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ネナシカズラ(根無葛)とは?花や葉の特徴から花言葉など解説

ネナシカズラ(根無葛)とは、発芽してから寄生先の植物を探して動き回るように茎を伸ばす変わった寄生植物です。

数多くの仲間が存在し、世界中に広く分布するネナシカズラですが、特にアメリカネナシカズラは日本国内で害草とみなされ積極的に駆除されています。

本記事では、ネナシカズラの花や葉の特徴から花言葉について解説いたします。

マメダオシやハマネナシカズラなど似た植物との見分け方もご紹介していますので、最後までご覧ください。

目次

ネナシカズラとは?

ネナシカズラとはどんな野草なのか?

ネナシカズラの基本情報について解説いたします。

ネナシカズラの基本情報
ネナシカズラの名前の由来
ネナシカズラの花言葉

ネナシカズラの基本情報

学名Cuscuta japonica
英名Japanese dodder
和名ネナシカズラ(根無葛)
別名・流通名
科名ヒルガオ科
属名ネナシカズラ属
原産地日本、朝鮮、中国、台湾、ベトナム、アムール
日本での主な生息地北海道~沖縄

ネナシカズラの名前の由来

「根が無い葛(ツル草)」を意味するネナシカズラという名前は、同じ寄生植物の中でも類を見ない独特な生態から付けられたものと思われます。

ネナシカズラは発芽直後は地中に根を張っていますが、成長すると根が枯れてなくなります。

代わりに「寄生根」という器官が発達し、それを他の植物に差し込むことで養分を吸収しながら生きるのです。

ネナシカズラの花言葉

ネナシカズラの花言葉は、「下賤(げせん)」です。

辛辣ではありますが、自分で生きる力を持たず他の植物に依存して生きる姿を表す言葉としては合っているようにも思えます。

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ネナシカズラの特徴

ネナシカズラの特徴は以下の通りです。

ネナシカズラの自生地
ネナシカズラの花の特徴
ネナシカズラの葉の特徴

花が咲く季節8~10月
実のなる季節
生活型つる性草本
生活様式寄生
草丈・樹高
葉の形鱗片状に退化している
花のつき方穂状花序
花の色
葉の色黄、黄白、白
繁殖方法
日照条件日向
水分の必要性必要
土の必要性不要

ネナシカズラの自生地

ネナシカズラは日本や朝鮮半島、中国、台湾、ベトナム、アムールなど東アジアを原産地としています。

日本国内では北海道から沖縄まで全国的に分布しており、日当たりの良い山野に自生していることが多いです。

他の植物に巻き付きながら寄生しており、種類にこだわらず様々な植物を宿主とします。

ネナシカズラの花の特徴

ネナシカズラは長さ3〜3.5mm程度の小さな花を、穂状花序に付けます。

色は白く、花冠は鐘形で5裂しています。

ネナシカズラの葉の特徴

ネナシカズラは花と茎しかないように見えますが、鱗片状に退化したごく小さい葉も存在します。

葉は茎と同じく葉緑素を持たず、白色または黄色をしています。

種によってはわずかに葉緑素をもち光合成をするものもありますが、まったく葉緑素をもっていない種がほとんどです。

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ネナシカズラと似た花

左:ネナシカズラ 右:ハマネナシカズラ

ネナシカズラは世界に170種もの仲間がいると言われており、そのうち5種は日本に自生しています。

中でもネナシカズラとよく似た種と、ネナシカズラとの見分け方を以下よりご紹介いたします。

ネナシカズラとハマネナシカズラの違い
ネナシカズラとマメダオシの違い

<比較表>

比較ネナシカズラハマネナシカズラマメダオシ
・白色
・穂状花序
・花冠は湾曲して鐘形になる
・萼が基部まで避ける
・白色
・穂状花序
・花冠は湾曲しない
・萼の中央脈が隆起する
・白色
・短い穂状花序
・無柄
・直径1~2mm
・黄色~白色
・紫褐色の斑点がある
・直径1.5mm程度
・黄色
・他の種よりも細い
・黄色
その他海岸や河川などに自生するマメ科植物によく寄生する
季節8~10月8~10月7~10月

ネナシカズラとハマネナシカズラの違い

ハマネナシカズラは、海岸の砂地や河川、荒地などに自生していることが多い種です。

花はよく見ると花冠の先が湾曲しておらず、萼の中央脈が隆起しています。

また、ネナシカズラよりも茎が細く、濃い黄色をしています。

ネナシカズラとマメダオシの違い

宿主の種類を選ばないネナシカズラに対し、マメダオシはマメ科植物に寄生することが多い種です。

短い花序が特徴的で、花には柄がありません。

また、ネナシカズラよりも遥かに細く黄色い茎も分かりやすい違いのひとつです。

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ネナシカズラが見れる場所・植物園

ネナシカズラの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

・高尾山付近
弥彦城山森林公園付近
あいかわ公園
など

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ネナシカズラの目撃情報

SNS上に寄せられた、ネナシカズラの目撃情報をご紹介いたします。

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ネナシカズラに関するFAQ

ネナシカズラについてよくある質問を集めてみました。

ネナシカズラは漢方で使用されますか?
ネナシカズラの別名にはどんなものがありますか?

ネナシカズラは漢方で使用されますか?

ネナシカズラの種子は「菟絲子」という漢方に使われており、一般的には滋養強壮剤や腎陰虚・腎陽虚の改善に効果があると言われています。

なお、ハマネナシカズラやマメダオシの種子でも同様の漢方を作ることができます。

また、長野県阿智・喬木地域ではネナシカズラの搾り汁をイボに塗って治すという伝統風習があるようです。

ネナシカズラの別名にはどんなものがありますか?

ネナシカズラには「Cuscuta japonica」という学名や「Japanese dodder」という英名はありますが、和名における別名は特にありません。

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まとめ

ネナシカズラは根や葉緑素をもたず、他の植物から養分を吸収しなければ生きることができない寄生植物です。

国内でも複数の仲間が存在し、様々な植物に黄色いツタをからませて生息しています。

山野や海岸、河川などに自生していますが、実を食べた鳥の糞に運ばれて庭の栽培植物に寄生する場合も多いため注意しましょう。

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