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カノツメソウ(鹿の爪草)とは?花・葉の特徴や似た花との見分け方など解説

全体的にほっそりとした外見のカノツメソウは、日本固有種の山野草です。

今回はカノツメソウについて、生態や名前の由来、花・葉の特徴などをご紹介いたします。

ヤブニンジンやタニミツバなど似た花との違いも解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

カノツメソウとは?

カノツメソウとはどんな野草なのか?

カノツメソウの基本情報について解説いたします。

カノツメソウの基本情報
カノツメソウの名前の由来
カノツメソウの花言葉

カノツメソウの基本情報

学名Spuriopimpinella calycina
英名
和名カノツメソウ(鹿の爪草)
別名・流通名ダケゼリ (岳芹)
科名セリ科
属名カノツメソウ属
原産地日本
日本での主な生息地北海道~九州

カノツメソウの名前の由来

「鹿の爪草」と表記するカノツメソウは、鹿の爪に似た形の根からその名前がついたという説が有力です。

その一方で、鷹の爪に似た3出複葉から「タカノツメソウ」とされていたものの、タが抜けて「カノツメソウ」に転訛したという説もあります。

カノツメソウの花言葉

カノツメソウの花言葉は不明です。

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カノツメソウの特徴

カノツメソウの特徴は以下の通りです。

カノツメソウの自生地
カノツメソウの花の特徴
カノツメソウの葉の特徴

花が咲く季節8~10月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高500〜1000mm
葉の形2回3出複葉、3出複葉
花のつき方複散形花序
花の色
葉の色
繁殖方法
日照条件日陰
水分の必要性必要
土の必要性必要

カノツメソウの自生地

カノツメソウは。日本でしか見ることができない日本固有種です。

北海道・本州・四国・九州に分布しており、山林の日陰に生育します。

カノツメソウの花の特徴

カノツメソウは茎の先に複散形花序を出し、小さな白色の5弁花をまばらにつけます。

セリ科やキク科植物特有の総苞片(花序を保護する苞葉)や小総苞片があり、どちらも線形で短いです。

カノツメソウの葉の特徴

根の近くから出る葉は2回出複葉、茎の上部につく葉は3出複葉と形状がやや異なります。

小葉は広卵形~広披針形をしており、長さは1.5~5cm程度です。

くさび状の基部から先端にかけて細くなっていく他、上部の小葉にある鋸歯も特徴的です。

また、小葉の両面には短毛が生えています。

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カノツメソウと似た花

左:カノツメソウ 中:ヤブニンジン 右:オオゼリ

カノツメソウは様々な野草と姿が似ていますが、簡単に見分けることができるポイントはあるのでしょうか。

ここでは、カノツメソウに似た花の種類と見分け方について解説いたします。

カノツメソウとタニミツバの違い
カノツメソウとムカゴニンジンの違い
カノツメソウとミヤマニンジンの違い
カノツメソウとヤブニンジンの違い
カノツメソウとオオゼリの違い

<比較表>

スクロールできます
比較カノツメソウタニミツバムカゴニンジンミヤマニンジンヤブニンジンオオゼリ
・複散形花序
・小さく白色の5弁花を少数まばらにつける
・総苞片と小総苞片は線形
・複散形花序
・小さく白色の5弁花をまばらにつける
・小総苞片は糸状
・複散形花序
・小さく白色の5弁花をまばらにつける
・総苞片と小総苞片は披針形で下に垂れる
・複散形花序
・小さく白色の5弁花を多数つける
・総苞片と小総苞片は線形
・複散形花序
・小さく白色の5弁花を少数つける
・小総苞片は下を向く
・複散形花序
・白色の小花を球状に多数つける
・小総苞片が数個ある
・下部の葉は2回3出複葉
・少数は長さ15~50mmの広卵形~広披針形
・両面に短毛がある・上部の葉は3出複葉
・下部の葉は3~5個の小葉からなる奇数羽状複葉
・下部の葉の小葉は卵状楕円形で長さ30~100mm
・上部の葉は小さい狭披針形~線形
・下部の葉は3~7個の小葉からなる奇数羽状複葉
・下部の葉の小葉は円形から線形に変化して長さは10~80mmになる
・上部の葉は3出複葉
・むかごがある
・2~3回羽状複葉
・小葉は細かく切れ込む
・2回3出羽状複葉
・小葉は卵形
・葉の両面と茎に毛がある
・2回3出羽状複葉
・小葉は30~80mmの長楕円状披針形
・有毒
草丈500〜1000mm600~800mm300~1000mm200~500mm300~600mm1000mm
季節8~10月7~8月9~10月7~8月4~5月6~7月

カノツメソウとタニミツバの違い

同じセリ科植物のタニミツバは、山地の湿った木陰でまれに見ることができます。

茎の下部にある葉の形状が3~5の小葉からなる奇数羽状複葉であること、先端は尾状に尖っていることがカノツメソウとの違いです。

卵状楕円形をした小葉の長さは3~10cm程度で、カノツメソウの倍近く大きいです。

カノツメソウとムカゴニンジンの違い

ムカゴニンジンは、日当たりの良い湿地や休耕田など湿った場所や水中に生育するセリ科植物です。

その名の通り、「むかご」という肥大化した器官が葉腋にあることが最大の特徴です。

茎の下部にある葉は3~7の小葉からなる奇数羽状複葉で、上部の葉は3出複葉となっています。

また、小葉は円形から細長い線形に変化し、長さは1~8cm程度です。

カノツメソウとミヤマニンジンの違い

山地に生育するミヤマニンジンは、花の形はカノツメソウと同じく複散形花序ですが白い5弁花を多数つけるという特徴があります。

また、草丈も200~500mmとやや小柄です。

葉は2~3回羽状複葉で、小葉に細かい切れ込みがあります。

カノツメソウとヤブニンジンの違い

山野の日陰になる藪で生育することが多いヤブニンジンも複散形花序ですが、花の数は少ないです。

葉は2回3出羽状複葉で小葉は卵形をしており、葉・茎のどちらにも毛があります。

カノツメソウとオオゼリの違い

「ドクゼリ」とも呼ばれるオオゼリは、日本三大有毒植物に数えられる野草です。

花は複散形花序で球状に白い小花を多数つけ、総苞片はなく数個の小総苞片があります。

葉は2~3回羽状複葉で、小葉の長さは30~80mmです。

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カノツメソウが見れる場所・植物園

カノツメソウの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

上高地
・千貫山
・高尾山
筑波山
・蛇尾川周辺   など

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カノツメソウの目撃情報

SNS上に寄せられた、カノツメソウの目撃情報をご紹介いたします。

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カノツメソウに関するFAQ

カノツメソウについてよくある質問を集めてみました。

カノツメソウを含めセリ科は花が似ていますが、見分け方はありますか?

セリ科の花はどれも白い小花が集まった複散形花序ですが、よく見ると花の数が異なります。

カノツメソウは他のセリ科植物よりも少数かつまばらに花をつけることを覚えて見比べれば、区別が可能です。

また、花のつき方が似ていても、葉が奇数羽状複葉である場合はカノツメソウではありません。

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まとめ

カノツメソウは、根の形が鹿の爪に似ていることからその名前がついた山野草です。

他のセリ科植物とよく似ていますが、花の数や葉の形状などを観察すれば見分けることができます。

山地に足を運んだ際は、白い線香花火のな花をつけるカノツメソウの可愛らしい姿を眺めて楽しんでみてはいかがでしょうか。

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