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ムカゴイラクサ(珠芽刺草、零余子刺草)とは?特徴や食べ方、ミヤマイラクサとの違いなど解説

「むかご」をつけるイラクサに似た野草、ムカゴイラクサをご存知でしょうか。

山菜として親しまれているミヤマイラクサのような外見をしており、ムカゴイラクサも食べることが可能です。

今回はムカゴイラクサについて、生態や外見の特徴などの基本情報やムカゴイラクサの採取時期と食べ方、ミヤマイラクサとの違いなどについて詳しく解説いたします。

目次

ムカゴイラクサとは?

ムカゴイラクサとはどんな野草なのか?

ムカゴイラクサの基本情報について解説いたします。

ムカゴイラクサの基本情報
ムカゴイラクサの名前の由来
ムカゴイラクサの花言葉

ムカゴイラクサの基本情報

学名Laportea bulbifera
英名
和名ムカゴイラクサ(珠芽刺草、零余子刺草)
別名・流通名
科名イラクサ科
属名ムカゴイラクサ属
原産地日本、朝鮮半島、中国、東南アジア、インド島北部、南千島
日本での主な生息地北海道~九州

ムカゴイラクサの名前の由来

ムカゴイラクサはイラクサに似ており、葉腋に「むかご(珠芽)」という栄養繁殖器官をつけることからその名前がつきました。

茎や葉にあるトゲに触ると痛いことにちなんで名前がついたイラクサと同じく、ムカゴイラクサも全体にトゲをもちます。

ムカゴイラクサの花言葉

ムカゴイラクサの花言葉は不明です。

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ムカゴイラクサの特徴

ムカゴイラクサの特徴は以下の通りです。

ムカゴイラクサの自生地
ムカゴイラクサの花の特徴
ムカゴイラクサの葉の特徴

花が咲く季節8月、9月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高400〜800mm
葉の形単葉(不分裂葉)
花のつき方円錐花序
花の色緑、白
葉の色
繁殖方法種、むかご
日照条件半日陰、日陰
水分の必要性必要
土の必要性必要

ムカゴイラクサの自生地

ムカゴイラクサは、朝鮮半島・中国・東南アジア・インド島北部・南千島など幅広いエリアに分布しています。

日本では北海道・本州・四国・九州に分布しており、山地の渓流沿いなど湿った日陰に生育します。

ムカゴイラクサの花の特徴

ムカゴイラクサは8~9月にかけて、同じ株に雄花序と雌花序を出す「雌雄同株」です。

雄花序は柄がない4~7cmの円錐花序で、緑白色の花を多数つけます。

雌花序も長さ4~7cmで葉腋から直立して目立ち、淡緑色の花を多数つける複集散状の花序になります。

ムカゴイラクサの葉の特徴

ムカゴイラクサの葉は互生する単葉で、長さ5~15cm・幅3~6cmの卵状楕円形です。

先端は鋭く尖っており、縁には形の揃った粗い鋸歯があります。

葉身には刺毛がまばらに生えており、触れると激痛を感じるため注意が必要です。

葉脈にはむかごがあり、種子繁殖だけでなくむかごによる栄養繁殖も可能です。

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ムカゴイラクサは食べられる!収穫時期や採取のタイミング

同じイラクサ科植物の山菜としてはミヤマイラクサが有名ですが、ムカゴイラクサも食べることができます。

葉が完全に展開する春ごろが収穫に適しており、クセがなく味は良いです。

ただし、ミヤマイラクサよりも葉が細く群生しないため大量に採取することができません。

トゲは茹でると気にならなくなり、主な食べ方としてはおひたしや生のまま揚げた天ぷらなどがあります。

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ムカゴイラクサの繊維は糸として使われることも

アイヌ文化では、ムカゴイラクサイラクサやエゾイラクサなどイラクサ科植物の繊維を糸作りに使っていました。

地方によって作り方に違いがあり、同じイラクサ科植物を使用しても異なる質と色の糸が出来上がります。

樺太ではイラクサ科植物からできた糸で「テタラペ」と呼ばれる布を作り、出産のお祝いごとなどに使ったと言われています。

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ムカゴイラクサと似た花

左:ムカゴイラクサ 中:ミヤマイラクサ 右:イラクサ

ムカゴイラクサに似た「ミヤマイラクサ」「イラクサ」との違いについて、詳しく解説いたします。

ムカゴイラクサとミヤマイラクサの違い
ムカゴイラクサとイラクサの違い

<比較表>

比較ムカゴイラクサミヤマイラクサイラクサ
・雌雄同株
・雌花序は複集散状で淡緑色
・雄花序は円錐状で緑白色
・雌雄同株
・雌花序は穂状で緑色
・雄花序は円錐状で白色
・雌雄同株
・雌花序、雄花序のどちらも穂状で淡緑色
・互生
・長さ15~150、幅30~60mmの卵状楕円形
・縁に鋸歯がある
・先端は尖るが尾状ではない
・互生
・長さ80~200、幅50~150mmの広卵形
・縁に鋸歯がある
・先端が尾状に尖る
・対生
・長さ50~150、幅40~100mmの広卵形
・縁の鋸歯が大きく欠刻状の鋸歯もある
・先端が尾状に尖る
草丈400〜800mm400〜1000mm400〜800mm
季節8月、9月7~9月9月、10月

ムカゴイラクサとミヤマイラクサの違い

ミヤマイラクサは、葉腋からむかごを出さないことがムカゴイラクサとの決定的な違いです。

葉の形状はムカゴイラクサと似ていますが、広卵形で屋や丸みがあることと先端が尾状に尖っているという違いもあります。

花は雌花序が穂状~総状、雄花序が円錐状についています。

ムカゴイラクサとイラクサの違い

イラクサは葉が対生につくという特徴があります。

また、縁の鋸歯が大きくしばしば欠刻状の鋸歯も見受けられます。

雄花序は下方の葉腋から垂れ下がり、雌花序は上方に向けて直立しており、どちらも穂状で淡緑色をしています。

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ムカゴイラクサが見れる場所・植物園

ムカゴイラクサの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

軽井沢雲場池
筑波山
野幌森林公園
山形市野草園
など

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ムカゴイラクサの目撃情報

SNS上に寄せられた、ムカゴイラクサの目撃情報をご紹介いたします。

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ムカゴイラクサに関するFAQ

ムカゴイラクサについてよくある質問を集めてみました。

ムカゴイラクサのムカゴと自然薯は違うものですか?
ムカゴイラクサは危険性のある植物ですか?

ムカゴイラクサのムカゴと自然薯は違うものですか?

ムカゴイラクサのむかごも自然薯も、同じ「むかご」と呼ばれる器官です。

ただし、むかごには葉が肉質になった「麟芽」と茎が肥大化した「肉芽」の2種類があります。

ムカゴイラクサのむかごは麟芽、自然薯(ヤマイモのむかご)は肉芽に分類されます。

ムカゴイラクサは危険性のある植物ですか?

ムカゴイラクサが持つトゲの基部にはアセチルコリンとヒスタミンを含んだ器官があり、素手で触れると激痛を感じます。

死亡することはありませんが、蕁麻疹を発症する場合があるため安易に触れないよう注意が必要です。

ただし毒性はないので、食べることができます。

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まとめ

ムカゴイラクサは、葉腋につけるむかごが特徴的なイラクサ科植物です。

見た目はミヤマイラクサやイラクサとよく似ているものの、むかごの有無や葉の形状などを見れば区別が可能です。

毒性がなくおひたしや天ぷらなどにして美味しく食べることができますが、素手で触れると激痛を感じるため、手を保護したうえで採取しましょう。

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