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オサバグサ(筬葉草)とは?特徴や育て方など詳しく解説

近年は個体数が減少傾向で、日本特産の野草であるオサバグサ(筬葉草)

国内の林縁で稀に見ることができるレアな植物ですが、どのような生態であるのかはご存知でしょうか。

本記事では、オサバグサの花や葉の特徴に加え、よく似た花の種類と見分け方について解説いたします。

記事後半ではオサバグサの育て方についても紹介していますので、最後までご覧ください。

目次

オサバグサとは?

オサバグサとはどんな野草なのか?

オサバグサの基本情報について解説いたします。

オサバグサの基本情報
オサバグサの名前の由来
オサバグサの花言葉

オサバグサの基本情報

学名Pteridophyllum racemosum
英名
和名オサバグサ(筬葉草)
別名・流通名
科名ケシ科
属名オサバグサ属
原産地日本
日本での主な生息地東北地方~中部地方

オサバグサの名前の由来

漢字で「筬葉草」と表記するオサバグサは、シダのように細かく裂けた葉が「筬(おさ)」に似ていることから名前が付けられました。

なお、筬(おさ)とは機織における道具のひとつです。

オサバグサの花言葉

オサバグサの花言葉は、「純粋な人」です。

花期になると咲く、小さいながらも純白で美しい花の姿によく合う花言葉が付けられています。

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オサバグサの特徴

オサバグサの特徴は以下の通りです。

オサバグサの自生地
オサバグサの花の特徴
オサバグサの葉の特徴

花が咲く季節6~8月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高150mm~250mm
葉の形羽状複葉
花のつき方総状花序
花の色
葉の色
繁殖方法
日照条件半日陰
水分の必要性必要
土の必要性必要

オサバグサの自生地

オサバグサは日本国内にしか分布しておらず、本州の中部地方〜東北地方で稀に見ることができます。

亜高山帯針葉樹林の林床や林縁など薄暗い場所を好みますが、近年は周辺林が伐採されているため生育環境が徐々に減ってきています。

また、オサバグサそのものが人気な野草であるため採取されることも多く、自生種は減少傾向にあるようです。

オサバグサの花の特徴

オサバグサは、直立した花茎の上部に小さい花を下向きに多数つけます。

花は長さ5mm程度の白い花びらからなる、4弁花です。

オサバグサの葉の特徴

オサバグサの葉は長さ100mm〜200mm程度あり、櫛の歯状に細かく裂けた葉身はシダを思わせます。

色は深緑で、表面に粗い毛が生えています。

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オサバグサと似た花

左:オサバグサ 中左:プリムラ・マラコイデス 中右:シシガシラ 右:ジギタリス

ここでは、オサバグサと似ている植物の種類と見分け方について解説いたします。

オサバグサとプリムラ・マラコイデスの違い
オサバグサとシシガシラの違い
オサバグサとジギタリスの違い

<比較表>

比較オサバグサプリムラ・マラコイデスシシガシラジギタリス
・総状花序
・白色
・4弁花
・散形花序
・緑、青、紫、桃、白など
・花冠が5裂、さらに先端が2裂
なし・総状花序
・赤紫色、ピンク色、白色
・鐘形で浅く4裂する
・櫛の歯状に裂ける
・表面に粗い毛がある
・卵形
・縁は浅く裂けている
・表に細かい毛がある
・裏面に白い粉がある
・櫛の歯状に裂ける
・栄養葉と胞子葉がある
・やや厚みがある
・暗褐色
・根出葉と茎葉がある
・縁に細かい鋸歯がある
・有毒
季節6~8月1~4月5月、6月

オサバグサとプリムラ・マラコイデスの違い

プリムラ・マラコイデスは園芸用の花として人気の高い種ですが、自生種は標高1,800〜3,000mの高地で生育しています。

花は茎の上部に散形花序に付き、花冠が5裂しておりさらに先端は2裂します。

歯は卵形で縁は浅く裂けており、表面にある細かい毛と裏面にある白い粉も特徴的です。

オサバグサとシシガシラの違い

常緑地生シダであるシシガシラは、葉の形状がオサバグサとよく似ています。

ただし葉は根茎から放射状に伸びる「栄養葉」と、立ち上がっている「胞子葉」の2つがあります。

なお、花はありません。

オサバグサとジギタリスの違い

鐘を思わせる花の形状はオサバグサとのわずかな共通点ですが、赤紫やピンクなど鮮やかな色の花を咲かせる個体も存在します。

花は直立する気にびっしりと付く他、2mにまで成長する高い草丈を見ても違いは一目瞭然です。

園芸種として人気ですが、最悪の場合は死に至るほどの非常に強い毒をもっているため注意が必要です。

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オサバグサが見れる場所・植物園

オサバグサの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

・尾瀬国立公園帝釈山登山道
・北八ヶ岳
箱根湿生花園
・麦草ヒュッテ前 野草園
・燧ヶ岳
など

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オサバグサの目撃情報

SNS上に寄せられた、オサバグサの目撃情報をご紹介いたします。

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オサバグサに関するFAQ

オサバグサについてよくある質問を集めてみました。

オサバグサの苗はどこで手に入りますか?
オサバグサはケシ科ですが、毒性はありますか?

オサバグサの苗はどこで手に入りますか?

オサバグサの苗は、園芸ショップやネットショップなどで購入可能です。

オサバグサはケシ科ですが、毒性はありますか?

オサバグサに毒性は確認されていませんが、食用とされた前例もないため摂取することはおすすめできません。

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オサバグサの育て方

オサバグサのガーデニング情報
オサバグサの育て方カレンダー
オサバグサの栽培方法

オサバグサのガーデニング情報

オサバグサは様々な園芸ショップやネットショップなどに苗が販売されており、観賞用として栽培されることも多いです。

ここでは、オサバグサの育て方をご紹介いたします。

栽培難易度やや難しい

オサバグサの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
植え付け、植え替え

オサバグサの栽培方法

環境・土壌

オサバグサは夏の高温や強い日差しに弱い一方で、寒さに強く庭植えにも向いています。

鉢植えの場合、夏は風通しの良い半日陰に移動させて他の季節は日向で管理しましょう。

土は水はけが良く、腐植質の多いものを好みます。

鉢植えの場合は硬質鹿沼土と軽石を混合した用土で、中深鉢に植え付けましょう。

庭植えの場合は庭の土に火山レキや桐生砂などを混ぜ込むと水はけが良くなります。

定植

地上部と根茎の接する部分が病害に弱いため、深く植え付けないよう注意しましょう。

肥料

肥料は春に化成肥料を置き肥し、7〜10日に1回夏場以外の季節に1,000〜2,000倍に薄めた液肥を与えましょう。

手入れ

春先は土の表面が乾いた段階で水をたっぷりと与えましょう。

休眠期の水やりは控えめにして問題ありませんが、鉢植えの場合は土が乾ききらないように注意が必要です。

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まとめ

シダのような形状をした葉と小さなベル型の花が特徴的なオサバグサは、日本国内にしか自生していない日本固有種の野草です。

生育に適した環境が狭まっているため自生種は減少傾向にありますが、園芸ショップなどで栽培用の苗を購入することができます。

夏の暑さや乾燥に注意すれば誰でも栽培可能なので、興味のある方はぜひ自宅の庭や鉢で育ててみてください。

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