変わったネーミングの野草「ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)」をご存知でしょうか。
ピンク色で小さく可愛らしい花を咲かせる野草ですが、その外見に反して少し恐ろしい由来からその名前が付けられています。
本記事では、ママコノシリヌグイの花や葉の特徴から名前の由来などを解説いたします。
ママコノシリヌグイの花言葉も紹介していますので、ご覧ください。
ママコノシリヌグイとは?
ママコノシリヌグイとはどんな野草なのか?
ママコノシリヌグイの基本情報について解説いたします。
・ママコノシリヌグイの基本情報
・ママコノシリヌグイの名前の由来
・ママコノシリヌグイの花言葉
ママコノシリヌグイの基本情報
学名 | Persicaria senticosa |
英名 | – |
和名 | ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い) |
別名・流通名 | トゲソバ |
科名 | タデ科 |
属名 | イヌタデ属 |
原産地 | 日本、朝鮮、中国、ウスリー |
日本での主な生息地 | 北海道~沖縄 |
ママコノシリヌグイの名前の由来
ママコノシリヌグイは、漢字で「継子の尻拭い」と表記します。
継子とは血の繋がりがない子供のことを指す言葉ですが、昔話などで「継子をいじめる親」という描写を目にした方は多いのではないでしょうか。
ママコノシリヌグイは葉や葉脈に鉤爪形のトゲがあり、親から憎まれている継子がこれで尻を拭かれたらさぞ痛いのだろう…という想像からこの名前が付けられたと言われています。
なお、韓国でも「嫁の尻拭き草」と呼ばれているようですがこの由来も上記と同様であると考えられます。
ママコノシリヌグイの花言葉
可愛らしい花が付いている外見とは裏腹に恐ろしい由来から付けられた名前は、まさに「見かけによらぬ」と表現できます。
一方でその由来とは真逆な印象の「変わらぬ愛情」が何故花言葉とされたのかは不明です。
憎くても子どもへの愛情は変わらず持っていることを表現しているとも考えられます。
いずれにしても名前の由来を踏まえると、考察しがいのある花言葉です。
ママコノシリヌグイの特徴
ママコノシリヌグイの特徴は以下の通りです。
・ママコノシリヌグイの自生地
・ママコノシリヌグイの花の特徴
・ママコノシリヌグイの葉の特徴
花が咲く季節 | 5~10月 |
実のなる季節 | – |
生活型 | つる性草本 |
生活様式 | 地生 |
草丈・樹高 | 1000mm(長さ) |
葉の形 | 単葉(不分裂葉) |
花のつき方 | 総状花序 |
花の色 | 赤、桃、白 |
葉の色 | 緑 |
繁殖方法 | 種 |
日照条件 | 日向 |
水分の必要性 | 必要 |
土の必要性 | 必要 |
ママコノシリヌグイの自生地
ママコノシリヌグイは中国や朝鮮半島、日本に分布しています。
日本国内では全国的に生息しており、日当たりが良くやや湿り気のある林縁や道端などに生えていることが多いです。
ママコノシリヌグイの花の特徴
ママコノシリヌグイは、つる性の枝先に10個ほどの花を密集させて咲かせます。
小さく可愛らしい外見をしていますが、花びらのように見える部分は萼片です。
この萼片は開花が終わっても色褪せず、種子を包み込むように残ります。
萼片は深く5裂しており、基部は白色で先端がピンク色をしています。
ママコノシリヌグイの葉の特徴
葉は柄のある三角形で互生しており、さらに茎をハート形の托葉が囲っています。
葉柄と葉の裏にも茎と同様に鋭いトゲがあり、触れると怪我をする恐れがあるため注意が必要です。
ママコノシリヌグイと似た花

ママコノシリヌグイは、同じタデ科植物である「ミゾソバ」によく似ています。
ここではママコノシリヌグイとミゾソバの見分け方について解説するとともに、両者の特徴を比較表にまとめてみました。
<比較表>
比較 | ママコノシリヌグイ | ミゾソバ |
花 | ・枝先に10個ほど集まって付く ・花冠がない ・萼片は基部が白色、先端がピンク色 | ・枝先に10個ほど集まって付く ・花冠がない ・萼片は基部が白色、先端が紅紫色 |
葉 | ・互生 ・三角形 ・ハート形の托葉がある | ・互生 ・矛形 ・筒状の托葉がある |
茎 | つる性でトゲがある | 地を這い、トゲがある |
自生地(日本国内) | ・全国 ・やや湿り気のある場所を好む | ・全国 ・水湿地を好む |
季節 | 5~10月 | 7~10月 |
ママコノシリヌグイとミゾソバの違い

ママコノシリヌグイはどちらも湿り気のある場所に自生することが多いですが、ミゾソバは川辺や溝などより水気の多い環境を好みます。
トゲのある茎や白色とピンク色の萼片が目立つ花を咲かせることは共通しているものの、つる性ではありません。
また、牛の顔を逆さまにしたような矛形の葉も特徴的です。
ママコノシリヌグイが見れる場所・植物園
ママコノシリヌグイの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。
・岩木山南山麓
・熊野川近辺
・城の鼻公園
・親海湿原
・国立科学博物館附属 自然教育園
など
ママコノシリヌグイの目撃情報
SNS上に寄せられた、ママコノシリヌグイの目撃情報をご紹介いたします。
ママコノシリヌグイに関するFAQ
ママコノシリヌグイについてよくある質問を集めてみました。
・ママコノシリヌグイは漢字でどう書きますか?
・継子の尻拭いは俳句の季語として使用されますか?
ママコノシリヌグイは漢字でどう書きますか?
「継子の尻拭い」と表記します。
継子の尻拭いは俳句の季語として使用されますか?
「継子の尻拭い」という名前がそのまま使用されることはほとんどありませんが、タデ科植物であることから「蓼の花」と称して使用されることはあります。
まとめ
ママコノシリヌグイは白とピンクの花を咲かせる可愛らしい外見とは裏腹に、恐ろしい名前の由来と鋭いトゲを持つ山野草です。
近似種のミゾソバとよく似ていますが、茎の特徴や葉の形などに注目すれば区別は難しくありません。
日当たりの良い道端や河原などでよく見ることができますが、トゲでケガをする恐れがあるため素手で触れたり自生地に足を踏み入れたりすることは避けましょう。
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