ヨーロッパ原産の帰化植物であるヒメスイバ(姫酸葉)をご存じでしょうか。
仲間であるスイバと外見が似ています
本記事では、ヒメスイバの花や葉の特徴から、スイバを含む外見が似た花との見分け方などに解説いたします。
ヒメスイバとは?
ヒメスイバとはどんな野草なのか?
ヒメスイバの基本情報について解説いたします。
・ヒメスイバの基本情報
・ヒメスイバの名前の由来
・ヒメスイバの花言葉
ヒメスイバの基本情報
学名 | Rumex acetosella |
英名 | Sheep sorrel |
和名 | ヒメスイバ(姫酸葉) |
別名・流通名 | – |
科名 | タデ科 |
属名 | ギシギシ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
日本での主な生息地 | 全国 |
ヒメスイバの名前の由来
ヒメスイバという名前は、同じタデ科ギシギシ属である「スイバ」よりも小さい種という意味を込めて付けられました。
なお、スイバは茎や葉にシュウ酸を含むことから食べると強い酸味を感じるため「酸葉(スイバ)」と名付けられています。
ヒメスイバの花言葉
ヒメスイバには、花言葉が付けられていません。
ヒメスイバの特徴
ヒメスイバの特徴は以下の通りです。
・ヒメスイバの自生地
・ヒメスイバの花の特徴
・ヒメスイバの葉の特徴
花が咲く季節 | 5~7月 |
実のなる季節 | – |
生活型 | 多年草 |
生活様式 | 地生 |
草丈・樹高 | 100〜500mm |
葉の形 | 単葉(不分裂葉) |
花のつき方 | 円錐花序 |
花の色 | 赤 |
葉の色 | 緑 |
繁殖方法 | 種、地下茎 |
日照条件 | 日向 |
水分の必要性 | 必要 |
土の必要性 | 必要 |
ヒメスイバの自生地
ヒメスイバはヨーロッパ原産の植物で、北半球の温帯に広く分布しています。
日本には明治初期に渡来したと言われており、現在は全国の田畑や道端で日当たりの良い場所で見ることができます。
牧草地などでも自生していますが、酸味があるため家畜にはあまり食べられず、害草として扱われることがあるようです。
ヒメスイバの花の特徴
ヒメスイバは、1つの花茎に数百個もの小花を円錐状に咲かせます。
雄花は緑色の大きな萼片があり赤く色づくのに対し、雌花は萼片が目立たず赤やオレンジ色に染まるという違いがあります。
ヒメスイバの葉の特徴
ヒメスイバの葉は根出葉と茎葉の2種類があります。
根出葉は矛形で、耳状に張り出した基部と長い葉柄が特徴的です。
茎葉は1株につき数個付いており、上部に付いているものは線状披針形で葉柄がありません。
葉にはシュウ酸が含まれているため、料理の酸味付けやチーズ作りの凝固剤として使われることもあります。
ヒメスイバと似た花

ヒメスイバに似ている花としては、「ギシギシ」や「スイバ」を挙げることができます。
同じタデ科ギシギシ属に分類される仲間ですが、以下の違いに注目すると区別は難しくありません。
<比較表>
比較 | ギシギシ | ヒメスイバ | スイバ |
花 | ・苞があり全体的に緑色 | ・雄花は淡い緑色に赤く色づく ・赤色またはオレンジ色 | ・雄花は淡い黄色 ・雌花は赤色 |
葉 | ・根出葉と茎葉 ・根出葉は開花時期にも残ることが多い ・茎葉は縁が波状で葉柄がある | ・根出葉と茎葉 ・上部の茎葉は線状披針形で無柄 | ・根出葉と茎葉 ・上部の茎葉は無柄または基部が茎を抱く |
果実 | ・痩果 ・翼状に発達した萼に包まれる ・額辺は卵状心形~五角形状腎形で縁に低い鋸歯と中央にこぶ状の突起がある | ・痩果 ・果実を包む萼は発達しない | ・痩果 ・翼状に発達した萼に包まれる |
根 | 黄色で太く短い | 細長く横に這う | 黄色で太く短い |
季節 | 4~7月 | 5~7月 | 5~8月 |
ヒメスイバとギシギシの違い

ギシギシは300mm〜1200mmとヒメスイバよりも遥かに高い草丈が特徴的です。
花はヒメスイバと同じく円錐状の花序に付きますが、苞があり全体的に緑色をしています。
萼片が翼状に発達している他、卵状心形~五角形状腎形で縁に低い鋸歯があること、中央にこぶ状の突起があることも特筆すべき違いです。
ヒメスイバとスイバの違い

スイバは300mm〜1000mmとヒメスイバよりも高い草丈が特徴ですが、小型の個体と比較すると区別が難しく見えることもあります。
他に挙げることができる違いとしては、淡い黄色をした雄花や翼状に発達した萼などです。
また、地中にはヒメスイバよりも太く短い黄色の根があります。
ヒメスイバが見れる場所・植物園
ヒメスイバの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。
ヒメスイバの目撃情報
SNS上に寄せられた、ヒメスイバの目撃情報をご紹介いたします。
ヒメスイバに関するFAQ
ヒメスイバについてよくある質問を集めてみました。
・ヒメスイバは食べることができる?
・ヒメスイバは花粉症の原因となる植物ですか?
・ヒメスイバの駆除の方法は?
・ヒメスイバの高さはどれぐらいまで成長しますか?
ヒメスイバは食べることができる?
ヒメスイバは食用とされることもあり、食べると強い酸味を感じます。
ただし、大量に食べると中毒症状が現れる可能性があります。
ヒメスイバは花粉症の原因となる植物ですか?
ヒメスイバの花粉も、花粉症の原因となります。
雄花の葯は微風でも簡単に揺れて花粉を散布するため、開花時期は注意しましょう。
ヒメスイバの駆除の方法は?
ヒメスイバは地中で横に這う根により無性繁殖も可能なため、刈り取るだけではまたすぐに生えてきます。
駆除の際は、除草剤の仕様がおすすめです。
ヒメスイバの高さはどれぐらいまで成長しますか?
ヒメスイバは小さな個体で100mm、大きな個体で500mmまで成長します。
まとめ
ヒメスイバは、近似種のスイバよりも低い草丈が特徴の野草です。
両者を区別する際は、草丈の他に雄花の色や果実を包む萼の形状に注目してみてください。
なお、ヒメスイバはスイバと同様にシュウ酸が含まれており、葉や茎を噛むと強い酸味を感じます。
食用にすることも可能ですが、食べ過ぎると中毒の恐れがあるため注意しましょう。
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