河川敷や草原など様々な場所に自生している野草、セイバンモロコシ(西播蜀黍)をご存知でしょうか。
トウモロコシという名前から、食べることはできるの?と考えた方も多いと思います。
本記事では、セイバンモロコシの生態や花・葉などの特徴、よく似た植物であるヒメモロコシとの違いについて詳しく解説いたします。
セイバンモロコシとは?
セイバンモロコシとはどんな野草なのか?
セイバンモロコシの基本情報について解説いたします。
・セイバンモロコシの基本情報
・セイバンモロコシの名前の由来
・セイバンモロコシの花言葉
セイバンモロコシの基本情報
学名 | Sorghum halepense |
英名 | Johnson grass |
和名 | セイバンモロコシ(西播蜀黍) |
別名・流通名 | – |
科名 | イネ科 |
属名 | モロコシ属 |
原産地 | 地中海地域のヨーロッパ、中東 |
日本での主な生息地 | 東北地方以南 |
セイバンモロコシの名前の由来
セイバンモロコシという名前は、「西播蜀黍」と表記します。
西播は西方の異国という意味があり、地中海から日本へ渡来したモロコシ属の植物であることが名前の由来となっています。
セイバンモロコシの花言葉
国内の在来種を押しのけながら成長する、セイバンモロコシの繁殖力にちなんで付けられたものと思われます。
セイバンモロコシの特徴
セイバンモロコシの特徴は以下の通りです。
・セイバンモロコシの自生地
・セイバンモロコシの花の特徴
・セイバンモロコシの葉の特徴
花が咲く季節 | 7~9月 |
実のなる季節 | – |
生活型 | 多年草 |
生活様式 | 地生 |
草丈・樹高 | 500〜2000mm |
葉の形 | 線形 |
花のつき方 | 小穂 |
花の色 | 赤紫 |
葉の色 | 緑 |
繁殖方法 | 種、地下茎 |
日照条件 | 日向 |
水分の必要性 | 必要 |
土の必要性 | 必要 |
セイバンモロコシの自生地
地中海沿岸を原産地とするセイバンモロコシは、ユーラシア大陸の亜熱帯〜温帯まで非常に広く分布しています。
日本国内には1945年頃に渡ってきたと言われており、東北地方~沖縄にかけて畑地・河川敷・道端・果樹園など様々な環境下で繁殖を続けています。
セイバンモロコシの花の特徴
セイバンモロコシの花は、長さ150〜300mm程度で穂状になっています。
1〜4個出て下向きに垂れ下がる枝に、赤紫色の小穂を密につけます。
セイバンモロコシの小穂には「芒」という針状の毛があるものとないものが混じっており、芒のある小小穂が雄、大きくて芒のある小穂が両性です。
セイバンモロコシの葉の特徴
セイバンモロコシの葉は長さ200〜600mm・幅10〜20mmの線形で、茎から互い違いに伸びています。
太くはっきりと見える中肋、ざらざらとした感触の縁が特徴的です。
セイバンモロコシは要注意外来植物
花言葉の由来にもなった通り、セイバンモロコシは種子と地下茎の両方で増える繁殖力旺盛な植物です。
加えて霜や乾燥のストレスによって「シアン化水素」という有毒な成分を体内に作り出したり、硝酸塩や青酸化合物などの成分を含んでいるため「強害草」として認識されています。
日本国内においては在来種の生育を妨げることも懸念されていますが、現時点では「要注意外来生物」の指定を受けてはいません。
セイバンモロコシはインテリアとしても利用される
セイバンモロコシは「害草」という認識が強い一方、インテリアに取り入れられることもあります。
小穂の赤紫色と葉の緑色は、お部屋をさり気なく彩ってくれることでしょう。
また、セイバンモロコシを使ってリースを作る方もいるようです。
イネ科の花粉アレルギーがある方は要注意ですが、特に影響が及ばない体質であれば試してみてはいかがでしょうか。
セイバンモロコシと似た花

セイバンモロコシと似た植物としては、「ヒメモロコシ」と「オオアワガエリ」が挙げられます。
それぞれどんな違いがあるのか、以下より解説いたします。
・セイバンモロコシとヒメモロコシの違い
・セイバンモロコシとオオアワガエリの違い
<比較表>
比較 | セイバンモロコシ | ヒメモロコシ | オオアワガエリ |
花 | ・花穂は垂れさがる ・小穂は芒があるものとないものが混ざる ・赤紫色 | ・花穂は垂れさがる ・小穂に芒がない ・赤紫色 | ・花穂が立っている ・小穂に芒がある ・淡緑色 |
葉 | ・線形 ・中肋が太くはっきりしている | ・線形 ・中肋が太くはっきりしている | 線形 |
草丈 | 500〜2000mm | 500〜2000mm | 500〜1300mm |
季節 | 7~9月 | 7~9月 | 6~8月 |
セイバンモロコシとヒメモロコシの違い
セイバンモロコシと同じくイネ科モロコシ属に分類されるヒメモロコシは、外見においても共通点は多いです。
ただし、ヒメモロコシ小穂には「芒」がありません。
セイバンモロコシとオオアワガエリの違い

オオアワガエリも同じくイネ科植物ですが、淡緑色の花穂が直立しておりブラシのような形状をしています。
また、小穂の外側にある2枚の小片「苞頴」は背面に白く長い毛のある膜で、上端は短い芒になっています。
セイバンモロコシが見れる場所・植物園
セイバンモロコシの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。
セイバンモロコシの目撃情報
SNS上に寄せられた、セイバンモロコシの目撃情報をご紹介いたします。
セイバンモロコシに関するFAQ
セイバンモロコシについてよくある質問を集めてみました。
・セイバンモロコシはアレルギーの原因となりますか?
・セイバンモロコシはどのように駆除したら良いですか?
セイバンモロコシはアレルギーの原因となりますか?
セイバンモロコシはイネ科植物なので、花期になるとアレルギー反応が現れる場合があります。
セイバンモロコシはどのように駆除したら良いですか?
セイバンモロコシはただ引き抜くだけでは完全に駆除できないため、除草剤を使用しましょう。
グリホサート系など、根まで枯らすタイプの除草剤がおすすめです。
まとめ
セイバンモロコシは、イネ科モロコシ属に分類される外来種の野草です。
繁殖力が旺盛なうえに有毒な成分をもつため世界的に「害草」と認識されていますが、インテリアとしてお部屋に飾ったりリースを作ったりすることも可能です。
東北地方〜沖縄地方であればどこでも見ることができるので、興味のある方はぜひ探してみてください。
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