MENU

北海道の花シラネアオイ(白根葵)とは?花の特徴や群生地から花言葉や育て方も解説

淡い紫色の美しい花を咲かせるシラネアオイ(白根葵)は、北海道における野草の代表格とされています。

本記事では、シラネアオイの花や葉の特徴や群生地、名前の由来など解説いたします。

記事後半では、シラネアオイの育て方についても紹介していますので、最後までご覧ください。

目次

シラネアオイとは?

シラネアオイとはどんな野草なのか?

シラネアオイの基本情報について解説いたします。

シラネアオイの基本情報
シラネアオイの名前の由来
シラネアオイの花言葉

シラネアオイの基本情報

学名Glaucidium palmatum
英名Japanese wood poppy
和名シラネアオイ(白根葵)
別名・流通名ヤマフヨウ(山芙蓉)、ハルフヨウ(春芙蓉)
科名キンポウゲ科
属名シラネアオイ属
原産地日本
日本での主な生息地北海道日高地方以西~本州中部地方以北

シラネアオイの名前の由来

漢字で「白根葵」と表記する白根葵は、花の姿がタチアオイに似ていること、日光白根山で多く見ることができることが由来です。

また、美しい花の姿がフヨウ(芙蓉)にも似ていることから、山に咲く芙蓉という意を込めて「ヤマフヨウ」、春に咲く芙蓉という意を込めて「ハルフヨウ」という別名もあります。

シラネアオイの花言葉

シラネアオイの花言葉は「完全な美」「優美」です。

特に「完全な美」は、花弁をもたずとも美しい姿を見せるシラネアオイの混じりけのない美を表しているように思えます。

↑目次へ戻る

シラネアオイの特徴

シラネアオイの特徴は以下の通りです。

シラネアオイの群生地
シラネアオイの花の特徴
シラネアオイの葉の特徴
シラネアオイの実の特徴

花が咲く季節5~7月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高150〜600mm
葉の形分裂葉
花のつき方単生
花の色紫、ピンク、白
葉の色
繁殖方法種、株分け
日照条件半日陰
水分の必要性必要
土の必要性必要

シラネアオイの群生地

シラネアオイは日本固有種の野草なので、海外で見ることはできません。

北海道の日高地方以西~本州中部地方以西まで分布しており、特に日本海側の多雪地帯に自生することが多いです。

主に山地帯と亜高山帯のやや湿り気がある場所で生育し、大群落になります。

シラネアオイの花の特徴

シラネアオイの鼻は、横に這う太い根茎から出る花茎の先に1つ付きます。

直径50mm〜120mm程度の小さな花で、美しい紫色や淡いピンク色が特徴的です。

4弁花のようですがシラネアオイは花弁を持たず、代わりに萼片が色づいて花弁のように見えています。

色は基本的に紫色かピンク色ですが、稀に突然変異で白い花を付ける個体も見ることができます。

シラネアオイの葉の特徴

シラネアオイの葉は根茎と花茎に付いており、どちらも葉柄があります。

花茎には2つの葉が互い違いに付いており、長さ90mm〜250mm・幅100mm〜270mmの円形です。

切れ込みが多数あるため、カエデを思わせる掌状の形をしています。

結実期になると、雨傘のように大きく成長します。

シラネアオイの実の特徴

シラネアオイの実は袋果で、ぷっくりとした2つの膨らみが特徴的です。

中に扁平な種子が入っており、周囲には翼があります。

↑目次へ戻る

北海道の花として有名なシラネアオイ(白根葵)

シラネアオイの自生地としては、名前の由来になった通り栃木県・群馬県の日光白根山が有名です。

しかしその一方で、「北海道の花」と呼ばれるほど北海道で多くみることができます。

特に大千軒岳や国営滝野すずらん丘陵公園、北邦野草園はシラネアオイが大群落をなす名所です。

開花時期の真っただ中である5月〜7月頃は、シラネアオイの美しい群落を見ようと多くの人が訪れています。

↑目次へ戻る

シラネアオイと似た花

左:シラネアオイ 中:アツモリソウ 右:エンレイソウ

ここでは、シラネアオイに似た山野草の種類とそれぞれの見分け方について解説いたします。

シラネアオイとアツモリソウの違い
シラネアオイとエンレイソウの違い

<比較表>

比較シラネアオイアツモリソウエンレイソウ
・紫色、ピンク色、白色
・4枚の萼片がある
・花茎の先に1個付く
・赤紫色
・母衣のような袋状
・ふつう1個、まれに2個付く
・緑色~紫褐色
・3枚の外花被片がある
・葉の中央に1個付く
・2枚が互生
・鋸歯があり掌状に裂けている
・3~5枚が互生
・全縁だがやや波打つ
・3枚が輪生
・全縁
・卵形で先端は尖る
草丈150mm〜600mm200mm~300mm200mm~400mm
季節5~7月5~7月4月、5月

シラネアオイとアツモリソウの違い

アツモリソウは明るい林の林床に生育する野草で、武具の「母衣(ほろ)」に似た袋状の個性的な花を咲かせます。

4弁花のような外見をしたシラネアオイとは形状が異なるので、区別は容易です。

葉は3〜5枚が互い違いに付いており、縁に鋸歯はありませんがやや波打っています。

シラネアオイとエンレイソウの違い

山地の林内に自生するエンレイソウは、3枚輪生する葉の中央から伸びた茎の先に花が付いています。

花は緑色~紫褐色をした外花被片3枚から成り、シラネアオイよりもやや地味な印象を受ける外見です。

葉に鋸歯はなく、卵形で先が急に尖ります。

↑目次へ戻る

シラネアオイが見れる場所・植物園

シラネアオイの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

・弥陀ヶ池周辺
日光白根山ロープウェー山頂駅
大千軒岳
国営滝野すずらん丘陵公園
北邦野草園
・白馬大雪渓(白馬尻 下登山道)
栂池自然園
など

↑目次へ戻る

シラネアオイの目撃情報

SNS上に寄せられた、シラネアオイの目撃情報をご紹介いたします。

↑目次へ戻る

福島南会津町のシラネアオイ園では10,000株の花を見ることができる

福島県南会津町にある「シラネアオイ園」は、日本で唯一白花のシラネアオイが群生する観賞スポットとして有名です。

白花以外の個体も10,000株が群生しており、シラネアオイの花々が彩る自然風景をゆったりと楽しむことができます。

シラネアオイの花を見たくても、山へ足を運ぶのは大変…と感じる方はシラネアオイ園のような植物園や公園の群生地を訪れてみると良いでしょう。

他にも数多くの山野草が生育しているため、シラネアオイの開花時期でなくとも自然に囲まれながら豊かな自然を楽しみたい方にはおすすめです。

↑目次へ戻る

シラネアオイに関するFAQ

シラネアオイについてよくある質問を集めてみました。

シラネアオイは食べることができますか?
シラネアオイの花が咲く時期はいつですか?
シラネアオイは移植できますか?
シラネアオイが見られる山はどこですか?

シラネアオイは食べることができますか?

シラネアオイに毒性は確認されていませんが、食用とされた前例もないため安易に食べることはおすすめできません。

シラネアオイの花が咲く時期はいつですか?

シラネアオイの花は5~7月頃に咲きます。

シラネアオイは移植できますか?

シラネアオイは植え替えが可能で、株分けによって増やすこともできます。

シラネアオイが見られる山はどこですか?

北海道〜本州日本海側の多雪地帯に自生することが多いですが、名前の由来にもなった通り日光白根山もシラネアオイの自生地として有名です。

↑目次へ戻る

シラネアオイの育て方(増やし方)

シラネアオイのガーデニング情報
シラネアオイの育て方カレンダー
シラネアオイの栽培方法
シラネアオイは水切れさせると葉っぱが枯れやすいので注意

シラネアオイのガーデニング情報

登山を兼ねてシラネアオイを観賞しに山へ訪れる方は多いですが、園芸用の花としても人気です。

ただし管理がやや難しいので、あらかじめ育て方のポイントを理解しておきましょう。

栽培難易度とても難しい
株間
種まきの時期9~12月
発芽温度
生育温度
耐寒温度
耐暑温度

シラネアオイの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
植え付け、植え替え
肥料(鉢植え)
肥料(庭植え)
種まき

シラネアオイの栽培方法

環境・土壌

シラネアオイは涼しく風通しの良い場所を好むため、暖かい地域での平地栽培は非常に困難です。

年間を通して明るい日陰で管理し、強い日差しが当たらないよう注意しましょう。

土は水はけの良さを最優先し、次いで水もちの良いものが適しています。

鉢植えなら市販の山野草培養土で問題ありません。

自分で用意する場合、赤玉土と鹿沼土を基本に軽石や桐生砂を混ぜましょう。

また、庭植えの場合は土を深めに掘ってから瓦かけ、鉢かけ、ゴロ土などを産めておくと水はけの良さを改善することができます。

芽出し

種から育てる場合、芽出し時期は日向または30%程度遮光した状態で管理します。

5月中旬からは50〜70%程度遮光した状態にし、葉焼けに注意しましょう。

定植

定植の際、土に緩効性肥料を混ぜ込みます。

庭植えの場合はできるだけ斜面に植えて水が溜まらないようにして、鉢植えの場合は二重鉢で鉢内が高温になることを防ぎましょう。

肥料

定植・植え替えに元肥を施す他、4月下旬~7月上旬ごろまで付き2回の頻度で窒素・リン酸・カリが等量の液体肥料を与えましょう。

9月下旬~10月上旬までは1~2回、上記と同様の液体肥料を与えます。

手入れ

土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。

特に芽出しから開花までの間は乾燥し過ぎないよう、注意が必要です。

また、開花時期の間は花ではなく株元にだけ水やりをしましょう。

冬場は地上部がなくなりますが、根は生きているので欠かさず水やりを行います。

凍結すると根が傷むので、軒下に移動するか腐葉土などでマルチングすると安心です。

植替え

鉢植えの場合、根詰まりを起こすようであれば植え替えを行います。

頻度としては3〜5年に1回が目安で、暑さが過ぎたころが適期です。

シラネアオイは水切れさせると葉っぱが枯れやすいので注意

シラネアオイは、乾燥を大の苦手とする植物です。

水切れすると生長が止まって枯れやすくなるので、水やりは機械的に行うのではなくこまめに土の状態をチェックしながら必要なタイミングで行いましょう。

また、開花時期は花を濡らすとダメージを与える恐れがあるため、必ず株元にだけ水を与えます。

夏場は鉢内が蒸れやすいので、夕方の気温が下がり始めたタイミングが最適です。

↑目次へ戻る

まとめ

シラネアオイは、日光白根山を始めとする山地帯~亜高山帯に自生する美しい山野草です。

多くの個体は紫色やピンク色をしていますがまれに白花をつける個体もあり、福島県の「シラネアオイ園」では白花の個体も多く見ることができます。

自宅で栽培して観賞するのも良いですが、入念に管理をしなければすぐに傷んでしまうため注意が必要です。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次
閉じる