くす玉を思わせるような、黄色く丸い花を咲かせるクスダマツメクサ(薬玉詰草)。
空き地や道端で見ることができますが、その可愛らしい見た目から園芸植物としても人気な植物です。
本記事では、クスダマツメクサの花や葉の特徴からコメツブツメクサなど似た花との見分け方について解説いたします。
クスダマツメクサとは?
クスダマツメクサとはどんな野草なのか?
クスダマツメクサの基本情報について解説いたします。
・クスダマツメクサの基本情報
・クスダマツメクサの名前の由来
・クスダマツメクサの花言葉
クスダマツメクサの基本情報
学名 | Trifolium campestre |
英名 | Hop Trefoil |
和名 | クスダマツメクサ(薬玉詰草) |
別名・流通名 | ホップツメクサ |
科名 | マメ科 |
属名 | シャジクソウ属 |
原産地 | ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア |
日本での主な生息地 | 全国 |
クスダマツメクサの名前の由来
クスダマツメクサは、黄色い花が丸く集まっている様子がくす玉のように見えることが名前の由来と言われています。
「ツメクサ」といえばシロツメクサを連想しがちですが、シロツメクサもマメ科シャジクソウ属に分類される、クスダマツメクサの仲間です。
なお、別名の「ホップツメクサ」とは受粉後に下を向いた花の形がホップの雄花に似ていることから名付けられました。
クスダマツメクサの花言葉
わずか20mmの長さしかないものの、丸く可愛い見た目をしているクスダマツメクサの花。
小さな姿に愛らしさが凝縮されている様子を表現しているかのような花言葉です。
クスダマツメクサの特徴
クスダマツメクサの特徴は以下の通りです。
・クスダマツメクサの自生地
・クスダマツメクサの花の特徴
・クスダマツメクサの葉の特徴
花が咲く季節 | 4~7月 |
実のなる季節 | – |
生活型 | 一年草 |
生活様式 | 地生 |
草丈・樹高 | 500mm |
葉の形 | 3出複葉 |
花のつき方 | 総状花序 |
花の色 | 黄 |
葉の色 | 緑 |
繁殖方法 | 種 |
日照条件 | 日向 |
水分の必要性 | 必要 |
土の必要性 | 必要 |
クスダマツメクサの自生地
クスダマツメクサは、ヨーロッパ・北アフリカ・西アジア原産の帰化植物です。
国内では1943年に横浜市で発見されて以来、ほぼ全国で自生が確認されています。
河川敷や市街地の空き地、道端など日当たりの良い場所に生えている雑草です。
クスダマツメクサの花の特徴
クスダマツメクサは、葉腋(葉の付け根部分)から20mm程度ある球状の花を付けます。
遠目から見ると球状ですが、よく見ると長さ5mmで黄色の蝶形花が20〜50個ほど密集しているのです。
四季咲き性があるため、自生地によっては春から秋まで幅広い季節に花を咲かせることもあります。
クスダマツメクサの葉の特徴
葉は互生する3小葉からなり、小葉は長さ4mm〜10mmの楕円形をしています。
葉の上部の縁には低い鋸がある他、茎がよく枝分かれしておりジグザグに伸びています。
他のシャジクソウ属と同様に栄養価が高いため、草食動物の飼料作物としても有用です。
クスダマツメクサと似た花

クスダマツメクサと似た花としてよく語られる種が、「コメツブツメクサ」と「シロツメクサ」です。
その2種とクスダマツメクサとの違いについて、以下より詳しく解説いたします。
・クスダマツメクサとコメツブツメクサの違い
・クスダマツメクサとシロツメクサの違い
<比較表>
比較 | クスダマツメクサ | コメツブツメクサ | シロツメクサ |
花 | ・黄色 ・5mmの蝶形花が20~50個ある | ・黄色 ・3~4mmの蝶形花が5~20個ある | ・白色 ・10mmの蝶形花が30~80個ある |
葉 | ・長さ4mm~10mmの楕円形 ・上部の縁に低い鋸歯がある | ・長さ5mm~10mmの倒卵形 ・上部の縁に低い鋸歯がある | ・長さ、幅ともに10mm~30mmの倒心形 ・表面に緑白色でV字形の斑紋がある |
季節 | 4~8月 | 4~7月 | 3月、4月、10月、11月 |
クスダマツメクサとコメツブツメクサの違い

「キバナツメクサ」とも呼ばれるコメツブツメクサは、葉腋から出た球状の黄色い花や互生する3小葉など共通点が多く、クスダマツメクサと外見が酷似しています。
違いとしては、クスダマツメクサの花は蝶形花が20〜50個であるのに対し、コメツブツメクサは5〜20個と少ないです。
そのため、クスダマツメクサの方が見た目に華やかさがあります。
クスダマツメクサとシロツメクサの違い

「クローバー」とも呼ばれることが多いシロツメクサも、クスダマツメクサのように葉腋から球状の花を付けます。
蝶形花の数も30〜80個と多く、見た目にボリューム感がありますが、色が白いという点は決定的な違いです。
また、葉はハートのような形をしており、表面に緑白色でV字型の斑紋があります。
クスダマツメクサが見れる場所・植物園
クスダマツメクサの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。
・都市緑化植物園
・ひたち海浜公園
・アルプス公園 花の丘
・阿武隈川近辺
など
クスダマツメクサの目撃情報
SNS上に寄せられた、クスダマツメクサの目撃情報をご紹介いたします。
クスダマツメクサに関するFAQ
クスダマツメクサについてよくある質問を集めてみました。
・クスダマツメクサは庭で育てることができますか?
・茶色いクスダマツメクサはありますか?
・クスダマツメクサに托葉はありますか?
・クスダマツメクサは漢字でどう書きますか?
クスダマツメクサは庭で育てることができますか?
クスダマツメクサは環境を選ばず育つため、庭でも育てることができます。
茶色いクスダマツメクサはありますか?
クスダマツメクサの花は黄色のみ存在します。
茶色いクスダマツメクサの花は、受粉後の枯れた姿です。
クスダマツメクサに托葉はありますか?
葉柄の基部に托葉があります。
クスダマツメクサは漢字でどう書きますか?
クスダマツメクサは漢字で「薬玉詰草」と表記されます。
クスダマツメクサの育て方
・クスダマツメクサのガーデニング情報
・クスダマツメクサの育て方カレンダー
・クスダマツメクサの栽培方法
クスダマツメクサのガーデニング情報
クスダマツメクサは全国各地に自生しているため雑草と思われがちですが、園芸植物としての人気が高い花です。
這うように成長するため、グラウンドカバーのように使ったり、寄せ植えやハンギングの材料に使うこともできます。
比較的育てやすく、こぼれ種で簡単に増えるためガーデニング初心者にもおすすめです。
栽培難易度 | 普通 |
株間 | – |
種まきの時期 | 2~4月、9~10月 |
発芽温度 | 約20℃ |
生育温度 | – |
耐寒温度 | – |
耐暑温度 | – |
クスダマツメクサの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | → | → | → | → | ||||||||
植え付け、植え替え | → | → | → | → | → | |||||||
種まき | → | → | → | → | → |
クスダマツメクサの栽培方法
環境・土壌
クスダマツメクサは日当たりと風通しの良い場所を好みます。
また、栄養の少ない土壌でも育ちますが、高温多湿な環境は苦手です。
通気性の良い土で育てましょう。
芽出し
種まきを行ってから乾燥させると発芽率が落ちるため、土の表面が乾かないよう直射日光の当たらない明るい場所で管理しましょう。
発芽後は適度に日当たりと風通しの良い場所に置き、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
定植
定植は真夏や真冬を避けて行います。
クスダマツメクサは這うように成長するため、ある程度株間を空けて植えましょう。
肥料
クスダマツメクサは根粒菌と共生して窒素を得ているため、肥料を与えなくても十分に育ちます。
手入れ
水やりは基本的に降水に任せて問題ありませんが、降雨のない日が続く季節は土の表面が乾いたタイミングで水やりを行いましょう。
また、四季咲き性のため花の後に早めに切り戻しておくと、再度花が咲くこともあります。
まとめ
黄色いくす玉のような花が可愛らしい帰化植物、「クスダマツメクサ」。
日本国内では全国的に分布しており雑草と言われることもありますが、這うように広がって育つため、ガーデニングではグラウンドカバーとして有用です。
また、花壇のフロント部分や鉢の縁取り、ハンギングなどにも適しています。
高温多湿とならないよう注意していれば簡単に栽培することができるため、興味がある方は是非育ててみてください。
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