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牧野富太郎が発見したヤマトグサ(大和草)とは?特徴や花言葉も紹介

日本の草という意味の名を持つ野草「ヤマトグサ(大和草)」。

ヤマトグサは派手な外見こそ持ち合わせていませんが、植物学の父と謳われた牧野富太郎と深い関わりのある特別な野草です。

今回はヤマトグサの特徴に加え、名前の由来や花言葉などについて詳しく解説いたします。

目次

ヤマトグサ(大和草)

ヤマトグサ(大和草)とはどんな野草なのか?

ヤマトグサ(大和草)の基本情報について解説いたします。

ヤマトグサ(大和草)の基本情報

学名Theligonum japonicum Okubo et Makino
英名
和名ヤマトグサ(大和草)
別名・流通名
科名アカネ科
属名ヤマトグサ属
原産地日本
日本での主な生息地関東地方以西の本州、四国、九州

ヤマトグサ(大和草)の名前の由来

日本原産で国内にのみ分布しているヤマトグサは、日本人の植物学博士である牧野富太郎が発見した野草です。

牧野富太郎は、「日本の草」という意味を込めてヤマトグサの名を付けたと言われています。

ヤマトグサ(大和草)の花言葉

ヤマトグサに花言葉は付けられていません。

花言葉はすべての植物が持っているわけではなく、ヒエガエリやチチコグサモドキなど花言葉のない山野草も多いのです。

ヤマトグサ(大和草)の特徴

ヤマトグサ(大和草)の特徴は以下の通りです。

花が咲く季節4月、5月
実のなる季節
生活型多年草
生活様式地生
草丈・樹高150mm~300mm
葉の形卵形、狭卵形
花のつき方
花の色緑、薄黄色
葉の色
繁殖方法
日照条件明るい日陰で生息する
水分の必要性必要
土の必要性必要

ヤマトグサ(大和草)の自生地

ヤマトグサは主に本州の関東地方以西から四国や九州まで分布しており、北限は秋田県、南限は熊本県となっています。

なお、熊本県は九州で唯一ヤマトグサの自生が確認されている土地です。

丘陵地帯の森林下で生育します。

現在は多くの都道府県にて、絶滅する恐れがある植物としてレッドリストの指定を受けています。

森林栽培や林道工事による自然への影響に加え、園芸栽培を目的とした採取を理由に減少しているようです。

ヤマトグサ(大和草)の花の特徴

ヤマトグサは同じ株に花びらのない雄花と雌花を咲かせる野草で、「風媒花」に分類されます。

風媒花とは風の力に頼って受粉が行われる花のことを指し、総じて派手な花を咲かせない点が特徴です。

雄花の姿は独特で、長さ5mm程度の細い雄しべが多数垂れさがっています。

一方で雌花は緑色をしており、非常に小さいため雄花よりも目立ちません。

柄がなく筒状の外花被片で子房を囲んでおり、外花被片のやや側面から曲がった柱頭が突き出てきます。

ヤマトグサ(大和草)の葉の特徴

ヤマトグサの葉は卵形や狭卵形をしているものがあり、まばらに毛が生えています。

先端は短く尖っているか丸みを帯びており、滑らかな緑色です。

葉や茎だけに注目すると「ハシカグサ」に似ており、牧野富太郎も発見当初はハシカグサと思っていたと言われています。

植物学の父 牧野富太郎が新種発表した植物

先述の通り、ヤマトグサは牧野富太郎が新種として発見しました。

牧野富太郎は日本の植物学における基礎を築いたとして、”植物学の父”とも謳われている博士です。

牧野富太郎がヤマトグサを最初に発見したのは、1886年高知県でのことでした。

当時は標本がないため、誤って「ハシカグサ」と同定していました。

しかし、その後同じ場所にて最適な標本を得たことからヤマトグサの研究が始まります。

後に植物学者である大久保三郎との連名で、「植物学雑誌」にて研究結果の論文を発表。

日本固有種であり、日本人の手によって記録され、日本の学術雑誌に発表された植物はヤマトグサが初めてでした。

牧野富太郎が愛した花として、バイカオウレンが有名です。

興味のある方は以下の記事も、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

ヤマトグサ(大和草)に関するFAQ

ヤマトグサに関してよくある質問を、回答と一緒にまとめました。

ヤマトグサの花はどんな形?

ヤマトグサの雄花は細い雄しべが多数垂れさがっており、稲穂のような形をしています。

一方で雌花は目立たず、筒状の外花被片で子房を包み込んでいます。

ヤマトグサの自生地は?

ヤマトグサは主に本州関東地方以西、四国、九州の森林下に自生しています。

ヤマトグサは筑波山で見れますか?

筑波山はヤマトグサの自生地として知られていますが、近年は減少傾向にあり絶滅が危惧されています。

ヤマトグサとハシカグサの違いは?

ヤマトグサは山地の森林下に自生していますが、ハシカグサは道端や一般的な民家の庭にも生えていることがあります。

自生地の他、花の形に注目すると一目で見分けることができます。

ただし、どちらも葉と茎だけの状態で並んでいた場合は区別が非常に困難です。

まとめ

ヤマトグサは鮮やかな花を咲かせるわけではありませんが、日本を代表する野草と言える植物です。

自生地は日本ですが一部では絶滅が危惧されている種であるため、各自治体にてヤマトグサの保全に配慮が必要と考えられています。

ヤマトグサは葉と茎だけの状態だとハシカグサに酷似しているため、探しに行く場合は開花時期を狙って個性的な花の形を目印にしましょう。

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