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ハンゴンソウ(反魂草)とは?特徴や名前の由来から山菜として食べることができるかなど解説

鮮やかな黄色をした花が特徴的な山野草ハンゴンソウ(反魂草)は、食用にもできる山菜としても知られています。

漢字で「反魂草」と表記するハンゴンソウですが、どんな由来からその名前が付けられたのでしょうか。

本記事では、ハンゴンソウの花や葉の特徴から生態や名前の由来など解説いたします。

また、間違いやすいとされるオオハンゴンソウとの違いも紹介していますので、参考にしてみてください。

目次

ハンゴンソウとは?

ハンゴンソウとはどんな野草なのか?

ハンゴンソウの基本情報について解説いたします。

ハンゴンソウの基本情報
ハンゴンソウの名前の由来
ハンゴンソウの花言葉

ハンゴンソウの基本情報

学名Senecio cannabifolius
英名Welsh groundsel、Welsh ragwort
和名ハンゴンソウ(反魂草)
別名・流通名ヤチウド、ナナツバ
科名キク科
属名ノボロギク属
原産地日本、朝鮮、中国東北部、シベリア東部、カムチャツカ半島、サハリン、千島、アリューシャン列島
日本での主な生息地北海道~本州中部以北

ハンゴンソウの名前の由来

ハンゴンソウ(反魂草)の「反魂」には、魂が返ってくるという意味があります。

名前の由来は諸説ありますが、葉の様子が魂を誘うように手招きする人の手に見えるからという説は有名です。

また、中国で死者を蘇らせる力があると信じられていた薬草「劉寄奴」に当てはめられたとする説もあります。

ハンゴンソウの花言葉

ハンゴンソウの花言葉は「正義」です。

ハンゴンソウには、瀕死の病人がハンゴンソウを用いた薬で息を吹き返したという逸話があります。

人の魂を呼び戻して助けたかのような逸話になぞらえて、正義という花言葉が付けられたとも解釈できます。

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ハンゴンソウの特徴

ハンゴンソウの特徴は以下の通りです。

ハンゴンソウの自生地
ハンゴンソウの花の特徴
ハンゴンソウの葉の特徴

花が咲く季節7~9月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高1000〜2000mm
葉の形分裂葉
花のつき方頭状花序
花の色
葉の色
繁殖方法
日照条件日向
水分の必要性必要
土の必要性必要

ハンゴンソウの自生地

ハンゴンソウは日本や中国、朝鮮などのアジア諸国を原産地としています。

日本では北海道〜本州中部以北に分布しており、山地の湿った草地や湿原、林縁などに自生することが多いです。

ハンゴンソウの花の特徴

ハンゴンソウは、茎の上部に黄色い頭花を散房状に多数付けます。

頭花は径20mm程度で、5〜7個の舌状花と中央の筒状花から成ります。

花序を包む総苞は長さ50mm程度の筒形で、基部には線形の小さな苞葉もあります。

ハンゴンソウの葉の特徴

ハンゴンソウの葉は根出葉と茎葉の2種類があり、開花時になると根出葉は枯れてしまいます。

茎葉は互生する単葉で、長さ100mm〜200mm・幅90mm〜150mmの大きさです。

羽状に深く裂けているか全裂しており、裂片は1〜2対になっています。

また、葉の縁にある鋸歯や葉柄の基部に2つある耳状突起も特徴的です。

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ハンゴンソウは生態系に被害を及ぼす?

ハンゴンソウは外来種のオオハンゴンソウとしばしば混同されますが、実際の両者は別属に分類される種です。

オオハンゴンソウは寒さや湿度に強いだけでなく、繁殖力が非常に強いため在来種の生態系に影響を及ぼす「特定外来生物」に指定されています。

そのため、各地方ではオオハンゴンソウの駆除が積極的に行われているようです。

なお、外見が似ていてもハンゴンソウは貴重な在来種であるため、誤って駆除しないように注意しましょう。

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ハンゴンソウは食用の山菜としても親しまれている

葉が完全に開く前の若いハンゴンソウは食用にされることも多く、北海道では「ナナツバ」という山菜として親しまれています。

ただしハンゴンソウは有毒な「ハシリドコロ」と似ているため、自分で採取する際は必ず間違えないよう注意しましょう。

ハンゴンソウと違って苦みのある匂いがしないこと、卵形の葉が付いていることがハシリドコロの特徴です。

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ハンゴンソウと似た花

左:ハンゴンソウ 中左:オオハンゴンソウ(ルドベキア) 中右:キヌガサギク 右:キクイモ

ハンゴンソウはオオハンゴンソウなど、外見の似ている花が複数存在します。

ここではハンゴンソウと似た花を見分けるポイントを紹介すると共に、それぞれの特徴を比較表としてまとめてみました。

ハンゴンソウとオオハンゴンソウ(ルドベキア)の違い
ハンゴンソウとキヌガサギクの違い
ハンゴンソウとキクイモの違い

<比較表>

比較ハンゴンソウオオハンゴンソウキヌガサギクキクイモ
・径20mm程度
・5~7個の黄色い舌状花
・中央に黄色い筒状花
・散房状に付く
・径50mm~60mm
・6~14個の黄色い舌状花
・緑黄色の筒状花
・開花後は花床が盛り上がる
・径50〜mm70mm
・14個の黄色または基部が褐色の舌状花
・径80mm程度
・10〜20個の黄色い舌状花(先端が3~5裂)
・黄色の筒状花
・根出葉と茎葉
・根出葉は開花時に枯れる
・茎葉は羽状に深く裂けるか全裂(1~2対)
・縁に鋸歯がある
・葉柄の基部に小さな耳状突起が2個ある
・根出葉と茎葉
・根出葉は2回羽状に裂けていて若い葉は有毛
・茎葉は羽状に5~7裂しており両面に短毛がある
・根出葉と茎葉
・根出葉は倒披針形
・茎葉は披針形で縁にわずかな鋸歯がある
・茎の株は対生、上部は互生
・長楕円形
・縁に粗い鋸歯
草丈1000mm〜2000mm500mm〜3000mm400mm〜700mm1000mm〜2000mm
その他全体に粗い剛毛がある全体に粗い毛が密にある
季節7~9月7~10月6~10月8~11月

ハンゴンソウとオオハンゴンソウ(ルドベキア)の違い

先述の通り、オオハンゴンソウはハンゴンソウと別属に分類される外来種です。

鮮やかな黄色の花を咲かせるため似たような外見をしていますが、よく見ると花の形に大きな違いがあります。

ハンゴンソウの花は径50mm〜60mmと大きく、6〜14個の舌状花から構成されています。

また、中央に盛り上がった花床も特徴的です。

ハンゴンソウとキヌガサギクの違い

「アラゲハンゴンソウ」とも呼ばれる、オオハンゴンソウによく似た花を咲かせる種です。

径50〜70mmの黄色い頭花を上向きに付け、14個ある舌状花は黄色または基部が褐色になっています。

筒状花の色は黒褐色〜暗紫色です。

また、全体的に粗い剛毛がある点も特徴と言えます。

ハンゴンソウとキクイモの違い

キクイモはハンゴンソウのように、鮮やかな黄色一色の花をうえ向きに咲かせます。

ただし散房状ではない他、花の大きさは径80mmと大きいという違いがあります。

花は先端が3〜5裂した10〜20個の舌状花と、筒状花という構成です。

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ハンゴンソウが見れる場所・植物園

ハンゴンソウの目撃情報や、生育情報が確認された場所は以下の通りです。

・谷川岳天神平
戸隠高原
・池の平高原
・南アルプス千丈岳
・岩木山南山麓
サロベツ湿原
など

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ハンゴンソウの目撃情報

SNS上に寄せられた、ハンゴンソウの目撃情報をご紹介いたします。

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ハンゴンソウに関するFAQ

ハンゴンソウについてよくある質問を集めてみました。

ハンゴンソウはどこに分布していますか?
ハンゴンソウは外来種ですか?

ハンゴンソウはどこに分布していますか?

ハンゴンソウは日本、朝鮮、中国東北部、シベリア東部、カムチャツカ半島、サハリン、千島、アリューシャン列島に分布しています。

日本国内では、北海道~本州中部以北にかけて見ることができます。

ハンゴンソウは外来種ですか?

ハンゴンソウは在来種です。

なお、花が似ているオオハンゴンソウは外来種で「特定外来生物」に指定されています。

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ハンゴンソウの育て方

ハンゴンソウのガーデニング情報
ハンゴンソウの育て方カレンダー
ハンゴンソウの栽培方法

ハンゴンソウのガーデニング情報

ハンゴンソウは鉢植えよりも庭植えで栽培されることが多いです。

強い日差しには弱いので、夏場は対策してあげましょう。

栽培難易度やや難しい

ハンゴンソウの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花

ハンゴンソウの栽培方法

環境・土壌

ハンゴンソウは日向~半日陰を好みます。

ただし強い日差しを苦手とするため、夏場は直射日光が当たらないよう遮光しておきましょう。

土は保水性のある用土が適しています。

庭植えの場合は腐葉土を混ぜた庭の土、鉢植えは市販の草花用培養土で問題ありません。

肥料

ハンゴンソウは有機質が豊富な用土で育てることが大切です。

また、春頃に緩効性の肥料を追肥すると花を多く咲かせます。

手入れ

庭植えの場合、水やりはほぼ降雨に任せて問題ありません。

鉢植えの場合は土の表面が乾いた時点でたっぷりと水を与えましょう。

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まとめ

「反魂草」と書くハンゴンソウは、日本を含めてアジアに分布している山野草です。

若い葉は食用にもされており、天ぷらやおひたしなど様々な料理に活用できます。

外来種のオオハンゴウソウとよく似ていますが、花の大きさや葉の特徴などに注目すれば区別は容易です。

開花時期になると登山道でも見ることができるため、ぜひハンゴンソウの鮮やかな花を観賞して楽しんでみてください。

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