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気持ち悪いと言われるビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)とは?花の特徴や花言葉から薬効についても解説

ヨーロッパや北アフリカなどを原産地とする野草、ビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)をご存知でしょうか。

柔らかな触り心地と草丈の高さが特徴的なビロードモウズイカは、ハーブティーやドライフラワーに使われることもあります。

本記事では、ビロードモウズイカの花や葉の特徴から生態、花言葉などの基本情報を解説いたします。

記事後半では、ビロードモウズイカの育て方についても紹介していますので、最後までご覧ください。

目次

ビロードモウズイカとは?

ビロードモウズイカとはどんな野草なのか?

ビロードモウズイカの基本情報について解説いたします。

ビロードモウズイカの基本情報
ビロードモウズイカの名前の由来
ビロードモウズイカの花言葉

ビロードモウズイカの基本情報

学名Verbascum thapsus
英名Great Mullein、Common Mullein
和名ビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)
別名・流通名ニワタバコ(庭煙草)
科名ゴマノハグサ科
属名モウズイカ属
原産地ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア
日本での主な生息地全国

ビロードモウズイカの名前の由来

ビロードモウズイカと変わった響きの名前ですが、漢字で表記すると「天鵞絨毛蕊花」になります。

ビロード(天鵞絨)とはパイル織物の一種で、モウズイカ(毛蕊花)は毛のある蕊(雄しべ・雌しべの”しべ”)を持つ花を意味します。

ビロードモウズイカは全身に細かな綿毛が生えており、触り心地がパイル織物に似ているためこのような名前が付けられました。

ビロードモウズイカの花言葉

ビロードモウズイカの花言葉は、「人当たりの良い」「臨機応変な態度」などがあります。

「人当たりの良い」は、ビロードモウズイカ特有の触り心地の良さを思わせる花言葉です。

また、ビロードモウズイカは観賞用や薬用など幅広い用途に使われます。

「臨機応変な態度」という花言葉で、ビロードモウズイカの万能性を表しているように思えます。

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ビロードモウズイカの特徴

ビロードモウズイカの特徴は以下の通りです。

ビロードモウズイカは東北地方や北海道に自生していることが多い
ビロードモウズイカの花の特徴
ビロードモウズイカの葉の特徴

花が咲く季節8月、9月
実のなる季節
生活型二年草
生活様式地生
草丈・樹高1000〜2000mm
葉の形単葉(不分裂葉)
花のつき方総状花序
花の色
葉の色
繁殖方法
日照条件日向
水分の必要性必要
土の必要性必要

ビロードモウズイカは東北地方や北海道に自生していることが多い

ビロードモウズイカは、ヨーロッパ・北アフリカ・西アジアを原産地とする植物です。

現在は他のエリアにも広く分布しており、日本では全国で見ることができます。

特に北海道や東北地方には多く自生しており、河原・荒地・線路の脇などで生育します。

基本的に環境を選ばず生長することができますが、開けた土地でなければ発芽できないため競合的な外来種とはみなされていません。

ほとんどの農作物に影響を与えることはないものの、駆除が難しい厄介な雑草として扱われることも多いです。

ビロードモウズイカの花の特徴

ビロードモウズイカは、最大で2m近くにまで育つ高い茎の先に長さ200~500mmの花穂があります。

びっしりと鮮やかな黄色の小花が密集している姿が特徴的で、花は1枚の花弁が5つに裂けています。

雄しべは5本ありますがそのうち3本が短く、花糸(雄しべの糸状の部分)に長く白い毛が密集しています。

見た目の大きさと、集合した蕾から気持ち悪いと言われることもしばしばです。

ビロードモウズイカの葉の特徴

ビロードモウズイカの葉は、根元から伸びる根出葉と茎から伸びる茎葉の2種類です。

厚みがあり、葉柄部分は茎に沿って翼状に下に流れます。

茎の上部・下部の葉の間は長楕円形から倒披針型まで様々な形状があり、茎が伸びるにつれて上部の葉ほど小さくなります。

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ビロードモウズイカと似た花

左:ビロードモウズイカ 中:ラムズイヤー 右:ムラサキモウズイカ

ここでは、ビロードモウズイカと似た花の種類と見分け方をご紹介いたします。

ビロードモウズイカとラムズイヤーの違い
ビロードモウズイカとムラサキモウズイカの違い

<比較表>

比較ビロードモウズイカラムズイヤームラサキモウズイカ
・茎の上部に花穂を出す
・黄色
・花が密集している
・茎の上部に花穂を出す
・紫色~ピンク色
・茎の上部に花穂を出す
・紫色
・花の並びに隙間がある
・根出葉と茎葉
・根出葉は縁に丸い鋸歯がある
・茎葉は互生
・根出葉と茎葉
・根出葉はへら状
・茎葉は対生
・表面に細かいしわがある
根出葉と茎葉
草丈1000〜2000mm400〜800mm1000〜2000mm
季節8月、9月5~7月8月、9月

ビロードモウズイカとラムズイヤーの違い

ラムズイヤーも全体が毛で覆われており、フェルトのように柔らかい触り心地が特徴的です。

茎の先に付く花穂の小花は紫色〜ピンク色をしているため、色で見分けることが可能です。

また、草丈はビロードモウズイカよりも比較的低めです。

ビロードモウズイカとムラサキモウズイカの違い

ビロードモウズイカの仲間で、紫色の花を咲かせるムラサキモウズイカという種があります。

日本国内に野生種は分布していないものの、園芸種として導入されています。

色だけでなく花の並びにやや隙間がありますが、それ以外に大きな違いはありません。

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ビロードモウズイカはドライフラワーとしても人気

観賞用として日本に渡ってきたビロードモウズイカはそのままの姿を愛でても良いですが、ドライフラワーに使われることも多い花です。

ふわふわとした毛で銀白色がかった緑色の葉が、アレンジメントの良いアクセントになります。

ビロードモウズイカのドライフラワーは吊るしながら湿気に気を付けて管理すれば作ることができますが、フリマサイトや通販サイトなどでも購入可能です。

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ビロードモウズイカが見れる場所・植物園

ビロードモウズイカの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

大石公園
柴田町船岡城址公園(山頂コミュニティガーデン)
日岡山公園
せんだい農業園芸センター
など

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ビロードモウズイカの目撃情報

SNS上に寄せられた、ビロードモウズイカの目撃情報をご紹介いたします。

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ビロードモウズイカに関するFAQ

ビロードモウズイカについてよくある質問を集めてみました。

ビロードモウズイカはお茶やハーブティーとして飲むことができますか?
ビロードモウズイカの薬効はどんなものがありますか?
ビロードモウズイカの別名は何ですか?

ビロードモウズイカはお茶やハーブティーとして飲むことができますか?

雑草として扱われることもあるビロードモウズイカですが、薬効があるためハーブティーに使われることもあります。

ビロードモウズイカの薬効はどんなものがありますか?

ビロードモウズイカには鎮静・抗炎症・去痰などの薬効があり、ハーブティーにして飲むと喉の炎症を抑えてくれると言われています。

ビロードモウズイカの別名は何ですか?

園芸種としてのビロードモウズイカは「バーバスカム」、ハーブティーの場合は「マレイン」と呼ばれることが多いです。

また、かつてはビロードモウズイカの葉が煙草に利用されていたことから「ニワタバコ」という別名もあります。

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ビロードモウズイカの育て方

ビロードモウズイカのガーデニング情報
ビロードモウズイカの育て方カレンダー
ビロードモウズイカの栽培方法

ビロードモウズイカのガーデニング情報

ビロードモウズイカは園芸ショップなどで種子や苗が販売されており、比較的簡単に育てることができます。

ただし最大で2m近くまで成長する大型の植物なので、注意が必要です。

栽培難易度普通
株間50~70cm
種まきの時期4~5月、9~10月
発芽温度15~20℃
生育温度20~27℃
耐寒温度0℃
耐暑温度35℃

ビロードモウズイカの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
植え付け、植え替え
種まき

ビロードモウズイカの栽培方法

環境・土壌

ビロードモウズイカは、日当たりと水はけの良い場所を好みます。

土はやや乾燥ぎみの石灰質土壌が最適です。

芽出し

特別な下処理は不要で、覆土をしなくても問題ありません。

定植

草丈が10cm程度になってから、屋外に定植を行います。

肥料

植え付ける際、土に腐葉土や堆肥などの腐植質を含ませていれば肥料は不要です。

手入れ

水やりは、真夏の晴天続きで著しく乾燥しない限りは降雨に任せて問題ありません。

植替え

鉢植えの場合は根詰まりしやすいので、下から根が出てきたら株分けをしたり大きめの鉢に植え替えましょう。

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まとめ

ビロードモウズイカは、最大で2m近くまで成長する大型の植物です。

全国的に分布しているため雑草と思われがちですが、ドライフラワーにして楽しんだり、ハーブティーにして喉の調子を整えたりと様々なことに使われています。

美しい色の花を咲かせる園芸種も複数出回っているので、自宅で育ててみても良いでしょう。

栽培難易度は低いですが、ビロードモウズイカにとって好ましい環境では毎年増え続けてはびこることがあるため注意が必要です。

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