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就眠運動をするコミカンソウ(小蜜柑草)とは?花・葉の特徴や薬効など解説

道端や花壇、畑などで見ることができるコミカンソウは、夜になると「就眠運動」をすることで知られています。

今回はコミカンソウの生態や花・葉の特徴など基本的な情報に加え、薬効や似た花の種類と見分け方などについても解説いたします。

目次

コミカンソウとは?

コミカンソウとはどんな野草なのか?

コミカンソウの基本情報について解説いたします。

コミカンソウの基本情報
コミカンソウの名前の由来
コミカンソウの花言葉

コミカンソウの基本情報

学名Phyllanthus urinaria
英名Chamberbitter、Leafflower
和名コミカンソウ(小蜜柑草)
別名・流通名
科名コミカンソウ科
属名コミカンソウ属
原産地東アジア~南アジア、日本
日本での主な生息地本州(関東地方以西)~沖縄

コミカンソウの名前の由来

コミカンソウは、直径3mm程度の非常に小さくオレンジ色をした実をつけます。

実の外見が小さなミカンを思わせるため、コミカンソウ(小蜜柑草)と名付けられました。

コミカンソウの花言葉

コミカンソウの花言葉は、「秘めた意思」です。

茎の上部や茎先に花をつける植物が多い中、コミカンソウは葉の下で隠すように花をつけます。

小さく目立たなくとも、確かに存在する花の様子を表現しているかのような花言葉です。

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コミカンソウの特徴

コミカンソウの特徴は以下の通りです。

コミカンソウの自生地
コミカンソウの花の特徴
コミカンソウの葉の特徴

花が咲く季節8~10月
実のなる季節
生活型一年草
生活様式地生
草丈・樹高600mm
葉の形単葉(不分裂葉)
花のつき方集散花序
花の色緑白
葉の色
繁殖方法
日照条件日向
水分の必要性必要
土の必要性必要

コミカンソウの自生地

コミカンソウは東アジア~南アジアを中心に、世界の熱帯・亜熱帯に帰化しています。

日本では本州の関東地方以西・四国・九州・沖縄に分布しており、道端や畑に自生していることが多いです。

コミカンソウの花の特徴

コミカンソウの花は通常8~10月にかけて開花しますが、沖縄では1年中咲いています。

雄花と雌花があり、葉がついた枝の裏側で1列に並ぶことが特徴です。

なお、雄花は全体的に白色で、雌花は赤みがかっています。

萼片と一体化した6弁花で、各花弁には赤い筋があります。

コミカンソウの葉の特徴

コミカンソウの葉は、直立した茎から分かれた枝に10〜39枚互生します。

規則的に多数の葉がついているため、全体的に羽状複葉のような形に見えます。

葉は長さ7~18mm程度の楕円形で、毛や鋸歯はありません。

また、日が暮れると枝の先に向けて葉を折りたたんで就眠します。

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コミカンソウを食べると現れる薬効

コミカンソウには様々な薬効があると言われていますが、そのまま食べるよりかは葉をお茶として煎じて飲む場合がほとんどです。

コミカンソウの主な薬効は、以下の通りです。

※コミカンソウを治療目的で摂取する場合は、必ず医師に相談しましょう。

鎮痛・解毒作用
抗酸化効果・利尿作用
結石の粉砕

鎮痛・解毒作用

コミカンソウの代表的な薬効が、鎮痛・解毒作用です。

長きにわたって民間療法の薬草とされていましたが、現在はどちらの作用も確認されています。

抗酸化効果・利尿作用

コミカンソウには抗酸化物質のリグナンやフラボノイド、ポリフェノールを形成するエラジタンニンが含まれています。

また、ヒポフィランチンも含まれており利尿作用があります。

結石の粉砕

コミカンソウは尿管結石を砕く作用も認められており、腎臓や尿管結石の治療薬として注目を浴びています。

特にアンデスに生育する近縁種「キダチコミカンソウ」は、「Chanca piedra(石を砕くもの)」と呼ばれ世界中の熱帯地域で伝統的に使われているのです。

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コミカンソウの仲間を紹介

コミカンソウ属は日本に分布しているもので12種、全世界では800種も存在する非常に大きな属です。

日本で生育する代表種としては以下の5つがあります。

・ヒメミカンソウ
・ナガエコミカンソウ(ブラジルコミカンソウ)
・キダチコミカンソウ
・コバンノキ
・ハナコミカンボク  など

上記のうち、ハナコミカンボクはよく似た近縁種でありながら木本(幹が木化して肥大生長した植物)です。

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コミカンソウと似た花

左:コミカンソウ 中:ナガエコミカンソウ 右:オオニシキソウ

近縁種を含め、コミカンソウに似た花は複数存在します。

ここでは、コミカンソウに似た花の種類と見分け方を解説いたします。

コミカンソウとヒメミカンソウの違い
コミカンソウとナガエコミカンソウの違い
コミカンソウとオオニシキソウの違い

<比較表>

比較コミカンソウヒメミカンソウナガエコミカンソウオオニシキソウ
・小集散花序
・白色・葉腋につく
・小集散花序
・白色
・葉腋につく
・小集散花序
・白色
・葉腋につく
・杯状花序
・白色
・白または赤色の付属体がつく
・茎先または枝先につく
・互生する単葉(不分裂葉)で1列に並ぶ
・楕円形
・全縁
・枝分かれした茎につく
・互生する単葉(不分裂葉)で1列に並ぶ
・細長い楕円形
・全縁
・どの茎にもつく
・互生する単葉(不分裂葉)で1列に並ぶ
・楕円形
・全縁
・対生する単葉(不分裂葉)
・楕円形
・細かい鋸歯がある
・傷をつけると乳白色の乳液が出る
果実・オレンジ色
・表面はイボがある
・黄色
・表面はなめらか
・淡い黄色
・表面はイボがある
・長い軸がある
・赤色
・3稜がある
草丈600mm150〜400mm400~900mm200〜600mm
季節8〜10月7〜10月8〜10月6~11月

コミカンソウとヒメミカンソウの違い

ヒメミカンソウは草丈が150〜400mm程度とコミカンソウよりも小柄で、茎が斜め上に向かって伸びています。

コミカンソウは分かれた枝に葉をつけますが、ヒメミカンソウはどの茎にも葉をつけることが分かりやすい違いです。

また、コミカンソウの実は赤みがかったオレンジでイボがありますが、ヒメミカンソウの実は黄色く表面が滑らかです。

コミカンソウとナガエコミカンソウの違い

ナガエコミカンソウは草丈が400~900mmと高いことが分かりやすい特徴で、コミカンソウよりも大柄です。

果実は淡い黄色で小さな突起があり、長い軸の先にぶら下がっています。

コミカンソウとオオニシキソウの違い

トウダイグサ科のオオニシキソウは、対生する楕円形の葉、白または赤色の付属体がついた花がコミカンソウと異なる部分です。

外見でも区別は容易ですが、茎や葉に傷をつけると乳白色の乳液が出るという特徴もあります。

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コミカンソウはグランドカバーにも

コミカンソウは繁殖力が高く、雑草として扱われる場合が多いです。

しかし密集して育つほど背が低くなる傾向にあり、丸みのある楕円形で可愛らしい葉と相まって、グランドカバーに適した植物とも言えます。

グランドカバーはレンガや石と組み合わせればおしゃれな見た目になるだけでなく、ホコリや泥はねの防止にもなります。

お庭でコミカンソウを見つけた場合は、引き抜かず上手に利用してみましょう。

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コミカンソウが見れる場所・植物園

コミカンソウの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

東京都立木場公園
・小山台公園
京都府立植物園   など

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コミカンソウの目撃情報

SNS上に寄せられた、コミカンソウの目撃情報をご紹介いたします。

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コミカンソウに関するFAQ

コミカンソウについてよくある質問を集めてみました。

コミカンソウはグランドカバーにも最適な植物ですか?
コミカンソウはどういった土壌を好みますか?
コミカンソウを駆除する方法はありますか?

コミカンソウはグランドカバーにも最適な植物ですか?

コミカンソウは密集している個体ほど低く成長する、グランドカバーに適した植物です。

コミカンソウはどういった土壌を好みますか?

コミカンソウは道端や畑で自生する植物なので、日当たりが良く温かな土地であればどんな土壌でも育ちます。

コミカンソウを駆除する方法はありますか?

コミカンソウは繁殖力が強いため、根まで枯らせる除草剤での駆除がおすすめです。

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まとめ

小さくなったミカンのような実と、羽状複葉を思わせる規則的な並びの葉が特徴的なコミカンソウ。

全世界で800種もの近縁種が存在し、国内には12種の仲間が自生しています。

また、様々な効能があるためお茶にして様々な症状の緩和を図る薬草という一面も持ちます。

お庭のグランドカバーとしてもピッタリなので、お庭に生えているコミカンソウを見つけたらぜひそのままガーデニングに活用してみてください。

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