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要注意外来生物のムラサキカタバミ(紫色片喰)とは?特徴や花言葉から似た花との見分け方まで解説

ムラサキカタバミの花⑥

紫色の小さな花と、クローバーのような葉が特徴的なムラサキカタバミ(紫色片喰)

見た目は可愛らしい野草ですが、要注意外来生物に指定されており駆除されることも多いです。

本記事では、ムラサキカタバミの生態や花や葉などの特徴、毒性の有無、似た花との見分け方まで解説いたします。

記事後半では、ムラサキカタバミの育て方も紹介していますので、最後までごらんください。

目次

ムラサキカタバミとは?

ムラサキカタバミとはどんな野草なのか?

ムラサキカタバミの基本情報について解説いたします。

ムラサキカタバミの基本情報
ムラサキカタバミの名前の由来
ムラサキカタバミの花言葉

ムラサキカタバミの基本情報

学名Oxalis corymbosa
英名Violet wood-sorrel
和名ムラサキカタバミ(紫色片喰)
別名・流通名キキョウカタバミ(桔梗片喰)
科名カタバミ科
属名カタバミ属
原産地南アメリカ
日本での主な生息地関東~西日本

ムラサキカタバミの名前の由来

ムラサキカタバミは、紫色の花を咲かせるカタバミ属の植物であることからその名前が付けられました。

なお、カタバミの由来は夜になると片方の葉が閉じる習性にあります。

まるで片方だけ食べられているように見えるため、「片喰」と書いてカタバミと名付けられたのです。

カタバミの葉はシュウ酸が含まれているため実際に食べると酸味があり、この味にちなんで「酢漿草」と表記されることもあります。

ムラサキカタバミの花言葉

ムラサキカタバミの花言葉は、「輝く心」「喜び」です。

昔は真鍮製の鏡をカタバミの葉で磨いたことから、「輝く心」という花言葉が付けられたものと思われます。

また、カタバミはキリスト教の復活祭にあたる時期に咲き始めることから、海外で「ハレルヤ」と呼ばれています。

そのため、「喜び」という花言葉が付けられたと言われています。

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ムラサキカタバミの特徴

ムラサキカタバミの特徴は以下の通りです。

ムラサキカタバミの自生地
ムラサキカタバミの花の特徴
ムラサキカタバミの葉の特徴
ムラサキカタバミの球根の特徴

花が咲く季節6月、7月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高300mm
葉の形3出複葉
花のつき方散形花序
花の色紫、桃
葉の色
繁殖方法木子
日照条件日向
水分の必要性必要
土の必要性必要

ムラサキカタバミの自生地

南アメリカを原産地とするムラサキカタバミは、北アメリカやオーストラリア、熱帯アジアなどに幅広く分布しています。

日本も例外ではなく、江戸時代末期に観賞用として渡来して以降、関東〜西日本にかけて帰化しています。

ムラサキカタバミの花の特徴

春から初夏にかけて咲くムラサキカタバミの花は、葉の間から伸びた花柄の先端に付きます。

紫色にも見える青みがかった桃色の5弁花で、中心部分は淡い緑色です。

なお、日没後や雨の日は花びらが閉じるという習性があります。

ムラサキカタバミの葉の特徴

ムラサキカタバミの葉は、ハート形の葉が3つずつ集まった「3出複葉」です。

葉には50〜150mm程度の葉柄がある他、裏面には橙色の斑点があります。

ムラサキカタバミの球根の特徴

ムラサキカタバミは、地下に「鱗茎」という茎を伸ばします。

鱗茎の下部から太くやや透明がかった「牽引根」を出し、その間に「木子」と呼ばれる小さな球根をびっしりと付けます。

この木子がムラサキカタバミの繁殖に必要な部位で、地下に残った木子から新たな株が芽生えるのです。

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要注意外来生物に指定されているムラサキカタバミ

ムラサキカタバミは非常に繁殖力が旺盛で、環境省より「要注意外来生物」にも指定されています。

鱗茎が地中の栄養素を効率よく吸収するため在来種の生育を阻む恐れがあり、駆除されることも少なくありません。

ただしムラサキカタバミは地中に広く鱗茎を広げるため、ただ引き抜くだけでは完全に駆除しきれないという厄介な特徴があります。

駆除する場合は除草剤で根絶させるか、防草シートでムラサキカタバミの生育を抑えましょう。

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ムラサキカタバミに似た花

左:ムラサキカタバミ 右:イモカタバミ

カタバミ属に分類される植物は、世界に約850種類存在すると言われています。

その外見や生態は個体によって異なりますが、似たような外見をした個体同士も珍しくありません。

ここでは、ムラサキカタバミに似た花と特徴の違いについて解説いたします。

ムラサキカタバミとイモカタバミの違い
ムラサキカタバミとオキザリスの違い

<比較表>

比較ムラサキカタバミイモカタバミ
・青みがかった桃色
・中心が緑色
・紫がかった濃い桃色
・中心が濃い紫色
・3出複葉
・小葉はハート形
・裏面に淡い橙色の斑点がある
・3出複葉
・小葉はハート形
・裏面に淡い黄褐色の斑点がある
季節6月、7月4~12月

ムラサキカタバミとイモカタバミの違い

観賞用として人気なイモカタバミは、ムラサキカタバミと同様に紫色のような濃い桃色の花を咲かせます。

違いとしては、ムラサキカタバミの花は中心が緑色となっているのに対し、イモカタバミの花の中心は濃い紫色になっています。

また、開花の季節は4〜12月とムラサキカタバミよりも長いです。

ムラサキカタバミとオキザリスの違い

「オキザリス」とはカタバミ属に分類される植物の総称で、特定の個体に付けられた名前ではありません。

数あるカタバミ属の中で、主に園芸種として流通している個体にオキザリスという名称が使われています。

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ムラサキカタバミはクローバーのこと?

ハート形の小葉が3つ並ぶムラサキカタバミの葉を見て、クローバーを思い浮かべた方も多いことでしょう。

しかしクローバーとはシャジクソウ属に分類される植物の総称で、多くの場合「シロツメクサ」のことを指します。

そのため、ムラサキカタバミ=クローバーは誤った認識となります。

シロツメクサの葉は楕円形の葉が3つ並んでおり、表面にある白い模様が特徴的です。

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ムラサキカタバミが見れる場所・植物園

ムラサキカタバミの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

・天池天然自然公園
阿蘇くじゅう国立公園
・城の鼻公園
神代植物公園
・万葉植物園
京都府立植物園
など

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ムラサキカタバミの目撃情報

SNS上に寄せられた、ムラサキカタバミの目撃情報をご紹介いたします。

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ムラサキカタバミに関するFAQ

ムラサキカタバミについてよくある質問を集めてみました。

紫の葉のカタバミはありますか?
ムラサキカタバミに毒性はありますか?
ムラサキカタバミは石灰で駆除できますか?
ムラサキカタバミは食べることができますか?

紫の葉のカタバミはありますか?

「オキザリス・トライアングラリス(ムラサキノマイ)」と呼ばれるカタバミ属植物は、葉を紫色に染めます。

ムラサキカタバミに毒性はありますか?

ムラサキカタバミは特に毒性はありませんが、シュウ酸が含まれているため食べ過ぎるとお腹がゆるくなる恐れがあります。

ムラサキカタバミは石灰で駆除できますか?

ムラサキカタバミは弱酸性の土を好むため、石灰を用いて土壌をアルカリ性に近づければ生育を防ぐことができます。

ムラサキカタバミは食べることができますか?

ムラサキカタバミは食用とすることも可能です。

ただしアクが強いため、調理前は下茹でをしておくと良いでしょう。

また、自生しているものは動物の排泄物や排気ガスなどにより汚れている恐れがあるため、可能であれば自分で栽培して食べると安全です。

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ムラサキカタバミの育て方

ムラサキカタバミのガーデニング情報
ムラサキカタバミの育て方カレンダー
ムラサキカタバミの栽培方法

ムラサキカタバミのガーデニング情報

ムラサキカタバミはその旺盛な繁殖力から雑草として扱われる一方で、その可愛らしい花を観賞するために自分で栽培する方もいます。

栽培難易度簡単
株間8~10cm
生育温度16~21 ℃

ムラサキカタバミの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
植え付け、植え替え
肥料(鉢植え)
肥料(庭植え)

ムラサキカタバミの栽培方法

環境・土壌

ムラサキカタバミは、日当たりの良い環境を好みます。

花を多く咲かせたい場合は日当たりの良い場所での栽培がおすすめですが、庭植えの場合は逸出に注意が必要です。

土は水はけの良い土が適しているため、市販の草花用培養土または赤玉土7:腐葉土3の配合土を使いましょう。

定植

ムラサキカタバミは、基本的に球根の定植から栽培がスタートします。

まずは鉢底ネットと軽石、用土を入れた鉢に球根を植え付けましょう。

その後は土が乾燥しないように水やりをして管理します。

肥料

肥料は基本的に不要ですが、弱めの万能液体肥料を少量与えることでより健康的に育ちます。

ただし、休眠期にあたる冬場は与えないようにしましょう。

手入れ

土の表面が乾いたタイミングで、たっぷりと水を与えましょう。

また、ムラサキカタバミはまれにアブラムシの被害を受けることがあるため、アブラムシを見かけたらすぐに駆除しましょう。

植替え

鉢植えの場合は根が混み合うため、2〜3年に1度植え替えを行いましょう。

古い土と根を取り除き、新しい土を入れた大きめの鉢に移します。

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まとめ

ムラサキカタバミは、紫色にも見える濃い桃色の花が特徴的なカタバミ属の仲間です。

小葉が3つ並んでいるためクローバーのようにも思えますが、一般的にクローバーと呼ばれている植物ではありません。

観賞だけでなく食べることもできますが、道端に自生しているものは汚れている恐れがあるため、可能な限り自家栽培したものを食べることをおすすめします。

栽培はとても簡単なので、ガーデニング初心者の方が最初に育てる花としてもおすすめです。

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