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ミツガシワ(三槲)とは?花や葉の特徴から武将の家紋との関係性についても解説

湿潤な環境を好む高山帯の野草ミツガシワ(三槲)をご存知でしょうか。

武将の家紋に使われている葉に似ていることで有名な植物で、毛の生えた白い花も特徴的です。

本記事では、ミツガシワの花・葉の特徴から花言葉や育て方なども解説いたします。

武将の家紋との関係性についても紹介していますので、最後までご覧ください。

目次

ミツガシワとは?

ミツガシワとはどんな野草なのか?

ミツガシワの基本情報について解説いたします。

ミツガシワの基本情報
ミツガシワの名前の由来
ミツガシワの花言葉

ミツガシワの基本情報

学名Menyanthes trifoliata
英名Bog-bean、Buckbean
和名ミツガシワ(三槲、三柏)
別名・流通名ミズハンゲ(水半夏)
科名ミツガシワ科
属名ミツガシワ属
原産地日本、南千島、北半球温帯~亜寒帯
日本での主な生息地北海道~九州

ミツガシワの名前の由来

ミツガシワは、ブナ科植物のカシワに似た葉が3枚付いていることが名前の由来です。

また、柏の葉を描いた家紋「三柏」に似ているためという説もあります。

詳しくは後述しますが、家紋に使われる「三柏」と今回ご紹介するミツガシワは別物です。

ミツガシワの花言葉

ミツガシワの花言葉は、「私は表現する」です。

「表現する」という意味のMenyanthes、「花」という意味のanthosを組み合わせた学名が花言葉の由来と言われています。

また、ミツガシワの花は下から茎の頂上にかけて徐々に開いていきます。

小さくても上を向いて、美しい花を咲かせようとする姿をイメージした花言葉のように思えます。

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ミツガシワの特徴

ミツガシワの特徴は以下の通りです。

ミツガシワの自生地
ミツガシワの花の特徴
ミツガシワの葉の特徴

花が咲く季節4~8月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生、水生
草丈・樹高200〜400mm
葉の形3出複葉
花のつき方総状花序
花の色紫、白
葉の色
繁殖方法種、株分け
日照条件日向
水分の必要性必要(湿潤)
土の必要性必要

ミツガシワの自生地

ミツガシワは主に北半球諸国に分布しており、比較的寒い地域の湿地や浅い水中を好む植物です。

亜寒帯や高山に多く自生することが多いですが、京都市の深泥池や東京都練馬区の三宝寺池など、温暖な地域の一部に自生する場合もあります。

そういった個体は氷河期から残存しているミツガシワと考えられており、これを含む水生植物の群落は天然記念物に指定されています。

ミツガシワの花の特徴

ミツガシワの花は長い雌しべと短い雄しべをもつ「長花柱花」と、短い雌しべと長い雄しべをもつ「短花柱花」の2種類があります。

株によってどちらか一方のタイプが咲き、長花柱花の株にだけは実が成ります。

花はどちらも径10〜15mm程度で、5弁花に見えますが実際は1つの花びらが5つに裂けているだけです。

花びらの内側には、白い毛が密集しています。

ミツガシワの葉の特徴

ミツガシワの葉は根から伸びているように見える「根出葉」で、軸の先端から小葉が3つに出た「3出複葉」の形状です。

縁に鈍い鋸歯があることもあれば、まったく鋸歯がないこともあります。

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ミツガシワは家紋にも使用される野草?

先述の通り、ミツガシワという名前は「三柏」と呼ばれる家紋が名前の由来になったと言われています。

3枚に連ねて描かれた葉は確かにそっくりですが、実際に家紋に描かれている葉はミツガシワではなく「カシワの葉」です。

カシワは古来から神聖な木と考えられており、武家の家紋だけでなく神社の象徴となる神紋にもよく採用されていました。

ミツガシワを家紋とする武将「葛西氏」

三柏を家紋にする武家は複数存在しますが、特に奥州の「葛西氏」は古くから三柏の家紋を使っていた武家として有名です。

宴の最中に空から舞い降りた三つ葉のカシワが、初代当主である清重の持つ盃に映ったから家紋に採用した…という説がありますが、正しい理由は不明です。

古来より名門武家であった葛西氏は多くの分家を有しますが、一族の結束を示すためか主家と同じくカシワを家紋にするところが多かったようです。

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ミツガシワと似た花

左:ミツガシワ 右:イワイチョウ

ミツガシワは花・葉ともに個性的な姿をしていますが、同じくミツガシワ科に分類される「イワイチョウ」に外見が似ています。

<比較表>

比較ミツガシワイワイチョウ
・花弁の内側に毛がある
・長花柱花と短花柱花がある
・花弁に波状のシワがある
・毛がない
・3出複葉
・厚みのある楕円形
・縁に鋸歯がある
・単葉
・丸みのあるイチョウ形
・表面に光沢がある
・縁に鋸歯がある
季節4~8月7月、8月

ミツガシワとイワイチョウの違い

5裂した白い花を付けるイワイチョウは、ミツガシワとよく似ています。

分かりやすい違いは葉で、イワイチョウは丸みがあるイチョウのような形状です。

花はミツガシワと似ていますが、花びらの切れ込みの縁にシワがあり、毛が生えていないという違いがあります。

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ミツガシワが見れる場所・植物園

ミツガシワの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

六甲高山植物園
アクアマリンいなわしろカワセミ水族館
乗鞍高原
たきがしら湿原
日光植物園
など

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ミツガシワの目撃情報

SNS上に寄せられた、ミツガシワの目撃情報をご紹介いたします。

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ミツガシワに関するFAQ

ミツガシワについてよくある質問を集めてみました。

ミツガシワは尾瀬で見ることができますか?
ミツガシワはどこで販売されていますか?

ミツガシワは尾瀬で見ることができますか?

ミツガシワは尾瀬の水気が多い湿原に多く自生しており、普通に見ることができます。

ミツガシワはどこで販売されていますか?

ミツガシワは園芸ショップや通販サイトなどで、苗が販売されています。

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ミツガシワの育て方

ミツガシワのガーデニング情報
ミツガシワの育て方カレンダー
ミツガシワの栽培方法

ミツガシワのガーデニング情報

ミツガシワは、販売されている苗を購入して栽培を始めることができます。

寒冷地に自生する植物なので耐寒性は高いですが、乾燥しないように注意が必要です。

栽培難易度やや難しい

ミツガシワの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
肥料(鉢植え)
肥料(庭植え)

ミツガシワの栽培方法

環境・土壌

ミツガシワは日当たりと風通しの良い場所を好みます。

また、水生植物なので根元が水に浸かった状態を保つことが大切です。

水中の土に植え込むか、鉢を水中に沈めて育てましょう。

土は一般的な赤玉土で問題ありませんが、田んぼの土を使うとより育ちやすくなります。

肥料

肥料は3〜9月の間で、5〜8週間に1回の頻度で肥料を与えましょう。

緩効性の化成肥料や、発行済みの油粕を使用します。

手入れ

ミツガシワを育てる際は、水切れを起こさないよう十分な注意が必要です。

また、夏場は水温が上がりやすいので2日に1回の頻度で水を入れ替えましょう。

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まとめ

毛の生えた白い花とカシワのような葉が特徴的な水生植物、ミツガシワ。

寒冷地に自生することが多いですが、中には温暖な地域で自生する個体も存在します。

ミツガシワと言えば家紋の「三柏」を思い浮かべますが、家紋に描かれている葉とは別物です。

園芸ショップや通販サイトなどでよく販売されているので、家庭で育てつつ花の観賞を楽しんでみることもおすすめです。

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