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ミゾソバ(溝蕎麦)とは?花や葉の特徴から似た花との違いも解説

美味しそうな響きの名前が付けられたミゾソバ(溝蕎麦)は、透き通るような白色とピンク色の花が特徴的な野草です。

タニソバやママコノシリヌグイなど外見が似た花は複数存在しますが、花や葉の特徴などに注目すれば見分けることができます。

本記事では、ミゾソバの花や葉の特徴から似た花の種類とその見分け方、花言葉まで解説いたします。

記事後半では、ミゾソバの育て方についても紹介していますので、ご覧ください。

目次

ミゾソバとは?

ミゾソバとはどんな野草なのか?

ミゾソバの基本情報について解説いたします。

ミゾソバの基本情報
ミゾソバの名前の由来
ミゾソバの花言葉

ミゾソバの基本情報

学名Polygonum thunbergii
英名water pepper
和名ミゾソバ(溝蕎麦)
別名・流通名オオミゾソバ(大溝蕎麦)、ヒカゲミゾソバ (日陰溝蕎麦) 、ウシノヒタイ (牛額)
科名タデ科
属名イヌタデ属
原産地日本、アジア北東部
日本での主な生息地北海道~九州

ミゾソバの名前の由来

漢字で「溝蕎麦」と表記するミゾソバは、溝や湿地に自生することが多いことに加え、実が蕎麦に似ているためその名前が付けられました。

葉の形が牛の額に見えることから「ウシノヒタイ」と呼ばれることもあります。

ミゾソバの花言葉

ミゾソバの花言葉は、「純情」「風変り」です。

綺麗な色をしていながら、金平糖の粒のように個性的な形をしたミゾソバの花を表現した言葉が付けられています。

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ミゾソバの特徴

ミゾソバの特徴は以下の通りです。

ミゾソバの自生地
ミゾソバの花の特徴
ミゾソバの葉の特徴
ミゾソバの実の特徴

花が咲く季節7~10月
実のなる季節
生活型一年草
生活様式地生
草丈・樹高300〜1000mm
葉の形単葉(不分裂葉)
花のつき方総状花序
花の色桃、白
葉の色
繁殖方法
日照条件日向
水分の必要性必要(湿潤)
土の必要性必要

ミゾソバの自生地

ミゾソバは日本や朝鮮半島、中国といった東アジア諸国に分布しています。

日本国内では北海道から九州にかけて広く分布しており、小川沿いや沼沢地、コンクリート護岸されていない用水路脇など水分と栄養価に富んだ場所に群生することが多いです。

ミゾソバの花の特徴

ミゾソバは、5〜8mm程度の小さな花を枝先に複数個付けます。

花びらのように見える部分の白色とピンク色の美しいグラデーションが特徴的ですが、これは花びらではなく萼(葉が変形したもの)です。

また、地を這う茎の先には「閉鎖花」という、開かないまま自家受粉する花が付く個体もあります。

花が開く前は小さな蕾が密集しており、金平糖を思わせる姿をしています。

ミゾソバの葉の特徴

芽吹いたばかりの葉や幼い葉は、ほぼ円形と言える形状です。

しかし成長すると大きなくびれが生まれて先端は尖り、牛の額を思わせる形状へと変化します。

葉の表面に薄っすらと光沢がある他、両面に短い毛が生えています。

ミゾソバの実の特徴

果皮は蕾と同様に円錐形をしており、ツヤのある赤茶色をしています。

果皮の中には3つの角と先端から伸びる細い毛を持つ緑色の果実が入っていますが、熟しても果実の色が変わることはありません。

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ミゾソバは薬にも利用される

かつてミゾソバは、土方歳三の生家が販売していた民間薬「石田散薬」の原料に用いられていました。

乾燥や黒焼きなどの工程を経て加工したミゾソバを熱燗の日本酒と一緒に飲むことで、骨折・打ち身・捻挫・筋肉痛などに対して効果が現れると言われています。

また、茎には止血作用や鎮痛作用があるとも言われており、切り傷や擦り傷の傷口にミゾソバの茎を揉んで付けると良いとされています。

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ミゾソバと似た花

左:ミゾソバ 中左:タニソバ 中右:ヒメツルソバ 右:ママコノシリヌグイ

全部で約60種類あるイヌタデ属の中でも、特にミゾソバと似ている花の種類を見分け方と一緒にご紹介いたします。

ミゾソバとオオミゾソバの違い
ミゾソバとタニソバの違い
ミゾソバとヒメツルソバの違い
ミゾソバとママコノシリヌグイの違い

<比較表>

比較ミゾソバタニソバヒメツルソバママコノシリヌグイ
・総状花序
・花冠はない
・上部がピンク色、下部が白色の萼
・総状花序
・花冠はない
・白色、紅色、緑色の萼
・総状花序
・花冠はない
・淡い紅紫色
・総状花序
・花冠はない
・上部がピンク色、下部が白色の萼
・矛形
・両面と縁に毛がある
・卵形
・裏面に毛がある
・卵形
・中央に褐色のV字模様がある
・赤褐色の毛がある
・三角形
・裏面に毛がある
下向きのトゲが赤みを帯びる赤褐色の毛がある下向きのトゲがあるツル
季節7~10月7~10月4~11月5~10月

ミゾソバとオオミゾソバの違い

ミゾソバとオオミゾソバの明確な違いはありません。

ただし、地中茎を形成して閉鎖花を付けるミゾソバを「オオミゾソバ」と区別されることもあります。

ミゾソバとタニソバの違い

タニソバは林縁や日当たりの良い原野などに自生する種で、赤みを帯びた茎が特徴的です。

また、葉は卵形でミゾソバよりも丸みがあり、裏面には毛が生えています。

花の萼は白色・紅色・緑色のいずれかで、ミゾソバほど美しく目立ってはいません。

ミゾソバとヒメツルソバの違い

ヒメツルソバも、金平糖のような形をしたピンク色の花序が特徴的なイヌタデ属です。

ただしミゾソバよりも花のひとつひとつが小さく、花序も球状に近いため「ポンポン」のような印象を抱かせます。

葉は卵形をしており、中央にある褐色のV字模様や赤褐色の毛も特筆すべき違いです。

ミゾソバとママコノシリヌグイの違い

「トゲソバ」とも呼ばれるママコノシリヌグイは、花序や萼の色合いがミゾソバとよく似ています。

ただしママコノシリヌグイはツル性植物で、下向きになった鋭いトゲのある茎(ツル)が特徴的です。

三角形をした葉の裏面にも、トゲのような毛が生えています。

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ミゾソバが見れる場所・植物園

ミゾソバの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

・高尾山付近
・雲場池付近
・鳳鞭山
神代植物公園
東山植物園
など

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ミゾソバの目撃情報

SNS上に寄せられた、ミゾソバの目撃情報をご紹介いたします。

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ミゾソバに関するFAQ

ミゾソバについてよくある質問を集めてみました。

ミゾソバは食べることができますか?
白い花が咲くミゾソバはありますか?

ミゾソバは食べることができますか?

ミゾソバは苦味がありますが、新芽や若い葉などを食べることができます。

おひたしや天ぷらなど、山菜と同じような調理法で食べられることが多いです。

白い花が咲くミゾソバはありますか?

「シロバナミゾソバ」と呼ばれる、真っ白な花を咲かせるミゾソバの変種が存在します。

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ミゾソバの育て方

ミゾソバのガーデニング情報
ミゾソバの育て方カレンダー
ミゾソバの栽培方法

ミゾソバのガーデニング情報

ミゾソバは日当たりに注意すれば、管理に手間をかけずとも育つ丈夫な植物です。

ここでは、ミゾソバの育て方について解説いたします。

栽培難易度簡単

ミゾソバの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
種まき

ミゾソバの栽培方法

環境・土壌

ミゾソバは日当たりの良い環境を好みます。

土は水分と栄養に富んだものを好みますが、鉢植えの場合はどちらも控えめに与えることで矮小かつ綺麗に育ちます。

芽出し

実から採取した種から栽培を始める場合、3月頃にまきます。

発芽してから本葉が3〜4枚程度出てきたら、鉢や庭に定植しましょう。

肥料

肥料は特に必要としませんが、植え付ける前に堆肥で土壌を肥やしておくとより育ちやすくなります。

手入れ

ミゾソバは乾燥を嫌うため、土の表面が乾いたタイミングで欠かさず水やりを行いましょう。

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まとめ

蕎麦に似た姿と溝に自生することが多い習性からその名が付いた「ミゾソバ」。

コンクリート護岸された溝が多い現在でも、小川沿いや湖岸など水気の多い場所で見ることができます。

水分と栄養価の高い環境を好みますが、丈夫な植物なので自宅での栽培も可能です。

栽培は難しくないため、自宅でミゾソバの美しい花を楽しみたい方はぜひ育ててみてください。

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