山地や深山の草地や林縁に自生する野草、「メタカラコウ」をご存知でしょうか。
本記事では 、メタカラコウの花や葉の特徴から、よく似た花「オタカラコウ」や「アキノキリンソウ」との見分け方も解説いたします。
メタカラコウとは?
メタカラコウとはどんな野草なのか?
メタカラコウの基本情報について解説いたします。
・メタカラコウの基本情報
・メタカラコウの名前の由来
・メタカラコウの花言葉
メタカラコウの基本情報
学名 | Ligularia stenocephala |
英名 | – |
和名 | メタカラコウ(雌宝香) |
別名・流通名 | オオメタカラコウ(大雌宝香)、ニシノメタカラコウ |
科名 | キク科 |
属名 | メタカラコウ属 |
原産地 | 日本、中国、台湾 |
日本での主な生息地 | 本州、四国、九州 |
メタカラコウの名前の由来
メタカラコウ(雌宝香)は外見が酷似した仲間のオタカラコウよりも小ぶりなサイズとなっているため、「小さなタカラコウ(トウゲブキ)」という意味を込めて雌の字が当てられました。
なおタカラコウとは香料の「竜脳香」を指し、根茎の香りが似ていることに由来します。
メタカラコウの花言葉
気高い女性のような印象を与える花言葉。
防虫剤や香料にする宝香に似る匂いが根にあるため、悪い虫を寄せ付けないという意味で付けられたのではないでしょうか。
メタカラコウの特徴
メタカラコウの特徴は以下の通りです。
・メタカラコウの自生地
・メタカラコウの花の特徴
・メタカラコウの葉の特徴
花が咲く季節 | 6~10月 |
実のなる季節 | – |
生活型 | 多年草 |
生活様式 | 地生 |
草丈・樹高 | 500〜1000mm |
葉の形 | 単葉(不分裂葉) |
花のつき方 | 総状花序 |
花の色 | 黄 |
葉の色 | 緑 |
繁殖方法 | 種、株分け |
日照条件 | 日向、半日陰 |
水分の必要性 | 必要(普通~湿潤) |
土の必要性 | 必要 |
メタカラコウの自生地
メタカラコウは日本・中国・台湾に自生し、日本国内だと本州・四国・九州に分布しています。
山地や亜高山のやや湿った草地や林縁に自生し、しばしば群生します。
対湿性があり、湿った場所に生えていることが多いようです。
メタカラコウの花の特徴
メタカラコウは花茎の先に多数の黄色い頭花を総状に付け、下から咲かせていきます。
頭花は舌状花が1〜3個付いているか、全くないこともあります。
舌状花のサイズは長さ20mm〜25mm、幅30mm〜40mm程度です。
メタカラコウの葉の特徴
メタカラコウは「根出葉」と「茎葉」という2種類の葉を持っています。
根出葉は長さ200mm〜250mm程度の矢じり状で、縁に鋭い鋸葉があります。
また、長い葉柄も特徴的です。
一方で茎葉はハート形で3枚が互生しており、赤紫色の葉柄は基部が広い鞘状になっています。
根出葉と似ていますが、上部へいくにつれて小さくなっていきます。
メタカラコウと似た花

メタカラコウは仲間の「オタカラコウ」や「トウゲブキ」、「アキノキリンソウ」とよく似た姿をしています。
どのようなポイントに注目して見分ければ良いのか、以下より解説いたします。
・メタカラコウとオタカラコウの違い
・メタカラコウとトウゲブキの違い
・メタカラコウとアキノキリンソウの違い
<比較表>
比較 | メタカラコウ | オタカラコウ | トウゲブキ | アキノキリンソウ |
花 | ・黄色 ・総状花序 ・頭花の舌状花は1~3個 | ・黄色 ・総状花序 ・頭花の舌状花は5~9個 | ・黄色 ・散房花序 ・頭花の舌状花は7~12個 | ・黄色 ・散房~総状花序 ・頭花の舌状花は10個以下 |
葉 | ・根出葉は長さ200mm〜250mm程度の矢じり状 ・茎葉は3枚 | ・根出葉は長さ320mm~350mm、幅400mmの腎心形 ・茎葉は3枚 | ・根出葉は長さ45mm〜130mm、幅75mm〜270mmの腎形 ・茎葉は2~3枚 | ・根出葉は長さ70mm〜90mm、幅15mm〜50mmの卵形〜披針 ・茎葉は長さ70mm〜90mm、幅15mm〜50mmの卵形〜披針 |
草丈 | 500〜1000mm | 1000mm〜2000mm | 300〜800mm | 350〜800mm |
季節 | 6~10月 | 7~10月 | 7月、8月 | 8~11月 |
メタカラコウとオタカラコウの違い

オタカラコウは1000mm〜2000mmとメタカラコウよりも高い草丈が特徴的です。
また、葉も長さが約350mmあり全体的にサイズ感のある外見をしています。
また、メタカラコウに付いている舌状花が1〜3個であるのに対し、オタカラコウは5〜9個と多く付いています。
メタカラコウとトウゲブキの違い

トウゲブキは生育環境や花の色が似ていますが、花の付き方は散房状なので外見に若干の違いがあります。
また、頭花の舌状花は7〜12個とメタカラコウよりも多いです。
根出葉は長さ45mm〜130mm、幅75mm〜270mmの腎形になっています。
茎葉の数は2〜3個で、上部へいくにつれて小さくなります。
メタカラコウとアキノキリンソウの違い

アキノキリンソウは枝先に黄色い花を散房状〜総状に付け、頭花には10個以下の舌状花があります。
メタカラコウとの分かりやすい違いとしては、根出葉が開花時に枯れてしまうという点です。
茎葉は長さ70mm〜90mm、幅15mm〜50mmの卵形〜披針になっています。
メタカラコウが見れる場所・植物園
メタカラコウの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。
・伊吹山頂
・長野県上高地
・戸隠森林植物園
・樽水ダム湖畔
・日光植物園
・軽井沢レイクガーデン
など
メタカラコウの目撃情報
SNS上に寄せられた、メタカラコウの目撃情報をご紹介いたします。
メタカラコウに関するFAQ
メタカラコウについてよくある質問を集めてみました。
・メタカラコウは舌状花ですか?
・メタカラコウの花が咲く時期はいつですか?
メタカラコウは舌状花ですか?
メタカラコウの頭花には、舌状花が集まっています。
メタカラコウの花が咲く時期はいつですか?
メタカラコウの開花時期は6月〜10月です。
メタカラコウの育て方
・メタカラコウのガーデニング情報
・メタカラコウの育て方カレンダー
・メタカラコウの栽培方法
メタカラコウのガーデニング情報
メタカラコウは本来、山地や亜高山のあまり日差しが当たらない場所に自生する山野草です。
そのため、高温多湿で日照時間が長い太平洋側で育てることは困難と言えます。
栽培難易度 | やや難しい |
株間 | – |
種まきの時期 | 3月、4月、9月、10月 |
発芽温度 | – |
生育温度 | 30℃以下 |
耐寒温度 | – |
耐暑温度 | – |
メタカラコウの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | → | → | → | → | → | |||||||
植え付け、植え替え | → | → | → | → | ||||||||
肥料(鉢植え) | → | → | ||||||||||
種まき | → | → | → | → |
メタカラコウの栽培方法
環境・土壌
メタカラコウは半日陰で、適度に湿り気のある土を好みます。
暑さには弱いので、夏季でも湿度や夜の気温が低く、最も暑い時期でも最高気温が30℃を超えない環境での栽培が適しています。
肥料
施肥は元肥だけでも問題ありませんが、鉢で育てる場合は生育具合を実ながら春に緩効性肥料を置き肥しても良いでしょう。
手入れ
水切れしないように注意し、土の表面が乾き始めたら水をたっぷりと与えましょう。
植替え
植え替えは早春頃に行います。
赤玉土や硬質鹿沼土を混合し、水はけよく植えましょう。
まとめ
メタカラコウは、山地や亜高山の湿った場所に群生することが多い山野草です。
仲間であるオタカラコウと外見がよく似ていますが、全体的にやや小ぶりなので並べてみると見分けやすくなります。
また、頭花の舌状花も少ないので花に注目してみても良いでしょう。
メタカラコウの苗や花は現時点で販売が確認できていませんが、栽培する場合は高温多湿を避けて涼しい場所で育ててあげましょう。
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