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ヤセウツボ(痩靫)とは?花や葉の特徴、育て方など詳しく解説

要注意外来生物に指定されている帰化植物、ヤセウツボ(痩靫)をご存知でしょうか。

寄生植物でもあり個性的な外見をしたヤセウツボですが、近年はアルツハイマー病に有効な物質が発見され大きな注目を集めています。

本記事では、ヤセウツボの花や葉の特徴から似た花との違いなどを解説いたします。

目次

ヤセウツボとは?

ヤセウツボとはどんな野草なのか?

ヤセウツボの基本情報について解説いたします。

ヤセウツボの基本情報
ヤセウツボの名前の由来
ヤセウツボの花言葉

ヤセウツボの基本情報

学名Orobanche minor var. minor
英名Common broomrape
和名ヤセウツボ(痩靫)
別名・流通名
科名ハマウツボ科
属名ハマウツボ属
原産地ヨーロッパ、北アフリカ
日本での主な生息地本州~四国

ヤセウツボの名前の由来

ヤセウツボは漢字で「痩靫」と表記します。

ウツボというと海の生き物をイメージしがちですが、このウツボ(靫)は矢を持ち運ぶ際に腹や背に結ぶ籠のような武具のことを指します。

花穂が靫の形に似ており、仲間のハマウツボよりも細い外見をしていることからヤセウツボと名付けられました。

ヤセウツボの花言葉

ヤセウツボの花言葉は、「依存心が強い」です。

キク科やセリ科植物に寄生して養分を摂っており、宿主の植物が弱ると自身も同時に衰えてしまうというヤセウツボの依存関係が表れています。

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ヤセウツボの特徴

ヤセウツボの特徴は以下の通りです。

ヤセウツボの自生地
ヤセウツボの花の特徴
ヤセウツボの葉の特徴

花が咲く季節4~6月
実のなる季節
生活型一年草
生活様式奇生
草丈・樹高150〜400mm
葉の形特殊(鱗片状に退化)
花のつき方単生
花の色黄白、紫
葉の色
繁殖方法
日照条件日向
水分の必要性必要
土の必要性必要

ヤセウツボの自生地

ヤセウツボはヨーロッパや北アフリカを原産としており、オセアニアやアジア、南北アメリカなどに広く分布しています。

日本国内では1937年に千葉県で初めて自生が確認され、本州から四国にかけて定着していきました。

キク科やセリ科などの植物に寄生し、特にシロツメクサなどが群生している場所で多く見ることができます。

ヤセウツボの花の特徴

ヤセウツボは、茎の上部に付いている鱗片状の苞葉の脇に花を咲かせます。

淡い黄色をした12mm〜15mmの唇形花で、上唇は浅く2裂し、下唇は3裂して縁に不規則な切れ込みがあります。

また、花びらにある紫色の筋も特徴的です。

ヤセウツボの葉の特徴

ヤセウツボの葉は葉緑素がないため茶褐色で、アスパラガスのように鱗片状に退化しています。

披針形で先端は鋭く尖っており、まばらに茎に付きます。

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ヤセウツボと似た花

左:ヤセウツボ 右:ヤマウツボ

ヤセウツボに似ている花としては、「ヤマウツボ」を挙げることができます。

ヤマウツボも寄生植物で、唇形花を総状に付ける姿はヤセウツボによく似ています。

ただしヤマウツボは花・茎ともに真っ白なので、両者を見比べれば区別は難しくありません。

また、ヤマウツボはカバノキ科やブナ科などの樹木を宿主とします。

<比較表>

比較ヤセウツボヤマウツボ
・唇形花を総状に付ける
・淡い黄色
・紫色の筋がある
・唇形花を総状に付ける
・白色
・鱗片状に退化
・披針形
・茶褐色
なし
寄生する植物キク科、セリ科などの植物カバノキ科、ブナ科などの樹木
季節4~6月5月~7月

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ヤセウツボが見れる場所・植物園

ヤセウツボの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

多摩動物公園
・多摩川付近
代々木公園付近
小石川植物園
小山内裏公園
など

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ヤセウツボの目撃情報

SNS上に寄せられた、ヤセウツボの目撃情報をご紹介いたします。

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ヤセウツボに関するFAQ

ヤセウツボについてよくある質問を集めてみました。

ヤセウツボは特定外来生物に入っていますか?
ヤセウツボは食べることができますか?

ヤセウツボは特定外来生物に入っていますか?

「特定外来種」のように栽培が規制されてはいませんが、田畑などに繁殖すると作物の生育に影響を与える恐れがあるとして「要注意外来生物」に指定されています。

ヤセウツボは食べることができますか?

ヤセウツボに毒性は確認されておらず、動物の胃から種子が発見された事例もあるようです。

なお、ヤセウツボにはアルツハイマー病の原因物質を抑える作用を持っていると筑波大学より発表されています。

寄生植物の成分がアルツハイマーの原因物質を抑制する | 財経新聞 

ただしヤセウツボを食用にした例はなく、安全性は確立されていないためむやみに食べないようにしましょう。

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ヤセウツボの育て方

ヤセウツボのガーデニング情報
ヤセウツボの育て方カレンダー
ヤセウツボの栽培方法

ヤセウツボのガーデニング情報

ヤセウツボは寄生植物なので、単体で植え付けても成長しません。

また、周囲の植物の生育を阻害する恐れもあるため、大切に育てたい花などの近くには植えないようにしましょう。

栽培難易度やや難しい

ヤセウツボの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花

ヤセウツボの栽培方法

環境・土壌

ヤセウツボは日当たりの良い場所を好みますが、湿度を嫌います。

痩せ地でも育つ丈夫な植物なので、水はけの良い土であれば特にこだわる必要はありません。

定植

ヤセウツボは単体で成長することができないため、マメ科やセリ科植物と合わせて定植しましょう。

肥料

宿主の植物から養分を吸収するため、肥料は不要です。

手入れ

土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える程度の管理で問題ありません。

植替え

ヤセウツボは一年草なので、植え替えは不要です。

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まとめ

寄生植物であるヤセウツボは、茶褐色の茎に淡い黄色の唇形花を総状に付ける個性的なスタイルが特徴の野草です。

近年はアルツハイマー病に効果がある作用を含むとして知名度が高まりましたが、食用にした際の安全性は不確かであるためむやみに食べないよう注意しましょう。

ご自身で育てる場合、宿主になる植物の用意も必要です。

周囲に他の植物が植えてあると成長を阻害する恐れがあるため、場所をよく考えて植え付けましょう。

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