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タケニグサ(竹似草)とは?毒性や育て方など詳しく解説

空き地や畑の周りなどで多く生育している「タケニグサ(竹似草)」という野草をご存知でしょうか。

傷が付くとオレンジ色の乳液を出す不思議なタケニグサ。

毒性を持つため、扱いに気を付ける必要がある植物です。

本記事では、タケニグサの特徴について詳しく解説します。

目次

タケニグサ(竹似草)

タケニグサ(竹似草)とはどんな野草なのか?

タケニグサ(竹似草)の基本情報について解説いたします。

タケニグサ(竹似草)の基本情報

学名Macleaya cordata
英名Plume poppy
和名タケニグサ(竹似草、竹煮草)
別名・流通名占城菊(チャンパギク)、インキ草(インク草)、囁き草、狼草、裏白 など
科名ケシ科
属名タケニグサ属
原産地日本
日本での主な生息地本州南部で日当たりの良い草原、空き地、崩壊地、林道脇など

タケニグサ(竹似草)の名前の由来

「タケニグサ」という名前の由来は、主に以下2つの説が語られています。

  1. 中空の茎や冬枯れの様子が竹や笹とよく似ているから(竹似草)
  2. 竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなって細工しやすくなるから(竹煮草)

ただし実際に竹似草と竹を一緒に煮ても柔らかくなることはなく、「竹に似ているから」という説が有力と支持されている傾向にあるようです。

タケニグサ(竹似草)の花言葉

タケニグサの花言葉は「素直」「隠れた悪」

竹のようにまっすぐ伸びる姿に相応しい「素直」という言葉を持つ一方で、葉や茎に毒を隠している性質を例えた「隠れた悪」という言葉。

タケニグサの二面性をよく表している花言葉なのではないでしょうか。

タケニグサ(竹似草)の特徴

タケニグサ(竹似草)の特徴は以下の通りです。

花が咲く季節6月・7月・8月
実のなる季節8月・9月・10月
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高1,000〜2,000mm
葉の形分裂葉
花のつき方円錐花序
花の色
葉の色
繁殖方法
日照条件日当たりのよい場所
水分の必要性乾燥しすぎず、湿りすぎない程度に必要
土の必要性必要

タケニグサの毒性について

先述のとおり、タケニグサは毒性を持つ植物です。

しかし、タケニグサの表面に触れただけで、人体に影響が及ぶわけではありません。

タケニグサの葉や茎が傷付いたときに出るオレンジ色の乳液には、有毒物質の「プロトピン」「ヘレリトリン」「サンギナリン」が含まれています。

乳液に触れると皮膚がかぶれる恐れがあるため、お子様やペットなどが誤って触れることのないよう十分に注意しましょう。

なお、ほんの少しだけ舐める程度であれば口に入れても体に深刻な影響が及ぶには至りませんが、多量に摂取すると嘔吐や眠気などの症状が現れ、重症になると死に至る可能性もあります。

イングリッシュガーデンで人気

日本では「雑草」という認識が強く駆除されることが多いタケニグサですが、海外ではイングリッシュガーデンに植栽する園芸植物として人気を集めています。

柏の葉に似た形で裏側の白い大きな葉、茎の先にぱらぱらと咲く白い花…というユニークな姿に惹かれる人が多いようです。

その高い背丈で庭園のバッグボーダーとして存在感を放ちながら、他の草花の魅力を引き立てます。

なお、英名である「Plume poppy」は直訳すると「羽毛ケシ」という意味になります。

開花したときの姿が羽毛のダウンに似ているため、そのように名付けられたと言われています。

「雑草」と「園芸植物」、「竹」と「羽毛」…というように、日本と海外では異なる印象を持たれるところも、タケニグサの面白さではないでしょうか。

タケニグサ(竹似草)の薬効

先ほど、タケニグサから出る乳液に有毒物質が含まれていると解説しました。

しかしタケニグサは、皮膚病やたむしの治療に効果があるとされ、昔は民間療法で生の乳液をそのまま塗布していました。

とはいえ大量に塗ったり、体との相性が合わないと炎症を引き起こしてしまい逆効果となるため、自己判断での使用は控えましょう。

なお、中国ではタケニグサの根・茎・葉を乾燥させて生薬が作られています。

「博落廻(はくらいかい)」と呼ばれるその生薬は、腫れやかゆみなどの皮膚症状を抑えるほかに解毒や殺虫の効果もあるようです。

また、タケニグサの実も乾燥させることで高いかゆみ止め効果を得ることができると言われています。

タケニグサ(竹似草)に似た花

左:クサノオウ 右:タケニグサ

タケニグサに似ている植物としては、「クサノオウ」が挙げられます。

同じケシ科であるため葉の形がよく似ています。

また、茎や葉を傷つけると有毒なアルカロイド成分を含む黄色の乳液を出すという点も、タケニグサと似ています。

もちろんクサノオウから出た乳液も、直接触れると炎症を起こす場合があるので注意が必要です。

クサノオウの特長は、タケニグサよりも背丈が低く鮮やかな黄色の花を咲かせる植物です。

パッと見ただけでも両者の違いはすぐに分かることでしょう。

タケニグサ(竹似草)に関するFAQ

タケニグサに関してよくある質問を、回答と一緒にまとめました。

タケニグサの花は何色ですか?

タケニグサの花は白色です。

蕾が割れた際に細く白い花びらが開き、羽毛のような外見をしています。

タケニグサはどこで販売されていますか?

タケニグサは園芸ショップや通販サイトなどで種子が販売されています。

タケニグサの葉はどんな形ですか?

タケニグサは柏餅を巻いているような「柏の葉」に似た形をしています。

裏側は縮毛が集まっており、触るとふかふかとしたクッションのような感触です。

長さは10〜30cmと、大きなサイズの葉となります。

タケニグサには毒性がありますか?

タケニグサの葉や茎から出てくる乳液には毒性があるため、直接触れたり口に入れたりしないよう注意が必要です。

タケニグサは食べることができますか?

タケニグサは毒性を持つため、人間が食べることはできません。
非常に青臭く苦いことから、食べても美味しい植物ではないと言われています。

タケニグサに触れるとかぶれたりしますか?

タケニグサは表面に触れてもかぶれることはありません。

しかし、葉や茎が傷ついた際に出る乳液は、触れるとかぶれる恐れがあります。

タケニグサの育て方

タケニグサは園芸植物として鑑賞する他、ドライフラワーとしての楽しみ方があります。

興味のある方は、以下を参考にご自身でタケニグサを育ててみてはいかがでしょうか。

タケニグサのガーデニング情報

タケニグサのガーデニングは非常に簡単で、日本のどの環境でも育てることができます。

また、ほとんど放置の状態でも育つほど強い植物です。

栽培難易度簡単
株間60 – 80cm
種まきの時期10 – 12月、2 – 4月
発芽温度15 – 20℃
生育温度17 – 30℃
耐寒温度0℃
耐暑温度35℃

タケニグサの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
種まき
開花
実り

タケニグサの栽培方法

環境・土壌

タケニグサは日当たりや水はけのよい土壌を好みます。

高温多湿な場所、日当たりや水はけの悪い場所はタケニグサの生育に不向きです。

芽出し

特別な下処理は不要で、覆土は5mm以下にします。

露地蒔きをする場合は越冬をしてから新春に発芽します。

定植

10cm程度まで伸びたら、屋外に定植します。

肥料

葉が枯れて茶色になったら除去する程度のお手入れで十分です。

手入れ

葉が枯れて茶色になったら除去する程度のお手入れで十分です。

植替え

鉢の下から根が出てきた場合、株分けや大きめの鉢に植え替えるなどしましょう。

まとめ:「素直」「隠れた悪」の二面性を持つ野草

ここまでタケニグサ(竹煮草)について解説いたしました。

タケニグサは、日本のどの環境でも育ちやすい植物です。

繁殖力が高く、広場や庭などに種子が落ちると、あっという間に生え広がります。

そのため、日本では厄介な野草として扱われ、駆除対象とされることも多いです。

しかし、イギリスなど海外ではイングリッシュガーデンで園芸植物として人気です。

他の植物を引き立ててくれるため、ガーデニングをする方は取り入れを検討してみてはいかがでしょうか。

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