黄色や緑色の花が可愛らしいトウダイグサ(燈台草)は、観葉植物として親しまれている「ユーフォルビア」と同一の植物です。
本記事では、トウダイグサの花や葉の特徴から花言葉、サボテンやノウルシといった似た植物との違いについて解説いたします。
記事後半では、トウダイグサの育て方も紹介していますので、最後までご覧ください。
トウダイグサとは?
トウダイグサとはどんな野草なのか?
トウダイグサの基本情報について解説いたします。
・トウダイグサの基本情報
・トウダイグサの名前の由来
・トウダイグサの花言葉
トウダイグサの基本情報
学名 | Euphorbia helioscopia |
英名 | – |
和名 | トウダイグサ(燈台草) |
別名・流通名 | スズフリバナ(鈴振花) |
科名 | トウダイグサ科 |
属名 | トウダイグサ属 |
原産地 | 日本、ユーラシア、北アフリカ温帯、亜熱帯 |
日本での主な生息地 | 本州~沖縄 |
トウダイグサの名前の由来
トウダイグサの漢字表記「燈台草」の燈台とは、脚の付いた台の上に油皿を置いて火を灯す昔の照明器具です。
お椀のような形をした苞葉の上に黄色い花を付ける様子が燈台に似ているため、トウダイグサ(燈台草)と名付けられました。
トウダイグサの花言葉
形は可愛らしいですが、花が小さく外見があまり目立たないことから「控えめ」や「地味」といった言葉が付けられたものと思われます。
一方で「明るく照らして」は、トウダイグサの由来となった燈台を直接的に表している花言葉です。
トウダイグサの特徴
トウダイグサの特徴は以下の通りです。
・トウダイグサの分布
・トウダイグサの花の特徴
・トウダイグサの葉の特徴
花が咲く季節 | 2~6月 |
実のなる季節 | – |
生活型 | 越年草 |
生活様式 | 地生 |
草丈・樹高 | 100〜500mm |
葉の形 | 単葉(不分裂葉) |
花のつき方 | 杯状花序 |
花の色 | 黄 |
葉の色 | 黄、緑 |
繁殖方法 | 種、地下茎 |
日照条件 | 日向 |
水分の必要性 | 必要 |
土の必要性 | 必要 |
トウダイグサの分布
トウダイグサは、北半球に広く分布しています。
日本国内では本州から九州地方にかけて分布しており、日当たりの良い荒地や畑などで見ることができます。
トウダイグサの花の特徴
トウダイグサは、径5mm程度の小花を輪生した葉の中央に付けます。
なお、小花には花びらがありません。
お椀のような形状をした黄緑色の総苞に包まれており、花も同じような色合いをしているため全体的に葉のように見えます。
トウダイグサの葉の特徴
トウダイグサの葉はヘラ状~倒卵形で、上半分には細かい鋸歯があります。
茎先には大きめで黄色く色づいた葉が5枚輪生しており、その上に花が付くのです。
葉や茎を傷つけると白い乳液が出てきますが、強い毒性を持っているため触らないようにしましょう。
アフリカの砂漠地帯に生息するトウダイグサ
砂漠地帯というと、サボテンが繁殖している地域というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
実際にアフリカのサハラ砂漠などでは多肉性でサボテンに似た植物が自生していますが、それらはトウダイグサの仲間なのです。
サボテンは風に吹き上げられた砂に埋没しやすいため、砂漠地帯で繁殖することはできません。
トウダイグサは観葉植物としても人気の多肉植物
トウダイグサは非常に多くの種類があり、中には多肉性の種も複数存在します。
観葉植物として栽培されている多肉性の種としては、玉のような形が可愛らしい「オペサ」、白い色味とオバケのような形状が特徴的な「ホワイトゴースト」などが有名です。
どの種も非常に個性的な形をしているため、サボテンに次いで高い人気を誇るインテリアグリーンとなっています。
トウダイグサと似た花

トウダイグサによく似ていると言われる種類と、それぞれの見分け方について解説いたします。
・トウダイグサとユーフォルビアの違い
・トウダイグサとノウルシの違い
・トウダイグサとサボテンの違い
<比較表>
比較 | トウダイグサ | ノウルシ | サボテン |
花 | ・花弁がなく黄色い ・黄色がかった緑色の苞葉がある | ・花弁がなく黄色い ・鮮やかな黄色の苞葉がある | – |
葉 | ・へら形~倒卵形 ・上半分に鋸歯がある | ・楕円形~披針形 ・鋸歯はない | ・トゲ状 ・必ずアレオーレがある |
自生地 | 北半球の日当たりが良い荒地など | 日本(北海道~九州)の湿地など | 主に北 ・南アメリカ大陸 |
季節 | 2~6月 | 4月~5月 | – |
トウダイグサとユーフォルビアの違い
観葉植物として有名な「ユーフォルビア」は、トウダイグサ属に分類される植物全般のことを指します。
しかし実際にユーフォルビアの名称が用いられるトウダイグサ属は、園芸植物として栽培されているものが大半です。
トウダイグサとノウルシの違い

ノウルシはトウダイグサと非常によく似た姿をしていますが、亜高山の草地や林縁などトウダイグサと異なる環境で育ちます。
また、苞葉がトウダイグサよりも鮮やかな黄色に染まること、葉の縁に鋸歯がないことも特筆すべき特徴です。
トウダイグサとサボテンの違い

多肉性のトウダイグサと混同されることが多いサボテンですが、どの種にも必ず「アレオーレ」という綿毛が付いています。
また、北・南アメリカ大陸を原産地としており、他の地域ではあまり見ることができません。
トウダイグサが見れる場所・植物園
トウダイグサの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。
トウダイグサの目撃情報
SNS上に寄せられた、トウダイグサの目撃情報をご紹介いたします。
トウダイグサに関するFAQ
トウダイグサについてよくある質問を集めてみました。
・トウダイグサは食べることができますか?
・トウダイグサは毒性がありますか?
・トウダイグサ科の観葉植物にはどんな種類がありますか?
・トウダイグサは多肉植物ですか?
トウダイグサは食べることができますか?
トウダイグサを食用とすることは不可能です。
トウダイグサは毒性がありますか?
トウダイグサは花・葉・茎・種子などすべての部位に毒を持ちます。
葉や茎を切ったときに出てくる液体に触れると、皮膚がかぶれる恐れがあります。
また、どの部位を食べても吐き気や下痢などの中毒症状が現れるため、自分はもちろん子どもやペットが食べないよう十分に注意しましょう。
トウダイグサ科の観葉植物にはどんな種類がありますか?
観葉植物として栽培されているトウダイグサは「ユーフォルビア」と呼ばれており、非常に多くの種類が存在します。
トウダイグサは多肉植物ですか?
個体によっては多肉性のトウダイグサも存在します。
トウダイグサの育て方
・トウダイグサのガーデニング情報
・トウダイグサの育て方カレンダー
・トウダイグサの栽培方法
トウダイグサのガーデニング情報
ここでは、草花のトウダイグサを育てる場合の栽培方法を解説します。
多肉性や低木などのトウダイグサについては育て方が異なるため、実際に入手した品種に合わせた方法で栽培しましょう。
栽培難易度 | やや難しい |
トウダイグサの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
開花 | → | → | → | → | → | |||||||
植え付け、植え替え | ||||||||||||
肥料(鉢植え) | → | → | → | → | ||||||||
肥料(庭植え) | → | → | → | → |
トウダイグサの栽培方法
環境・土壌
トウダイグサは日当たりと風通しの良い場所を好みますが、半日陰でも育てることは可能です。
土質はこだわらず、山野草やサボテン向けの用土で十分に育ちます。
自分で用意する場合、赤玉土3:鹿沼土3:軽石3:腐葉土1の割合で配合すると良いでしょう。
定植
定植の4週間前には土に腐葉土を混ぜておき、庭植えの場合は2週間後に苦土石灰を混ぜてさらに寝かせましょう。
肥料
肥料は3〜5月、10月頃に週1回少量の液体肥料を施します。
トウダイグサは多肥を嫌うため、与える量に注意しましょう。
手入れ
春から挽夏にかけては土の表面が乾いた段階で水をたっぷりと与えます。
7〜8月と10〜12月頃は、土の表面が乾いてから2〜3日置いて水やりをしましょう。
12~3月の休眠期は2週間に1回の水やりで問題ありません。
植替え
庭植えの場合は植え替えが不要ですが、鉢植えの場合は根詰まりを起こす可能性があるため2~3年に1回行いましょう。
まとめ
トウダイグサは草花や多肉性、低木など非常に多くの種類が存在し、「ユーフォルビア」という名前で栽培されている園芸品種もあります。
種によって原産地や生育環境が異なるため、自分で栽培する場合はまずその個体がどんな種に分類されるのかを調べておきましょう。
コメント