エノコログサは、ふわふわとしたブラシのような穂が特徴的な野草です。
猫じゃらしという俗称の方が、みなさんご存知なのではないでしょうか。
本記事では、エノコログサの花や葉の特徴から花言葉について解説いたします。
記事後半では、エノコログサを食べる方法についても紹介していますので、ご覧ください。
エノコログサとは?
エノコログサとはどんな野草なのか?
エノコログサの基本情報について解説いたします。
・エノコログサの基本情報
・エノコログサの名前の由来
・エノコログサの花言葉
エノコログサの基本情報
学名 | Setaria viridis |
英名 | green bristlegrass、green foxtail、wild foxtail millet |
和名 | エノコログサ (狗尾草、狗子草) |
別名・流通名 | ネコジャラシ |
科名 | イネ科 |
属名 | エノコログサ属 |
原産地 | ユーラシア大陸 |
日本での主な生息地 | 全国 |
エノコログサの名前の由来
漢字で「狗尾草」と表記するエノコログサは、ふわふわな花穂の外見が犬のしっぽに見えることから名付けられました。
エノコロは「犬ころ」が転じた言葉と言われています。
エノコログサの花言葉
これは俗称の「ネコジャラシ」が由来と言われており、動く花穂にじゃれついて遊ぶ猫が鮮明にイメージできます。
また、風に拭かれた花穂を揺らす姿の可愛らしさもよく表している花言葉です。
エノコログサの特徴
エノコログサの特徴は以下の通りです。
・エノコログサの自生地
・エノコログサの花の特徴
・エノコログサの葉の特徴
花が咲く季節 | 8~11月 |
実のなる季節 | – |
生活型 | 一年草 |
生活様式 | 地生 |
草丈・樹高 | 200〜700mm |
葉の形 | 単葉(不分裂葉) |
花のつき方 | 小穂 |
花の色 | 緑 |
葉の色 | 緑 |
繁殖方法 | 種 |
日照条件 | 日向 |
水分の必要性 | 必要 |
土の必要性 | 必要 |
エノコログサの自生地
ユーラシア大陸を原産地とするエノコログサは強い繁殖力を持ち、全世界の温帯や荒地に自生しています。
帰化植物ですが日本国内における歴史も長く、アワ作が伝わった時代に渡来してきたと考えられています。
現在は日本全国の畑地や荒れ地、道端など様々な場所に自生しており、真夏から秋にかけて穂を出し続けているため土のある場所なら必ず見つけることができるでしょう。
エノコログサの花の特徴
エノコログサの花は、先端にあるふわふわとした穂の部分です。
白や赤など鮮やかな色をした花びらを付けない点は、イネ科植物の特徴と言えます。
円柱状になった花序の長さは20〜50mmで、密に小穂を付けています。
穂の付け根から総苞毛という毛が生えているため、ブラシのような形状に見えているのです。
エノコログサの葉の特徴
エノコログサの葉は長さ100mm〜200mm、幅50mm〜130mmの披針形で、匍匐茎にも花茎にも多数付いています。
よく葉が付け根からねじれていることが多いうえに、裏面の方が濃い色をしているため表面のように見えます。
エノコログサの種類

道端で見かけるエノコログサはすべて同一種と思われがちですが、実は以下の通り様々な種類が存在します。
・エノコログサ
・アキノエノコロ
・ハマエノコロ
・キンエノコロ
・ムラサキエノコロ
など
どれも同じような外見をしていますが、花穂の色やサイズ、草丈など細かな部分に違いがあります。
それぞれの特徴を、以下の比較表にてまとめてみました。
<比較表>
比較 | エノコログサ | アキノエノコロ | ハマエノコロ | キンエノコロ | ムラサキエノコロ |
花 | ・緑色 ・直立している ・長さ20〜50mm | ・緑色 ・先が垂れる ・長さ30mm | ・緑色 ・直立している ・長さ15~30mm | ・黄金色 ・直立している ・長さ30~100mm | ・紫色 ・直立している ・長さ30~60mm |
葉 | ・長さ100〜200mm、幅50〜130mmの披針形 | ・長さ300~400mm、幅20mmの披針形 | ・長さ40~80mm、幅5~10mmの披針形 | ・長さ200~300mm、幅7~10mmの披針形 | ・長さ100~200mm、幅20mmの披針形 |
草丈 | ・200〜700mm | ・500~1000mm | ・150~250mm | ・200〜500mm | ・200〜700mm |
季節 | ・8~11月 | ・9~10月 | ・7~8月 | ・8~10月 | ・8~11月 |
エノコログサと猫じゃらしの違い
エノコログサの独特な花穂を見ると、真っ先に「猫じゃらし」を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。
猫じゃらしという名前はエノコログサの俗称なので、両者は同一の植物です。
風に揺れているエノコログサの花穂に猫がじゃれついて遊ぶことから、猫じゃらしと呼ばれるようになりました。
実際にエノコログサを目の前で振ってみると、興味を持ってじゃれつく猫が多いのです。
エノコログサは食べることができる?
現在は一般的に食用として認識されてはいませんが、アワの祖先となる種であるため食べることもできます。
穀物なので、アワやコメなどの穀類と同じく種子の部分を脱穀・脱稃して食用とします。
食べる際はエノコログサは脱粒しやすいため、はたきなどで叩き落とし、ざるで受け取ってから脱穀しましょう。
脱穀後はすり鉢ですり潰し、水選します。
アワのように、粒のままでも製粉しても食べることができます。
エノコログサが見れる場所・植物園
エノコログサの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。
・長居植物園
・牧野植物園
・神戸市立森林植物園
・上野恩賜公園
・昭和記念公園
など
調査した目撃情報や生育情報をもとにピックアップした場所ですが、エノコログサは公園や植物園以外でも様々な場所で見ることができます。
特に河川敷や土がある道端などには高確率で生えているため、開花する頃合いになったら是非探してみてください。
エノコログサの目撃情報
SNS上に寄せられた目撃情報の一部をご紹介いたします。
エノコログサに関するFAQ
エノコログサについてよくある質問を集めてみました。
・エノコログサに毒性はありますか?
・うさぎがエノコログサを食べても大丈夫ですか?
・猫がエノコログサを食べても平気ですか?
・エノコログサを使った遊びはどんなものがありますか?
エノコログサに毒性はありますか?
エノコログサに毒性はありません。
うさぎがエノコログサを食べても大丈夫ですか?
うさぎにエノコログサをあげても問題はありません。
ただし穂の部分はあまり食べないので、葉のみをあげると良いでしょう。
猫がエノコログサを食べても平気ですか?
猫もエノコログサを食べても問題ありません。
ただし、大量に食べると穂先の毛で口や胃腸を傷つけてしまうことがあるため注意が必要です。
エノコログサを使った遊びはどんなものがありますか?
エノコログサは猫にじゃれさせる他、穂を軽く握って毛虫がのぼっているかのような動きをさせる遊び方もあります。
また、2本の穂を結びうさぎの形にして、ハーバリウムなどの装飾として使うこともできます。
エノコログサの育て方
・エノコログサのガーデニング情報
・エノコログサの育て方カレンダー
・エノコログサの栽培方法
エノコログサのガーデニング情報
エノコログサは世界的に分布している野草とだけあり、どんな環境でも十分に育てることができます。
栽培難易度 | 簡単 |
株間 | 200~300mm |
種まきの時期 | 厳冬期を除きいつでも可能 |
発芽温度 | 7~40℃ |
生育温度 | – |
耐寒温度 | – |
耐暑温度 | – |
エノコログサの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
開花 | → | → | → | → | ||||||||
植え付け、植え替え | → | → | → | → | → | → | → | → | → | |||
種まき | → | → | → | → | → | → | → | → | → |
エノコログサの栽培方法
環境・土壌
エノコログサは環境を選ばず育つほどの生命力を持ちます。
より状態の良いエノコログサに育てたい場合、日光がよく当たる場所で栽培しましょう。
土もよほど状態が悪くない限り、どんな土質でも育ちます。
一般的な草花用の培養土を使用すれば問題ありません。
芽出し
種からエノコログサを育てる場合、厳冬期以外の季節に種まきをしましょう。
発芽は春以降になります。
肥料
エノコログサは肥料がなくても健康的に育ちます。
実の詰まったエノコログサに育てたい場合、水に薄めた液体肥料を月1回与えましょう。
手入れ
庭植えで栽培している場合は降雨に任せて問題ありませんが、鉢植えの場合は土の表面が乾いてから水やりをしましょう。
植替え
それぞれの個体が成長して混み合ってきたら、植え替えを行います・
植え替えの際は古い土や根茎をよく落としましょう。
まとめ
「猫じゃらし」という呼び名で有名なエノコログサは、世界的に分布するほどの強い繫殖力を持つ野草です。
子供時代、ふわふわとした穂を摘み取って遊んだことがある方も多いことでしょう。
毒性はなく、アワやコメなどと同じ穀類なので食べることもできます。
環境を選ばず育つので、ガーデニング初心者の方も栽培に挑戦しやすい野草と言えます。
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