河川敷や海岸などに群を成し、一斉に紫色の花を咲かせるハマダイコン(浜大根)をご存知でしょうか。
その見た目を観賞するだけでも十分に楽しむことができますが、さやえんどうのような形をした実や葉などを調理して食べる人も多いです。
本記事ではハマダイコンの花や実の特徴から花言葉や食べ方なども詳しく解説いたします。
ハマダイコンとは?
ハマダイコンとはどんな野草なのか?
ハマダイコンの基本情報について解説いたします。
・ハマダイコンの基本情報
・ハマダイコンの名前の由来
・ハマダイコンの花言葉
ハマダイコンの基本情報
学名 | Raphanus sativus var. raphanistroides |
英名 | – |
和名 | ハマダイコン(浜大根) |
別名・流通名 | – |
科名 | アブラナ科 |
属名 | ダイコン属 |
原産地 | 日本、朝鮮半島 |
日本での主な生息地 | 全国 |
ハマダイコンの名前の由来
ハマダイコンは花や葉がダイコンに似ていること、海や川沿いの砂地に自生することが多いことから「浜にダイコン」という意を込めてハマダイコンと呼ばれるようになりました。
なお、ハマダイコンとダイコンは別種の植物ですが同じアブラナ科に分類される植物です。
ハマダイコンの花言葉
海を望みながら浜辺に生えるハマダイコンの姿と、海の向こうへ旅立った大切な相手の帰りを待つ人の姿を重ねた花言葉と言われています。
ハマダイコンの特徴
ハマダイコンの特徴は以下の通りです。
・ハマダイコンの自生地
・ハマダイコンの花の特徴
・ハマダイコンの葉の特徴
・ハマダイコンの実の特徴
花が咲く季節 | 3~6月 |
実のなる季節 | 3~6月 |
生活型 | 越年草 |
生活様式 | 地生 |
草丈・樹高 | 300〜600mm |
葉の形 | 分裂葉 |
花のつき方 | 総状花序 |
花の色 | 紫 |
葉の色 | 緑 |
繁殖方法 | 種 |
日照条件 | 日向 |
水分の必要性 | 必要 |
土の必要性 | 必要 |
ハマダイコンの自生地
ハマダイコンは、朝鮮半島または日本を原産地としています。
日本国内ではほぼ全国的に分布しており、海や川沿いの砂地に自生しています。
いつでも日が当たる明るい場所で、複数にまとまって群生することが多いです。
ハマダイコンの花の特徴
ハマダイコンは、アブラナ科特有の小さな4弁花を春頃に咲かせます。
花弁は紫色ですが、中央へいくにつれて白くなっていきます。
表面に浮き出ている紫色の脈も特徴的です。
ハマダイコンの葉の特徴
ハマダイコンの葉は根からロゼット状に出ており、ダイコンと同じく羽状に裂けています。
ただし、ハマダイコンの場合は葉や茎に小さなトゲがついているため食用にされることはあまりありません。
ハマダイコンの実の特徴
実は無毛で数珠状にくびれ、先端が細く尖った形状をしています。
熟しても裂開することはなく、やがて皮が干からびるとスポンジ状になって海水などに浮かびます。
中には球形の種子が2〜5個入っており、食用にすることが可能です。
ハマダイコンと似た花

ハマダイコンに似ている花や、同列に語られることが多い植物の種類と見分け方をご紹介いたします。
・ハマダイコンとダイコンの違い
・ハマダイコンとムラサキハナナの違い
・ハマダイコンとヤブカンゾウの違い
<比較表>
比較 | ハマダイコン | ダイコン | ムラサキハナナ | ヤブカンゾウ |
花 | ・白と紫色の4弁花 ・総状花序 | ・白色の4弁花 ・総状花序 | ・紫色の4弁花 ・総状花序 | ・オレンジ色で八重咲き ・2出集散花序 |
葉 | ・羽状に全裂 ・小さなトゲがある | ・羽状に全裂 ・トゲはない | ・根出葉と茎葉 ・裏面はやや白色 | ・2列に根出する ・線形 |
根 | やや太い | 太く長い | 細長い | ところどころ膨らむ |
草丈 | 300〜600mm | 300~500mm | 100〜600mm | 500〜1000mm |
季節 | 3~6月 | 4月、5月、8月、9月 | 3~6月 | 7月、8月 |
ハマダイコンとダイコンの違い

花や葉が似ているためハマダイコンと同列に語られることもある大根ですが、ハマダイコンは根が細いため引き抜けば容易に区別が可能です。
また、ダイコンの葉はそのままでも食べやすい固さですが、ハマダイコンは固く繊維質なうえに小さなトゲがあるため食べにくいという違いもあります。
ハマダイコンとムラサキハナナの違い

ムラサキハナナも小さな4弁花を咲かせますが、濃い紫色をしているため区別は難しくありません。
葉は根出葉と茎葉の2種類があることも大きな違いで、茎葉は茎に互い違いで付いています。
また、葉の裏面はやや白色を帯びています。
ハマダイコンとヤブカンゾウの違い

ヤブカンゾウは、鮮やかなオレンジ色で八重咲きの花をつけるという分かりやすい違いがあります。
白く細長い根はハマダイコンを思わせますが、ところどころ紡錘状に膨らんでいます。
ハマダイコンの豆鞘は美味しい
ハマダイコンの実は細長く、豆鞘のような形状が特徴的です。
美味しそうな見た目の通り枯れる前であれば食べることができ、実の大きくなり始める初夏が一番の食べごろと言えます。
生で食べるとダイコンのような風味がして美味しいですが、辛味が強いため辛いものが苦手な方は注意が必要です。
茹でてマヨネーズや塩などにつけたり、ソテーにすると辛味が和らいで食べやすくなります。
ハマダイコンが見れる場所・植物園
ハマダイコンの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。
・多摩川付近
・甲岩自然公園
・稲村ヶ崎海浜公園
・小石川植物園
・筑波実験植物園
など
ハマダイコンの目撃情報
SNS上に寄せられた、ハマダイコンの目撃情報をご紹介いたします。
ハマダイコンに関するFAQ
ハマダイコンについてよくある質問を集めてみました。
・ハマダイコンは食べることができますか?
・多摩川でハマダイコンを見ることはできますか?
・ハマダイコンの産地はどこですか?
ハマダイコンは食べることができますか?
ハマダイコンは実・花・葉・茎・根のすべてを食べることができます。
実や花はよく洗えばそのままでも食べることができますが、葉・茎・根は固いのでよく火を通すと良いでしょう。
多摩川でハマダイコンを見ることはできますか?
ハマダイコンは多摩川の土手で見ることができ、目撃情報も多く寄せられています。
ハマダイコンの産地はどこですか?
ハマダイコンは日本と朝鮮半島原産の植物です。
ハマダイコンの栽培(育て方)
・ハマダイコンのガーデニング情報
・ハマダイコンの育て方カレンダー
・ハマダイコンの栽培方法
ハマダイコンのガーデニング情報
ハマダイコンは細やかな管理がなくても十分に育つため、ガーデニング初心者にもおすすめな植物です。
ただし根はよく育つので、鉢植えの場合は深さのあるプランターを用意しておきましょう。
栽培難易度 | 普通 |
株間 | 30㎝ |
種まきの時期 | 9~10月 |
発芽温度 | – |
生育温度 | 17~20℃ |
耐寒温度 | – |
耐暑温度 | – |
ハマダイコンの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
開花 | → | → | → | → | ||||||||
種まき | → | → |
ハマダイコンの栽培方法
環境・土壌
ハマダイコンは1日中日が当たるような明るい場所を好みます。
痩せ地でも育つため、土質はこだわらず市販の草花用培養土で問題ありません。
芽出し
種まきは晩夏〜初秋の間に行います。
種と種の距離は30cm程度空けて、軽く土を被せましょう。
こまめに水やりをしながら管理すると、種まきから1〜2週間程度で発芽します。
定植
ハマダイコンは移植を嫌うため、発芽しても定植はせず同じ場所で育てましょう。
肥料
肥料は特に必要ありません。
手入れ
水やりは庭植えの場合、降雨に任せて問題ありません。
鉢植えの場合は土の表面が乾いた段階で、たっぷりと水を与えます。
なお、ハマダイコンにアブラムシが付くことがあるため、見つけ次第駆除しましょう。
まとめ
ハマダイコンはダイコンと別種の植物ですが、ほぼすべての部分を美味しく食べることができます。
ただし自生種は汚れていたり、砂や虫などが付いている恐れがあるため食べる際はよく洗うことをおすすめします。
なお、ハマダイコンは日当たりが良ければどこでも育つため自家栽培も容易です。
アブラムシに注意すれば特別な管理がなくても育ちますが、大きく育てたい場合は肥料を与えても良いでしょう。
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