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キンミズヒキ(金水引)とは?花や葉の特徴から花言葉・育て方など解説

縁起の良さそうな名前が特徴的な「キンミズヒキ(金水引)」は、優れた薬効があるとして生薬などに使われていた野草です。

本記事では、キンミズヒキの花や葉の特徴から花言葉、ヒメキンミズヒキなどの似た花との違いについても解説いたします。

目次

キンミズヒキとは?

キンミズヒキとはどんな野草なのか?

キンミズヒキの基本情報について解説いたします。

キンミズヒキの基本情報
キンミズヒキの名前の由来
キンミズヒキの花言葉

キンミズヒキの基本情報

学名Agrimonia pilosa Ledeb. var. japonica
英名
和名キンミズヒキ(金水引)
別名・流通名オウリュウビ(黄龍尾)、リュウゲソウ(龍牙草)
科名バラ科
属名キンミズヒキ属
原産地日本、朝鮮半島、中国、サハリン、ウスリー、インドシナ半島
日本での主な生息地北海道~九州

キンミズヒキの名前の由来

漢字で「金水引」と表記するキンミズヒキは、「ミズヒキ」というタデ科植物に似ており、かつ細長い黄色の花穂を出すことが名前の由来となっています。

なお、ミズヒキはご祝儀袋の包装に使われる水引に似ていることからその名前が付きました。

キンミズヒキは中国で「オウリュウビ(黄龍尾)」や「リュウゲソウ(龍牙草)」とも呼ばれています。

オウリュウビは花穂が黄色い龍の尾に見えること、リュウゲソウは葉の鋭い鋸歯が龍の牙に見えることが由来と言われています。

キンミズヒキの花言葉

キンミズヒキの花言葉は、「感謝の気持ち」です。

お祝いの贈り物に使われる水引とよく似た姿を表現しているかのような花言葉が付けられています。

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キンミズヒキの薬草としての効能

花期のキンミズヒキは、茎や葉に「タンニン」という成分を含んでいます。

このタンニンは細胞組織を引き締める効果がある他、キンミズヒキを煮出したエキスには胆嚢の働きを助ける効果もあると言われています。

そのため、キンミズヒキは昔から薬草としてよく用いられていました。

根にもタンニンやフェノール性配糖体、アグリモノリド、フィトステロールなど様々な成分が含まれていますが、薬草としてはあまり使われていないようです。

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キンミズヒキの特徴

キンミズヒキの特徴は以下の通りです。

キンミズヒキの自生地
キンミズヒキの花の特徴
キンミズヒキの葉の特徴

花が咲く季節8~10月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高500〜1000mm
葉の形奇数羽状複葉
花のつき方総状花序
花の色
葉の色
繁殖方法種、株分け
日照条件日向、半日陰
水分の必要性必要
土の必要性必要

キンミズヒキの自生地

キンミズヒキは、日本・朝鮮半島・中国・サハリン・ウスリー・インドシナ半島などアジアやユーラシア大陸の諸国を原産地としています。

日本では北海道・本州・四国・九州と広く分布しており、低山や山地の道端、草地などが主な自生地です。

キンミズヒキの花の特徴

キンミズヒキは、花期の8~10月頃に分枝した茎先に総状花序を作ります。

花は鮮やかな黄色をした5弁花で、列を作ってやや密集していることが特徴です。

花が終わる秋頃にはかぎ状のトゲをもつ果実がなり、このトゲで動物や人間の衣服にくっついて運ばれるため「ひっつき虫」と呼ばれることもあります。

キンミズヒキの葉の特徴

葉は等間隔に互生する「奇数羽状複葉」です。

5~9つの小葉からなり、小葉は菱状の長楕円形をしています。

先端は尖っており、縁に粗い鋸歯があることも特徴的です。

また、葉の裏面には白色の腺点が多数あります。

葉柄の基部にある托葉は半卵形で、小葉と同じく縁に鋸歯があります。

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キンミズヒキは下痢止めとして使われる

キンミズヒキは地上部の茎や葉を刈り取って1~2日ほど天日干ししてから粗く刻み、陰干ししたものを生薬として使うことができます。

下痢止めや出血の他、のどの痛み・口内炎・腫れ・あせも・ただれなどが主な効能です。

下痢や鼻血などには、キンミズヒキの生薬15gを約600ccの水で煎じた汁を1日3回に分けて飲むと良いとされています。

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キンミズヒキと似た花

左:キンミズヒキ 中左:ヒメキンミズヒキ 中右:ツルドクダミ 右:ミズヒキ

キンミズヒキには、いくつか外見の似た花が存在します。

ここでは、キンミズヒキに似た花の種類と見分け方について解説いたします。

キンミズヒキとヒメキンミズヒキの違い
キンミズヒキとツルドクダミの違い
キンミズヒキとミズヒキの違い

<比較表>

比較キンミズヒキヒメキンミズヒキツルドクダミミズヒキ
・総状花序
・黄色い5弁花
・径7~10mm
・総状花序
・黄色い5弁花
・径5~7mm
・偽総状花序
・白い萼片が目立つ
・径2mm
・総状花序
・紅色、白色をした萼片が目立つ
・奇数羽状複葉
・小葉は5~9枚
・先端が鋭く尖る
・縁に粗い鋸歯がある
・裏面に白い腺点がある
・奇数羽状複葉
・小葉は3~5枚
・先端は余り尖らない
・縁の鋸歯に丸みがある
・単葉
・先端が尖る
・縁に鋸歯はない
・単葉
・両面に毛がある
・縁に鋸歯はない
草丈500〜1000mm800mm1,000~3,000mm(長さ)300〜800mm
季節8~10月8月、9月8~10月8~10月

キンミズヒキとヒメキンミズヒキの違い

キンミズヒキの小型種であるヒメキンミズヒキは、草丈がやや低いことを除き非常によく似た見た目をしています。

見分けるポイントとしては、キンミズヒキの小葉が5~9枚あるのに対し、ヒメキンミズヒキは3~5枚と少ないことです。

また、ヒメキンミズヒキは小葉の先端があまり尖らず花も小ぶりという違いがあります。

キンミズヒキとツルドクダミの違い

ツルドクダミは、花の色や形状で見分けることが可能です。

ツル性の茎を1~3mにまで伸ばし、よく枝分かれして物や植物に絡みついています。

葉は単葉で、先端が尖っていますが縁に鋸歯はありません。

花は偽総状花序で、径2mmと非常に小さいうえに花弁がなく、白色の萼を出しています。

キンミズヒキとミズヒキの違い

キンミズヒキと形状がよく似たミズヒキですが、花に注目すると容易に区別が可能です。

ミズヒキはキンミズヒキのように総状花序の花穂を出しますが、花は花弁を持ちません。

代わりに上半分が紅色、下半分が白色の萼がよく目立ちます。

葉は単葉で両面に毛が生えている他、縁に鋸歯がないことも分かりやすい違いです。

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キンミズヒキが見れる場所・植物園

キンミズヒキの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

伊吹山
・高尾山
軽井沢雲場池
・光則寺付近
神代植物公園
など

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キンミズヒキの目撃情報

SNS上に寄せられた、キンミズヒキの目撃情報をご紹介いたします。

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キンミズヒキに関するFAQ

キンミズヒキについてよくある質問を集めてみました。

キンミズヒキの苗はどこで購入できますか?
ミズヒキとキンミズヒキの違いはなんですか?

キンミズヒキの苗はどこで購入できますか?

キンミズヒキの苗は、園芸ショップやインターネット通販などでよく販売されています。

ミズヒキとキンミズヒキの違いはなんですか?

ミズヒキとキンミズヒキの分かりやすい違いは、花の色と形状です。

ミズヒキは紅色と白色の萼が目立つのに対し、キンミズヒキは鮮やかな黄色の5弁花を付けます。

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キンミズヒキの育て方

キンミズヒキのガーデニング情報
キンミズヒキの育て方カレンダー
キンミズヒキの栽培方法

キンミズヒキのガーデニング情報

キンミズヒキは丈夫な野草なので、こまめに管理をしなくても十分に育ちます。

インターネット通販などで苗を販売している園芸ショップは多いため、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。

栽培難易度簡単

キンミズヒキの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
植え付け、植え替え
肥料(鉢植え)
肥料(庭植え)

キンミズヒキの栽培方法

環境・土壌

キンミズヒキは日当たりと水はけの良い場所を好みます。

特に庭植えがおすすめですが、草丈がやや高くなるため強風が当たらないように注意が必要です。

肥料

定植の際、用土に緩効性肥料を入れておけば特に追肥は必要ありません。

植替え

キンミズヒキは毎年こぼれ種で増えていきますが、鉢植えの場合は混み合ってきたら一回り大きな鉢に植え替えましょう。

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まとめ

金色の水引を思わせる見た目をしたキンミズヒキはミズヒキの近似種にも見えますが、まったく別の植物です。

ミズヒキの他、ツルドクダミやヒメキンミズヒキにもよく似ていますが、花や葉の形状を見れば見分けることができます。

非常に管理が簡単な植物であり、苗も多く流通しているため初心者でも簡単に育てることができます。

花壇や盆栽の彩りとして、キンミズヒキを育ててみてはいかがでしょうか。

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