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ハグロソウ(葉黒草)とは?花の特徴や名前の由来も解説

ハグロソウ(葉黒草)は、唇のような形をした小さな花が特徴的な野草です。

キツネノマゴとよく似ており、しばし間違えられることも。

主に山地の森林帯などに生息しているため、実物は見たことがないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ハグロソウ(葉黒草)の特徴や花言葉からキツネノマゴの見分け方まで解説いたします。

最後にハグロソウ(葉黒草)の育て方も紹介していますので、興味のある方ご覧ください。

目次

ハグロソウ(葉黒草)

ハグロソウ(葉黒草)とはどんな野草なのか?

ハグロソウ(葉黒草)の基本情報について解説いたします。

ハグロソウ(葉黒草)の基本情報

学名Peristrophe japonica
英名
和名ハグロソウ(葉黒草)
別名・流通名
科名キツネノマゴ科
属名ハグロソウ属
原産地日本
日本での主な生息地本州(宮城県以南)、四国、九州

ハグロソウ(葉黒草)の名前の由来

ハグロソウという名前の由来は、「葉が黒ずんだ緑色をしている」と言われています。

有名な植物学者の牧野富太郎も、自著した牧野日本植物図鑑にて「和名ハ蓋シ(けだし)其暗緑色葉ニ基キテノ葉黒草ノ意ナラン乎」と述べています。

また、花びらにある模様をお歯黒に見立てたからという説もあるようです。

ハグロソウ(葉黒草)の花言葉

ハグロソウの花言葉は「規格外」「想い抱く」です。

規格外という言葉は、2枚の花びらが上下に付いている花のユニークな姿を現したように思えます。

また、後者は日陰の目立たない場所でひっそりと小さな花を咲かせている様子から、密かな思いを抱き続けているという意味を込めて付けられたのではないでしょうか。

ハグロソウ(葉黒草)の特徴

ハグロソウ(葉黒草)の特徴は以下の通りです。

ハグロソウ(葉黒草)の自生地

ハグロソウは、本州の宮城県以南や四国・九州地方に分布しており山地の森林帯や林縁の日陰、木陰などに自生しています。

また、海外では朝鮮半島南部や台湾、中国大陸(中部)にも分布しています。

ハグロソウ(葉黒草)の花の特徴

ハグロソウの花は、淡い紅紫色をした花びらが上下に2枚付いた唇のような形をしています。

上部の花びらはやや細く先端が反りかえっている一方、下部の花びらは大きく丸い形状です。

花びらの内側には、赤褐色の斑点模様があります。

中心から伸びた雄しべや雌しべは、唇からぺろりと出された舌のようにも見えます。

ハグロソウ(葉黒草)の葉の特徴

葉は5〜8cmの卵形をしており、茎に2枚の葉同士が向かい合って付きます。

色は暗い緑色で、両面の葉脈上に短毛が生えることもあれば無毛な個体もあります。

花が咲く季節6月~10月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高200〜500mm
葉の形単葉(不分裂葉)
花のつき方
花の色淡紅紫色
葉の色暗緑色
繁殖方法
日照条件明るい日陰で生育する
水分の必要性必要
土の必要性必要

ハグロソウ(葉黒草)とよく似た植物キツネノマゴ

左:ハグロソウ 右:キツネノマゴ

ハグロソウとキツネノマゴはよく似ていますが、花や葉などは以下の通り異なります。

植物名ハグロソウキツネノマゴ
2~3個ずつ咲く花は稲穂状になっており、小さな花を多数付ける
暗緑色で、卵形や広披針形をしているハグロソウより明るい緑色で、小さい
その他苞※は大きい苞※は小さい

※苞:花の付け根にある、葉が変形したもの

ハグロソウ(葉黒草)に関するFAQ

ハグロソウの花の色は?

ハグロソウの花は淡紅紫色をしており、花びらの内側には赤褐色の斑点模様があります。

ハグロソウの大きさは?

ハグロソウは200mm〜500mm程度の高さがあります。

ハグロソウの花が咲く季節は?

ハグロソウは6月〜10月頃に花を咲かせます。

高尾山でハグロソウは見れますか?

高尾山でもハグロソウが自生しているとの情報あり。

主に1~4号路や6号路、蛇滝、裏高尾で見ることができるようです。

ハグロソウの育て方

標高の高い地域に生息する野草ですが、比較的簡単に育てることが可能です。

ハグロソウの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月
9月10月11月12月
開花

ハグロソウの栽培方法

環境・土壌

ハグロソウは本来やや湿り気のある日陰で自生しているため、強い日差しから守ってあげることが大切です。

特に夏場は、終日日光が当たるような場所での栽培を避けると良いでしょう。

庭植えの場合は広葉樹などの根元付近、鉢植えの場合は風通りの良い軒下などがおすすめです。

市販の鹿沼土や赤玉土を混ぜた土のみの使用で問題ありませんが、粒が小さいものを選びましょう。

芽出し

冬場に冬芽が出てきますが、霜に触れても問題はありません。

ただし、上から枯葉のような軽いものを被せて上げると良いでしょう。

その後も芽は開花時期に向けて段々と伸びていきます。

花は1日花ですが、次から次へと咲いていくため10月中旬ごろまで長く楽しむことができます。

肥料

土に腐葉土が混ざっている場合、秋に少量の固形肥料を置き肥する程度で十分です。

手入れ

季節にかかわらず土を乾燥させないことが大切なので、土の表面が乾いていたらたっぷりと水を与えましょう。

夏場は日照や気温に応じ、朝夕の2回にわたり水を与えた方が良い場合もあります。

まとめ

暗い緑色をした野草のハグロソウは、唇状に付いた淡紅紫色の花が特徴です。

キツネノマゴとよく似た外見をしていますが、花や葉を見比べることで区別することができます。

目立たない場所に生息しているためつい見逃してしまいがちですが、自生地へ足を運ぶことがあれば是非探してそのユニークな花を観察してみてください。

なお、土の乾燥や強い日差しに注意すれば自宅でも比較的容易に育てることができます。

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