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ヤマタツナミソウ(山立浪草)とは?花や葉の特徴や育て方も解説

ヤマタツナミソウとは、その名の通り山地に生えていることが多いタツナミソウの仲間です。

唇形をした花びらが垂直に並ぶ様子はタツナミソウとそっくりですが、よく観察すると見分けることが可能になります。

本記事では、ヤマタツナミソウの花や葉の特徴からヤマタツナミソウに似た花との見分け方も解説いたします。

後半では、ヤマタツナミソウの育て方ついても紹介していますので、ご覧ください。

目次

ヤマタツナミソウとは?

ヤマタツナミソウとはどんな野草なのか?

ヤマタツナミソウの基本情報について解説いたします。

ヤマタツナミソウの基本情報
ヤマタツナミソウの名前の由来
ヤマタツナミソウの花言葉

ヤマタツナミソウの基本情報

学名Scutellaria pekinensis Maxim. var. transitra
英名
和名ヤマタツナミソウ(山立浪草)
別名・流通名
科名シソ科
属名タツナミソウ属
原産地日本
日本での主な生息地北海道~九州

ヤマタツナミソウの名前の由来

ヤマタツナミソウは、「山地に生えることが多いタツナミソウ」という意を込めて名付けられた山野草です。

なお、タツナミソウという名前は一定の方向へ開き縦に並ぶ花の姿を、押し寄せる波に見立てたことが由来と言われています。

ヤマタツナミソウの花言葉

ヤマタツナミソウ独自の花言葉はありませんが、タツナミソウと同様「私の命を捧げます」という言葉が当てられることもあります。

少々重い印象のある花言葉ですが、タツナミソウの花が一つの方向だけを見ていること、全草を煎じて薬として用いたことが由来のようです。

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ヤマタツナミソウの特徴

ヤマタツナミソウの特徴は以下の通りです。

ヤマタツナミソウの自生地
ヤマタツナミソウの花の特徴
ヤマタツナミソウの葉の特徴

花が咲く季節5月、6月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高100〜250mm
葉の形単葉(不分裂葉)
花のつき方総状花序
花の色青、紫
葉の色
繁殖方法
日照条件日向または半日陰
水分の必要性必要
土の必要性必要

ヤマタツナミソウの自生地

ヤマタツナミソウは日本または朝鮮半島に分布しています。

日本国内だと本州〜九州、四国が主な自生地となっており、山地の樹陰や林の縁などに生えていることが多いです。

なお、一部の地域では近い将来絶滅する恐れのある種としてレッドデータに含まれています。

特に近畿地方では稀な種であることに加え、草地の森林化によって生育環境が悪化してきたことが原因のようです。

ヤマタツナミソウの花の特徴

ヤマタツナミソウは、タツナミソウと同様に総状花序の花を一方向へ付けます。

筒状になった基部が折れ曲がって斜めに立ち上がる唇形花で、花序には腺毛があります。

ヤマタツナミソウの大きな特徴は、上唇よりも大きな下唇の花びらです。

平たく白みの強い下唇が突き出しているため、青紫色が濃い上唇とのコントラストが鮮明になっています。

ヤマタツナミソウの葉の特徴

ヤマタツナミソウの葉は対生する単葉で、下部へいくほど丸みを帯びていきます。

長さ1.5〜4cm、幅1〜3cmの三角状卵形で、縁にある鋭い鋸歯が特徴的です。

また、葉脈の上が紫色を帯びている個体もあります。

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ヤマタツナミソウと似た花

左:ヤマタツナミソウ 中:タツナミソウ 右:オカタツナミソウ

ヤマタツナミソウを含め、タツナミソウ属に分類される花は数多く存在します。

中でも特にヤマタツナミソウと似た外見をしている花も複数ありますが、それぞれの特徴を理解したうえで比較してみると見分けることができます。

タツナミソウ
オカタツナミソウ

タツナミソウ

ヤマタツナミソウよりも紫色の濃い花を咲かせる、スタンダードなタツナミソウです。

花は上部に、やや密に付いています。

唇形の花であることには変わりありませんが、下唇の花びらはヤマタツナミソウよりも控えめで、紫色と白色のコントラストはあまりハッキリしていません。

葉はヤマタツナミソウと同様、縁に鋭い鋸葉が付いています。

オカタツナミソウ

丘陵地に多く自生していることが名前の由来となっているタツナミソウです。

比較的高い草丈がオカタツナミソウの特徴で、個体によっては50cm程度にまで成長します。

また、葉の縁にある丸みを帯びた鋸歯も特徴的です。

花はヤマタツナミソウやタツナミソウのように縦にずらずらと並ばず、均等な高さにまとまって付いています。

<比較表>

比較ヤマタツナミソウタツナミソウオカタツナミソウ
・薄紫色、青色
・垂直に立った花びらが縦方向へ並んでいる
・下唇の花びらが平たく突き出ている
・基本的に紫色
・垂直に立った花びらが縦方向へ並んでいる
・紫色や白色をしている
・垂直に立った花びらが同じ高さで並んでいる
・形状は卵状3角形
・縁に鋭い鋸歯がある
・葉脈の上が紫色を帯びていることもある
・形状は広卵心形から三角状卵形
・縁に7~10対の鋭い鋸歯がある
・両面に軟毛が生えている
・形状は広卵心形から三角状卵形
・縁に丸みを帯びた鋸歯がある
季節・5~6月に開花・5~6月に開花・5~6月に開花

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ヤマタツナミソウが見れる場所・植物園

ヤマタツナミソウを目撃、または生育していることが確認された場所は以下の通りです。

神代植物公園 植物多様性センター
・群馬県藤岡市金井付近
・高尾山付近
・伊吹山付近
赤城自然園
・武甲山付近
など

名前の由来通り様々な山地での目撃情報が寄せられていましたが、特に関東地方で目撃したという声が目立ちます。

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ヤマタツナミソウの目撃情報

ヤマタツナミソウを目撃したという情報の一部をご紹介いたします。

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ヤマタツナミソウに関するFAQ

ヤマタツナミソウに関してよくある質問を、回答と一緒にまとめました。

ヤマタツナミソウの葉はどんな形をしていますか
ヤマタツナミソウの原産地は

ヤマタツナミソウの葉はどんな形をしていますか?

ヤマタツナミソウの葉は長さ1.5〜4cm、幅1〜3cmの三角状卵形です。

縁には鋭い鋸歯があります。

ヤマタツナミソウの原産地は?

ヤマタツナミソウの原産地は日本です。

国内では北海道〜九州にかけて、海外では朝鮮半島に分布しています。

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ヤマタツナミソウの育て方

ヤマタツナミソウのガーデニング情報
ヤマタツナミソウの育て方カレンダー
ヤマタツナミソウの栽培方法

ヤマタツナミソウのガーデニング情報

ヤマタツナミソウは比較的栽培が簡単で、ガーデニング初心者にも育てやすい植物です。

鉢植えで小さく育ててさり気ない可愛らしさを楽しんだり、庭に寄せ植えして花をたくさん咲かせたりと様々な楽しみ方ができます。

栽培難易度普通
株間
種まきの時期2月、3月
発芽温度
生育温度
耐寒温度
耐暑温度

ヤマタツナミソウの育て方カレンダー

スクロールできます
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
開花
植え付け、植え替え
肥料(鉢植え)
肥料(庭植え)
種まき

ヤマタツナミソウの栽培方法

環境・土壌

ヤマタツナミソウは適度に明るい場所を好むため、春先は日が当たり、夏場は木陰になるような場所での栽培が適しています。

土質は選びませんが、なるべく水はけが良く有機質が豊富な土壌を選ぶと良いでしょう。

芽出し

タツナミソウは2月〜3月にかけて種まきを行い、発芽させます。

なお、開花から翌年以降はこぼれ種で繁殖するため毎年のように花期を楽しむことができます。

定植

庭に植える場合、水はけが悪い環境であれば用土に腐葉土を混ぜ込みましょう。

鉢植えの場合は市販の草花用培養土か、赤玉土(小粒)7:腐葉土3など一般的な配合土を使います。

肥料

庭植えの場合は基本的に肥料を与えなくても育ちます。

鉢植えの場合、芽出しと花後に1回ずつ感光性の固形肥料を施しましょう。

手入れ

庭植えの場合は降雨のみでも育ちますが、雨が降らない日が長期間続く季節や鉢植えで育てる場合は土の表面が乾き次第水やりをしましょう。

なお、病害虫による被害のリスクはほとんどありません。

植替え

鉢植えの場合は1年に1回、植え替えを行いましょう。

一回り大きな鉢へ植え替えるか、株分けすることで根詰まりを防ぐことができます。

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まとめ

山地に自生することが多いタツナミソウの仲間「ヤマタツナミソウ」。

目撃情報を調べてみると、関東地方で見かけたという声が比較的多く見受けられます。

他のタツナミソウ属とよく似た外見の花を咲かせますが、平たく突き出た下唇の花びらや、紫と白色の鮮明なコントラストがあればヤマタツナミソウであると判断できます。

なお、ヤマタツナミソウは種や苗を購入すればご自身で育てることも可能です。

栽培難易度は低いため、ガーデニング初心者の方も是非栽培に挑戦してみてください。

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