉や花が終わった花茎を見つけたら、その都度切り取りましょう。

植替え

鉢植えの場合は2〜3年に1度、または鉢の底から根がはみ出てきたら植え替えを行います。

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まとめ

ヒメカイウは水芭蕉やオランダカイウとよく似た水生植物ですが、別属に分類される種でありサイズも異なります。

日本にも分布していますが、近年は自生種が減少しているため見つけることは困難です。

興味がある方は、今回ご紹介した目撃情報を参考に是非探してみてください。

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