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コマツヨイグサ(小待宵草)とは?特徴や花言葉から育て方まで解説

コマツヨイグサ(小待宵草)は海辺に自生する野草で、夜になると開花するマツヨイグサの仲間です。

群生して夜の闇を照らすように鮮やかな花を咲かせる姿はロマンチックですが、繁殖力の高さから「要注意外来種」の指定を受けています。

本記事ではコマツヨイグサの花や葉の特徴から花言葉や似た花との見分け方まで解説いたします。

記事後半では、コマツヨイグサの育て方も紹介していますので、最後までご覧ください。

目次

コマツヨイグサとは?

コマツヨイグサとはどんな野草なのか?

コマツヨイグサの基本情報について解説いたします。

コマツヨイグサの基本情報
コマツヨイグサの名前の由来
コマツヨイグサの花言葉

コマツヨイグサの基本情報

学名Oenothera laciniata
英名cutleaf eveningprimrose
和名コマツヨイグサ (小待宵草)
別名・流通名キレハマツヨイグサ(切れ葉待宵草)
科名アカバナ科
属名マツヨイグサ属
原産地北アメリカ
日本での主な生息地本州~九州

コマツヨイグサの名前の由来

コマツヨイグサという名前は、同属のマツヨイグサよりも小さな花にちなんで付けられました。

なお、マツヨイグサは夜に開花する性質から「宵を待つ草」という意味を込めて名付けられています。

コマツヨイグサも同じ性質を持っているため、まさにマツヨイグサが一回り小さくなったような種なのです。

コマツヨイグサの花言葉

コマツヨイグサの花言葉は、「ほのかな恋」「もの言わぬ恋」「浴後の美人」「入浴後の乙女」などがあります。

海辺や海岸など水のある場所にひっそりと小さく、しかし美しい花を咲かせるコマツヨイグサの姿を表したような花言葉です。

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コマツヨイグサの特徴

コマツヨイグサの特徴は以下の通りです。

コマツヨイグサの自生地
コマツヨイグサの花の特徴
コマツヨイグサの葉の特徴

花が咲く季節4~11月
実のなる季節
生活型越年草
生活様式地生
草丈・樹高200〜600mm
葉の形単葉(不分裂葉)、分裂葉
花のつき方単生
花の色
葉の色
繁殖方法
日照条件日向
水分の必要性必要
土の必要性必要

コマツヨイグサの自生地

コマツヨイグサは北アメリカ原産の植物ですが、アジアやアフリカにも広く分布しています。

日本では本州〜九州にかけて定着している種が多いものの、稀に北海道でも見ることができます。

コマツヨイグサは強い繁殖力を持つことから、生態系を崩す恐れがあるとして「要注意外来生物」の指定を受けている外来種です。

そのため、現在は各地で積極的に駆除が行われています。

コマツヨイグサの花の特徴

コマツヨイグサの花は葉腋に単生し、大きなものでは径40mmにまで成長します。

一見8枚の花びらが連なっているように見えますが、実際はハート形に2裂した4枚の花びらから成る4弁花です。

また、夕方から鮮やかな黄色の花を咲かせるものの、翌日になるとしぼんで赤く染まる性質があります。

コマツヨイグサの葉の特徴

コマツヨイグサの葉は根出葉と茎葉の2種類があります。

根出葉はその名の通り茎の根元から出た葉のことで、葉柄をもちます。

一方で茎に付く茎葉は葉柄がなく、長さ20mm〜100mm・幅4mm〜35mmの長楕円形〜披針形です。

通常は羽状に裂けていますが、上部に付く茎葉は裂けずに浅い波状の鋸歯が付いています。

なお、コマツヨイグサは秋に芽生えてから「ロゼット」と呼ばれる葉の姿で冬を越します。

ロゼットとは葉が平たく放射状に開いている状態のことで、バラの花びらのように連なっていることからその呼び名が生まれました。

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コマツヨイグサと似た花

左:コマツヨイグサ 中左:マツヨイグサ 中右:オオマツヨイグサ 右:アレチマツヨイグサ

マツヨイグサ属に分類される花は様々ですが、中でもマツヨイグサ・オオマツヨイグサ・アレチマツヨイグサとよく似ています。

それぞれの見分け方について解説するとともに、特徴の違いを比較表でまとめてみました。

コマツヨイグサとマツヨイグサの違い
コマツヨイグサとオオマツヨイグサの違い
コマツヨイグサとアレチマツヨイグサの違い

<比較表>

比較コマツヨイグサマツヨイグサオオマツヨイグサアレチマツヨイグサ
・径40mm程度
・黄色
・しおれると赤色になる
・径30~50mm
・黄色
・花びらの基部に赤い斑点が1つある
・しおれると赤色になる
・径60〜80mm
・黄色
・径30mm程度
・黄色
・やや下向きに垂れる
・花びらの間に隙間がある
・蕾のときは萼が開く
・根出葉と茎葉
・茎葉は披針形~狭楕円形
・茎葉の縁に浅い鋸歯がある
・根出葉と茎葉
・茎葉は披針形~狭楕円形
・茎葉の縁に浅い鋸歯がある
・根出葉と茎葉
・茎葉は披針形~狭楕円形
・茎葉の縁に浅い鋸歯がある
・根出葉と茎葉
・茎葉は披針形~狭楕円形
・茎葉の縁に浅い鋸歯がある
草丈200〜600mm300〜1000mm500〜1500mm500〜1000mm
その他茎に赤い斑点がある
季節4~11月5~11月7〜10月6〜9月

コマツヨイグサとマツヨイグサの違い

マツヨイグサは外見の特徴にほとんど差がありませんが、草丈が300〜1000mmとコマツヨイグサよりも比較的高く成長します。

また、花びらの基部に赤い斑点が1つあることも特筆すべき違いです。

コマツヨイグサとオオマツヨイグサの違い

オオマツヨイグサは径60〜80mmにまで成長する大きな花と、茎にある赤い斑点が特徴的です。

草丈も500〜1500mmと、他のマツヨイグサよりも全体的に大きなサイズへと成長します。

花の色や夕方頃に咲き始める性質は、コマツヨイグサと変わりません。

コマツヨイグサとアレチマツヨイグサの違い

アレチマツヨイグサは、花がやや下向き垂れる姿が特徴的です。

メマツヨイグサともよく混同されますが、花びらに隙間がある他、蕾のときに萼が開くという違いがあります。

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コマツヨイグサが見れる場所・植物園

コマツヨイグサの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

武蔵野の森公園
稲毛公園
葛西臨海公園
湘南海岸公園
福間海岸
・犬若海岸
など

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コマツヨイグサの目撃情報

SNS上に寄せられた、コマツヨイグサの目撃情報をご紹介いたします。

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コマツヨイグサに関するFAQ

コマツヨイグサについてよくある質問を集めてみました。

コマツヨイグサは食べることができますか?
コマツヨイグサは浜辺でみることができますか?

コマツヨイグサは食べることができますか?

コマツヨイグサは新芽や花を食用にすることが可能で、酢の物や和え物、天ぷらに調理されることが多いです。

ただし人によってはコマツヨイグサを食べることで吐き気などの中毒症状が現れることがあるため、積極的に食べることはおすすめできません。

コマツヨイグサは浜辺でみることができますか?

コマツヨイグサは浜辺にも自生しています。

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コマツヨイグサの育て方

コマツヨイグサのガーデニング情報
コマツヨイグサの育て方カレンダー
コマツヨイグサの栽培方法

コマツヨイグサのガーデニング情報

コマツヨイグサは病害虫の恐れもなく、比較的育てやすい植物です。

ただし繁殖力が高いため、逸出しないよう管理に注意しましょう。

栽培難易度普通
株間20~30cm
種まきの時期2~4月

コマツヨイグサの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
植え付け、植え替え
肥料(鉢植え)
肥料(庭植え)
種まき

コマツヨイグサの栽培方法

環境・土壌

コマツヨイグサは日当たり・水はけの良い砂地を好みます。

過湿には弱いですが、暑さ・寒さ共に体制があるため環境にこだわらずとも生育が可能です。

土壌は砂地が最適ですが、一般的な園芸用の培養土に赤玉土や鹿沼土を混ぜたものを使っても問題ありません。

芽出し

種は2〜4月頃、鉢や庭に直接まきましょう。

発芽後は成長が遅い芽を摘み取り、元気に成長している芽だけを育てます。

定植

苗から育てる場合は4〜5月頃に定植を行います。

鉢植えの場合は苗よりも一回り大きな鉢に、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で配合した土を使います。

庭植えの場合は土を掘り起こし、腐葉土を混ぜてから定植しましょう。

根についた土を落とさず、丁寧に植えることが大切です。

肥料

肥料は定植の際に、緩効性の化成肥料を土に混ぜ込んで与えます。

3月と10月にも同じ肥料を与えますが、控えめに与えることを意識しましょう。

肥料が多いと、枯れることがあります。

手入れ

土の表面が乾いたら、水やりをしましょう。

ただし庭植えの場合は基本的に降雨に任せて問題ありません。

植替え

鉢植えの場合、鉢が根で一杯になったら3月または9月に植え替えを行います。

定植と同じ土を使い、根に付いた古い土を落とさずに植え替えましょう。

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まとめ

コマツヨイグサは、他のマツヨイグサ属植物に比べて小さなサイズが特徴的な野草です。

鮮やかな黄色の花を小さく咲かせ、海岸をさり気なく彩る姿はマツヨイグサやオオマツヨイグサでは味わえない魅力があります。

毒性が確認されていないため食用とする人もいますが、中毒症状が現れる場合もあるため注意しましょう。

鑑賞用としても適しているので、自宅でコマツヨイグサの花を愛でたい方はぜひ育ててみてください。

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