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セッコク(石斛)とは?特徴や似た花との見分け方、育て方など詳しく解説

1000もの種類が存在するデンドロビウムの仲間、セッコク(石斛)という花をご存知でしょうか。

江戸時代から園芸植物として親しまれており、岩や樹木の上に着生して白くきれいな花を咲かせます。

本記事では、セッコクの特徴や花言葉から種類まで解説いたします。

記事後半では、セッコクの育て方についても紹介していますので、参考にしてみてください。

目次

セッコクとは?

セッコクとはどんな野草なのか?

セッコクの基本情報について解説いたします。

セッコクの基本情報
セッコクの名前の由来
セッコクの花言葉

セッコクの基本情報

学名Dendrobium moniliforme
英名Sekkoku、Japanese dendrobium
和名セッコク(石斛)
別名・流通名チョウセイラン(長生蘭)
科名ラン科
属名セッコク属
原産地日本、朝鮮、台湾
日本での主な生息地本州~屋久島

セッコクの名前の由来

セッコクという名前は、中国での古名である「石斛(せきこく)」が訛ったものと言われています。

日本では古くから「スクナヒコノクスネ(少名彦薬根)」と呼ばれており、薬として使われていました。

「チョウセイラン(長生蘭)」という別名も、セッコクに薬効があることから付けられています。

セッコクの花言葉

セッコクの花言葉は、「あなたを元気づける」「豊かな笑顔」などです。

薬効のある植物として活用されていた歴史にちなんで、元気を与えるイメージの花言葉が付けられています。

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セッコクの特徴

セッコクの特徴は以下の通りです。

セッコクの自生地
セッコクの花の特徴
セッコクの葉の特徴

花が咲く季節5月、6月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高100〜250mm
葉の形単葉(不分裂葉)
花のつき方散形花序
花の色白、ピンク
葉の色
繁殖方法種、株分け
日照条件日向、半日陰
水分の必要性普通
土の必要性水苔

セッコクの自生地

セッコクは日本や朝鮮半島、中国を原産地としており、日本国内では本州の岩手県以南〜沖縄にまで分布しています。

森林の岩や老木の着生するタイプのランで、空気中から水分を摂りながら自生しています。

セッコクの花の特徴

セッコクの花は、「バルブ」と呼ばれる茎の上部に1〜2個ずつ出ます。

径30mm〜40mm程度の白または淡紅色をしており、芳香があります。

唇弁を除く5弁はいずれも同じ大きさの卵状楕円形で、先端は尖っています。

唇弁は他の花びらと似たような形をしていますが、わずかに3裂した卵状ひし形です。

セッコクの葉の特徴

セッコクの葉はバルブから2列に互生する単葉で、長さ40mm〜70mm、幅70mm〜15mm程度の披針形をしています。

表面には光沢と厚みがあり、少し固い感触が特徴的です。

葉は年の終わりになると落ち、葉が落ちたバルブから花が出てきます。

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セッコクの流木付けや石付けがおしゃれと話題に

セッコクは着生ランなので、きちんと環境を整えれば流木や石の上で育てることができます。

風の強い場所は避けつつ苔のある岩や木などに固定し、根付くまで水を与えれば着生完了です。

流木や石などにセッコクを着生させることで、鉢植えでは味わえないナチュラルな雰囲気を演出できます。

セッコクを着生させた流木を吊るし、庭をおしゃれに彩っている方もSNSで多く見受けられました。

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セッコクと似た花

左からセッコク、万里紅、フウラン、キバナノセッコク、デンドロビウム、キンギアナム

セッコクは園芸植物として様々な品種が存在する他、別種でもよく似た花が存在します。

それぞれの特徴やセッコクとの見分け方について、以下より解説いたします。

セッコクと万里紅の違い
セッコクとフウラン(風蘭)の違い
セッコクとキバナノセッコクの違い
セッコクとデンドロビウムの違い
セッコクとキンギアナムの違い

<比較表>

スクロールできます
比較セッコク万里紅フウラン(風蘭)キバナノセッコクデンドロビウム(ノビル)キンギアナム
・白または淡紅色
・香りがある
・唇弁は卵状ひし形
・赤紫色・白色
・香りがある
・40mm~50mmの距がある
・3~10個
・黄色
・唇弁に紫褐色の斑模様
・3~8個
・先端は紅紫色、基部は白色
・2~4個
・香りがある
・白色または濃赤紫色
・唇弁に赤色の斑模様
・2~15個
・長さ40mm〜70mm、幅70mm〜15mm
・披針形
・光沢がある
・長さ50mm〜100mm、幅7mm〜8mm
・ひも状
・V字型に2つ折りになる
・長さ20mm〜70mm、幅7mm〜20mm
・先端が鋭い
・光沢がある
・長さ70mm~110mm、幅10~30mm
・長楕円形
・長さ30mm〜10mm、幅10〜20mm
・披針形
草丈100〜250mm100mm~200mm100mm~1500mm300~600mm150mm~500mm
季節5月、6月6月、7月6~11月4月、5月2月~5月

セッコクと万里紅の違い

万里紅は九州産紅花系の代表的な品種で、スミレのように鮮やかな赤紫色の花を咲かせます。

色の他に特筆すべき違いはなく、「セッコク=万里紅」とされることも多いです。

セッコクとフウラン(風蘭)の違い

フウランは太く長い白色の根と白色の花が特徴的で、根を比較すればセッコクと容易に区別が可能です。

また、葉も長さ50mm〜100mm・幅7mm〜8mmとひものような形状をしており、V字型の2つ折りになっています。

香りのある花からは、長さ40mm〜50mmの細長い距が出ています。

セッコクとキバナノセッコクの違い

セッコクの大型種であるキバナノセッコクは、その名の通り黄色い花を咲かせます。

草丈は10mm〜1500mmにもなり、樹木から垂れさがった茎に付いた多数の黄色い花が特徴的です。

なお、唇弁には紫褐色の斑模様が入っています。

伊豆諸島や四国地方以南の暖かい地域に自生し、日陰を好む性質があります。

セッコクとデンドロビウムの違い

デンドロビウムは本来、「セッコク属」に分類されるラン科植物の総称となっています。

しかし日本国内では、洋ランの代表的な種「デンドロビウム・ノビル」のことを指す場合が多いです。

デンドロビウム・ノビルは太い束になった茎、そして径60mm〜80mmにもなる大輪の花がセッコクとの大きな違いです。

花の色は先端が紫紅色、基部が白色になっています。

セッコクとキンギアナムの違い

正式には「デンドロビウム・キンギアナム」と呼ばれる、デンドロビウムの一種です。

長さ50〜300mm・太さ10mm〜20mmの茎を持ち、根元が太く上部が細くなっています。

葉は茎先に3〜6枚付いており、長さ30mm〜10mm・幅10〜20mm程度の披針形です。

白または濃赤紫色で唇弁に赤い斑点がある、径13mm〜25mmの花を2〜15個付けます。

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セッコクが見れる場所・植物園

セッコクの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

筑波実験植物園
神代植物公園
水戸市植物公園
東山動植物園
牧野植物園
六甲高山植物園
など

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セッコクの目撃情報

SNS上に寄せられた、セッコクの目撃情報をご紹介いたします。

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セッコクに関するFAQ

セッコクについてよくある質問を集めてみました。

セッコクの花が咲かない原因はなんですか?
セッコクは吊るして飾ることができますか?
セッコクは枯れやすいですか?

セッコクの花が咲かない原因はなんですか?

セッコクの花が咲かない原因としては、日照不足や通気性不足が考えられます。

本来の自生地は比較的空中湿度のある場所に生える樹木なので、それに近い環境となるよう考慮した管理が大切です。

セッコクは吊るして飾ることができますか?

セッコクは木などに着生させたうえで、吊るすことも可能です。

吊るされた状態のまま花を咲かせたセッコクは、庭をきれいに彩ってくれます。

セッコクは枯れやすいですか?

セッコクは比較的乾燥に強い種なので、枯れる可能性は低いです。

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セッコクの育て方

セッコクのガーデニング情報
セッコクの育て方カレンダー
セッコクの栽培方法

セッコクのガーデニング情報

セッコクは鉢植え・岩付け・庭木付け・へご板付けで育てることができます。

枯れにくい種ではありますが、花を咲かせるには日頃の管理が重要となるためポイントを押さえたうえで栽培に挑戦してみましょう。

栽培難易度やや難しい
株間
種まきの時期
発芽温度
生育温度
耐寒温度
耐暑温度

セッコクの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
植え付け、植え替え
肥料(鉢植え)
肥料(庭植え)

セッコクの栽培方法

環境・土壌

セッコクは日当たりと風通しの良い環境を好みますが、夏場は直射日光に当たらないよう明るい日陰で育てましょう。

また、冬は風に当たらないよう棚下や無加温フレームで保護すると安心です。

鉢植えの場合、水苔や大粒の硬質鹿沼土、軽石を単用しても良いですし、洋ラン用培養土を使っても問題ありません。

できるだけ水はけの良い土を選びましょう。

定植

定植は春頃がおすすめです。

鉢植えの場合は鉢の底に軽石など大粒の土を入れてから、縦に揃えた株に水苔を重ねるように巻いて植えます。

木や石に着生させる場合は、苔が生えた場所に紐で縛って固定し、根付くまで水をたっぷりと与えます。

●鉢の植え付け方

●へご板の植え付け方

肥料

肥料は新芽が形成される春と、花芽が充実する秋に与えます。

液体肥料を規定の3〜5倍に薄め、2週間に1回与えましょう。

手入れ

乾燥に強く過湿に弱いため、水やりは植え込み材料や土が乾いた時点で行いましょう。

春は少し多めに、冬は少し少なめに水を与えると健康的に成長します。

なお、水苔は乾燥し過ぎると水を吸収しなくなるため注意が必要です。

また、セッコクはアブラムシ・ナメクジ・ヨトウムシ・バッタの被害を受けやすい植物です。

害虫を確認した際は、歯ブラシで擦り落としたり殺虫剤を吹き付けて駆除しましょう。

植替え

土質や水苔の劣化を考え、植え替えは1〜2年に1回の頻度で行いましょう。

春頃に、定植と同じ方法で植え替えます。

●植え替え方法

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ネットでセッコクが購入できる場所と値段

セッコクは種から育てる方法は一般的でなく、購入した苗や鉢植えから栽培を始める方が多いです。

購入できる場所や値段の例としては、以下の通りとなります。

●楽天

「香雪」(1,320円)

https://item.rakuten.co.jp/yoneyama-hamamatsu/20000032/

「赤花5種セット」(5,280円)

https://item.rakuten.co.jp/yoneyama-hamamatsu/50000006/

●ヤフオク

「セッコク 株物セット」(1,000円)

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w1042115925

「セッコク 子株」(777円)

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h1028238348

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まとめ

セッコクとは、園芸種として有名なラン科「デンドロビウム」の仲間である着生ランです。

香りの良い可憐な花を咲かせるため、セッコクもまた高い人気を誇る園芸種となっています。

開花させるには日頃のお手入れに気を遣う必要がありますが、土だけでなく木や石の上でも生育可能なので庭をおしゃれに彩ってくれます。

苗は園芸ショップやECサイトから購入可能なので、栽培に興味がある方は是非挑戦してみてください。

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